交渉成立
「交渉成立ね♪」
笑顔で席を立った美咲さんが私に歩みよってくる。
その一歩ごとに私の緊張は増して、
心臓の鼓動が速くなってしまうんだけどね。
…あぅぅぅぅ。
不安と緊張で心が張り裂けそうになる私に、
美咲さんが笑顔で迫って来るのよ。
「それじゃあ、目を閉じて…。」
……っ!?
髪を軽くかきあげながら顔を近付けて囁く美咲さんの声を聞いた瞬間に、
力一杯まぶたを閉じてしまったわ。
「うふふっ♪そんなに緊張しなくても良いのよ?」
…そう言われても、ね。
自然と緊張してしまうのよ。
「まあ、良いわ。それじゃあ、これが契約の証よ♪」
私の頬に手を添えた美咲さんが、
緊張する私の唇に柔らかな唇を重ね合わせたのよ。
…はぅぅ!?
初めての感触だったわ。
ファースト・キスを美咲さんに奪われたのよ。
…だけど。
これで交渉は成立なのよね?
これで美咲さんの協力を得られる…と思った瞬間にね。
…へっ?
…って!?
…ええええええええぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ!!!!!!
予想外の異様な感触を感じてしまったのよ。
…噂には聞いてたけれど。
…まさか、本当にするなんてっ!?
何の遠慮もなく絡みつく生暖かい感触には嫌悪感すら感じてしまったわ。
…って!?
…何でっ!?
疑問を感じた時にはすでに遅くて、
私の口の中を美咲さんの舌が怪しくうごめいていたのよ。
…ちょっ!?
予想外の出来事に驚いてしまったことで、
全力で美咲さんの体を押しのけてから慌てて逃げ出してしまったわ。




