難しい判断
《サイド:栗原薫》
「栗原さんはどうなのかな?」
…って、聞かれてもね〜?
御堂君に尋ねられたけどね。
返答に困ってしまったのよ。
「分からないわ。私には分からないの…。」
今は分からないとしか答えられないから。
本当に何も知らないから。
私に何が起きているのかなんて、
分かるわけがないじゃない。
私の中に兄貴と愛里がいるかどうかなんて調べようがないのよ。
…だってそうでしょ?
兄貴も愛里も特別な魔術を身につけていたわけじゃないわ。
実力だって私とほとんど変わらないのよ。
まあ、医師としての兄貴は優秀だったと思うけどね。
もちろん愛里もそうだけど。
使える魔術自体には、
ほとんど差がないはずなのよ。
だから魔術を見て成美ちゃんのように判断するのは難しいと思ってる。
…だけど。
竜の牙の攻撃から私を守ってくれた不思議な現象は今でも覚えているわ。
二度の刃と複数の魔術から私を守ってくれた不思議な力は覚えているの。
それが兄貴の仕業なのか愛里の仕業なのかは判断出来ないけれど。
私を守るという意味ではどちらでも有り得ると思うのよね。
…やっぱり私の中にいるの?
何度、心に問いかけてみても答えは返って来ないわ。
…どうなのかな?
何も分からないのよ。
明らかに何かが起きているのは分かるけれどね。
分かるのはそこまでなの。
そこから先はね。
何も分からないままなのよ。




