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THE WORLD  作者: SEASONS
4月20日
1443/1574

全ての魔術

《サイド:常磐成美》



「ここからが大事な話なんだけど…。」



真剣な表情で話し始める御堂さんの視線は、

まっすぐに私へと向いていました。



「成美ちゃん。僕が今から話すことをしっかりと聞いてくれないかな。」


「は…はいっ。」


「…うん。ありがとう。」



御堂さんは何かを伝えようとしてくれているようです。



ちゃんと話を聞こうと思って耳を傾ける私に、

色々と説明していただけるようでした。



「現在、共和国がどういう状況なのかとか…詳しいことは僕も分からないんだけどね。それでも成美ちゃんに何が起きているのかは分かっているつもりなんだ。」



…私に起きていること?



それは私の瞳のことでしょうか?


それとも他に何かあるのでしょうか?



例えばウィッチクイーンさんから預かった宝石のこととか?



そういう部分も含めて話を聞けるのかもしれません。



「成美ちゃんの瞳に宿る力。そして成美ちゃんが預かった宝石。そして成美ちゃんの役目と希望の価値。それらに関しての仮説が出来たんだ。あくまでも今は推測でしかないけれど、聞いてくれるかな?」


「あ…はい。」



もちろん聞きたいと思います。



「お願いします。」


「うん。まず最初に成美ちゃんの瞳には沙織と翔子の心が秘められているという話なんだけど…。これは僕の親友である天城総魔が死の直前に遺してくれた奇跡であり、希望だと考えている。成美ちゃんは総魔の名前を知っているかな?」



…はい、もちろんです。



天城さんの名前なら私も知っています。


何度も聞いたことがあるからです。



「お姉ちゃんや翔子さんよりも強くて、とても尊敬出来る人だと聞いています。」



ウィッチクイーンさんも天城さんの名前を出していましたし、

この学園でも何度か耳にした名前です。



私は一度も会ったことがありませんけれど。


御堂さんよりも強い人だとは聞いています。



それがどれくらいなのかなんて分かりませんけれど。


名前と噂くらいなら知っていました。



「どんな人だったんですか?」


「うーん。そうだね。総魔に関しては時間がある時にでもゆっくりと説明するよ。それよりも今すぐに話さなければいけないことは成美ちゃんが受け継いだ力に関してだと思うからね。」


「それって…お姉ちゃんと翔子さんのことですよね?」


「ああ、そうだよ。成美ちゃんの瞳には二人の想いと力が宿っているんだ。」



さっき見せた魔術もそうですけど。


私は二人の魔術を扱えるということでしょうか?



「具体的にどの程度の魔術まで使えるのかは分からないけどね。だけどおそらく…二人が扱えた魔術の全てを使えるんじゃないかな?」



…全ての魔術?


…どうなのでしょうか?



御堂さんはお姉ちゃんと翔子さんが扱える全ての魔術を使えると言ってくれましたけど。


私にはよくわかりません。



そもそも魔術というのはどうやって使うのでしょうか?



「実際のところどうなのかは実験してみないと分からないけどね。おそらくそういうことなんだと思う。そしてそこが重要な部分なんだけどね。成美ちゃんは魔術師としてすでに僕を上回っている可能性があるんだ。」



…えっ?


…私が?


…御堂さんよりも?



とてもそうとは思えないんですけど?


御堂さんは真剣な表情で説明を続けてくれました。



「翔子の魔術は僕と同格か…それ以上の威力を秘めているからね。」



…翔子さんは御堂さん以上?



「そして沙織の魔術はね。この学園では誰も敵わないほどの種類と精度を誇っていたんだ。」



…それは聞いたことがあります。



「だからこその大賢者とも言えるんだけど…。そんな二人の魔術を受け継いでいる成美ちゃんはそれだけですでに、あらゆる魔術師を上回る可能性を秘めているはずなんだ。」



…二人の魔術。



翔子さんの『力』と、

お姉ちゃんの『精度』



その全てが私の中にはあるというお話でした。



「成美ちゃんに自覚はなくてもね。現状ですでに最強の魔術師としての実力を秘めていると僕は考えている。」



…最強の魔術師?



私としては順位や格付けに興味なんてないんですけど。


御堂さんの言葉には何か深い意味があるような…そんな気がします。



…ですが。



「私はそんな…」



そんなに凄い力なんてないと思います。



自信がないとも言えますけど。


魔術に関して何も知らない私に、

最強という言葉は無縁だと思うからです。



正直な話を言うと本当に何も分からないんです。



魔術が何なのか?


どうやって使うのか?


何も知りません。



…ただ。



魔術の名前を聞くと何故か出来るような気がするだけなんです。



その理由は私にも分かりませんし。


本当に何も知りません。



だから最強の魔術師と言われても良く分からないんです。



「私には何も分かりません…。」


「…だろうね。」



呟く私をまっすぐに見つめながら、

御堂さんは話を続けてくれました。



「成美ちゃんが理解出来ないのは当然だと思うよ。それが普通の反応だと思うからね。突然のことだし、それを証明する方法もないんだ。」



…ですよね。



「だけど…成美ちゃんが納得出来なくても僕は思う。成美ちゃんの瞳には二人の力が秘められている。そしてその力は僕さえも凌ぐ強力な力だ。それが事実であり現実なんだよ。」



………。



何かを伝えようとする御堂さんの言葉は、

まるで自分自身に言い聞かせているような…そんな感じがします。



「僕はね。そう思うんだ。」



想いを言葉にしてから、

御堂さんは私が持っているペンダントに視線を向けました。




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