お互いの利益の為に
「とりあえず信じてみます。美咲さんを…」
「ええ、信じるのは大切なことよ♪」
美咲さんは嬉しそうに何度も頷いてた。
「だからこれだけは覚えておいてね♪魔女の契約は絶対よ。それは『いつの時代』でも変わらないわ。乃絵瑠ちゃんが私を信じる限り、私は絶対に乃絵瑠ちゃんを裏切らない。それが『魔女の契約』なのよ。」
…魔女の契約?
その重要性を宣言してから、
美咲さんは裏の性格を私に見せてくる。
妖艶な微笑みを浮かべながら、
誇らしげに宣言してきたのよ。
「乃絵瑠ちゃんの唇は私のモノよ。この契約が終わるまで、私は決してあなたを逃がさない。」
…ぅぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!!!
恐怖を感じて震える体。
だけど美咲さんは握手を交わす手を離してくれなかったのよ。
「私は約束を守るわ。だ・か・ら♪乃絵瑠ちゃんも約束を守るのよ♪良いわね?」
本性を表しながら告げる言葉に、
私は怯えながら何度も頷くことしかできなかったの。
無意識のうちに感じる恐怖心が正常な思考回路を破壊して、
ただただ何度も頷いてしまっていたのよ。
その結果としてね。
正常な思考を取り戻した時にはすでに手遅れになってしまっていたみたい。
「ふふっ。」
気付いた時にはすでにね。
契約が完全に成立してしまったあとだったのよ。
…うあああっ!?
…もしかしてまた嵌められたのっ!?
気づいてももう手遅れだったわ。
「信じてくれて嬉しいわ♪」
美咲さんは裏の性格を隠して、
表向きの性格で優しく微笑んでいたからよ。
「大好きよ♪乃絵瑠ちゃん♪」
心から喜ぶ美咲さんの暴走は止まらない。
…こうなったらもう逃げられないのっ!?
恐怖と絶望で潰れそうになる心。
…それなのに。
何故か美咲さんを信じれられるような気がしてしまう。
色々な意味で危険な人だけど。
約束は守る人だと思えるから。
だからなんとなくだけど大丈夫に思えたの。
…こうなったらもうやるしかないわねっ!
今更、あとには引けないわ。
ここまで来たら美咲さんを信じるしかないのよ!
「本当に闇の魔術を使えるようになるんですよね?」
「ええ、必ず使えるようになるわ。」
改めて確認する私に美咲さんが即答してくれる。
「そして暗黒迷宮を攻略できるようになるわ。絶対にね♪」
…だったら、良いのかな?
決して揺るがない自信を持って宣言する美咲さんをね。
信じることにしたのよ。
「それじゃあ改めて、よろしくお願いしますっ!!」
力一杯の握手をしながら頭を下げる。
そして誓うことにしたの。
「強くなれるのなら、その為になら美咲さんを信じます!」
「ふふっ。良い子ね。」
美咲さんが空いている左手で私の頭を撫でてくれたわ。
「お互いの利益の為に頑張りましょう。」
「はいっ!」
こうなったらキスの一つや二つ…って本当は嫌なんだけど。
…美咲さんが真剣に怖いけど。
…ここは我慢してみせるわっ!
不安だらけの覚悟だけど。
それでも私は決めたのよ。
美咲さんを信じる!ってね。
これからどうなるかは分からないけれど。
信じていこうと思うの。
それが自分自身の為だと信じて頑張ることにしたのよ。




