その時はよろしく
「里沙…大丈夫?」
「ええ。まだまだ大丈夫よ!」
私の顔を覗き込んで心配してくれる親友の優しさを感じながら笑顔で頷いておく。
本当は疲れてるなんて言えるわけがないわよね?
みんな必死に頑張ってるんだから、
私も愚痴ってる暇なんてないわ。
「まだまだ大丈夫!!」
「ふふっ。さすが里沙ね。」
気合いを入れて答える私を見た百花は優しく微笑んでくれていたわ。
…毎日思うけれど、頼りになる親友よね〜。
「里沙が倒れたら私が看病してあげるわ。」
…お~っ!
…それはそれで嬉しいかも〜。
「それじゃあ、その時はよろしく~♪」
「ふふっ。」
馬鹿みたいに笑顔で返事する私を見た百花は苦笑していたわ。
…ちょっと呆れてる感じ?
「里沙のためなら何日でも看病してあげるけれど。そもそも無理をしないように配慮しなさい。」
「あう…。」
ちょっぴり叱るような口調で言ってから、
百花は別の場所に行ってしまったのよ。
力を封印した私と違って、
百花は回復魔術が使えるから治療で忙しいみたいね。
…まあ、百花は軽症の手当てしか出来ないけど。
それでも痛み止め程度には役に立てるし、
今の私よりは戦力になるはずよ。
…治療の補助しかできない私はイマイチ役に立てないわね〜。
診断と指示くらいしか出来ないのよ。
…せめて鈴置さんがいてくれれば薬の調合をお願いできるんだけど。
家に帰っちゃったっぽいから学園にはいないみたい。
…と言うか。
海軍に同行していた医師や生徒って町にいるっぽいから、
そもそも優秀な戦力が学園にいないのよ。
…戦争のために戦力を派遣した弊害よね〜。
学園に残っているのは戦争に参加しなかった人達だから。
だから襲撃犯に対応出来ずに負傷者を続出させているの。
…教員と特風に風紀委員と救急班。
貴重な戦力が出払っているせいで学園の防衛能力が急低下。
…こういう言い方はどうかと思うけど。
治療にしても戦闘にしても、
2軍以下しかいないのよ。
…困った問題よね〜。
ジェノスに限らず、
他のどの町も同じ問題を抱えているんでしょうけれど。
…戦争どうこう以前に、国内の情勢も不安かも?
まだまだ終わらない治療。
何気なく時計に視線を向けてみるとね。
時計の針が午後5時を指そうとしていたわ。




