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広がる雨雲
《サイド:竜崎慶太》
…空が曇ってきたかな。
近藤君を共和国へ送り届ける為にミッドガルムを南下している途中なんだけど。
徐々に雲行きが怪しくなってきているようだ。
「どうやら共和国に降る雨がミッドガルムにまで広がってきたようだね。」
「………。」
何気なく呟いてみたんだけど。
近藤君は何も答えずに静かに空を見上げていた。
南から迫る雨雲は暗くどんよりとしている。
この付近はまだ晴れているけれど。
あと1時間もしないうちに、
この辺りにまで届くんじゃないかな?
「雨が降るね。」
「ああ、そうみたいだな。」
視線を落として前方に視線を向けた近藤君が何を考えているのかは分からないけれど。
目指す共和国はまだまだ遠い。
「到着予定は夜かな。」
「ああ。」
短い会話を交わしながら歩き続ける。
共和国を目指して、
僕達は黙々と移動を続けた。




