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私はもう気付いてる
「何かしてほしいことがあったら、遠慮なく何でも言ってね。」
「あ、はい。ありがとうございますっ♪」
嬉しそうに微笑んでくれる成美ちゃんと手を繋いだまま時間が過ぎるのを待ち続ける。
…このままでも幸せな気はするけどね〜。
このままのんびりしていたいと思う気持ちがあるんだけど。
現実と向き合うのを忘れるわけにはいかないわ。
一体、何が起きていて、
これから何が起きようとしているのかを考える必要があるからよ。
さしあたって問題になるのが天城君が遺した希望なんだけど。
それが何なのか?
私は気付き始めているわ。
…ううん。
…違うわね。
たぶん気付いているの。
まだ理解出来ていないだけでね。
私はもう気付いてるのよ。
私の心の中にいる存在が何か?
その答えに気付いてる。
…たぶん、だけどね。
成美ちゃんの瞳がそうであるように、
私の中にはきっと『あいつ』がいるはずなの。
もしかしたら『あの子』もいるかもしれないけれど。
今はまだ分からない。
…だけどね。
きっとそういうことだと思うの。
確証は何もないけれど。
きっとそういうことなんだと思ってる。
…ねえ、兄貴。
…ねえ、愛里。
…二人とも、ここにいるの?
心に問い掛けてみても返事は返ってこないけどね。
だけど私は気づいてる。
きっと二人はここにいるのよ。
そして。
私を見守ってくれているはずなの。




