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THE WORLD  作者: SEASONS
4月20日
1362/1498

わざわざ今日に

《サイド:ウィッチクイーン》



…はぁぁぁぁぁ。



思いっきりため息を吐いてしまったわ。



その理由はただ一つ。



ジェノス魔導学園を脱出したあとで、

ひたすらセルビナに向かって移動していたんだけどね。



全く止む気配のない雨の中を走り続けているからよ。



激しく降り続ける雨を見てるだけで鬱陶しくて仕方がないわ。



…でもまあ。



魔術で風の結界を作ることで雨は遮断出来るから濡れる心配はないんだけどね。



それでも雨が降ると見通しが悪くなるし。


足場もぬかるんでくるし。


思うように速度が出せないせいで、

急ぎたくても急げない状況になってしまうのよ。



「わざわざ今日に降らなくてもいいじゃない…。」



そんなふうにぼやいてみても雨が止むわけじゃないわ。


どれだけ愚痴っても雨は遠慮なく降り続けるからよ。



「結界で雨は防げるとはいえ。雨が降ると音と視界に制限がつくから、敵に囲まれても気付き難いっていう欠点があるのよね~。」



一人で行動してる現状で竜の牙に襲われたら面倒で面倒で面倒で仕方がないわ。



ただでさえ雨のせいで回りの音が聞こえにくくなっているうえに、

結界で雨を遮断しているせいで余計に音が聞こえにくいのよ。



「今この状況で襲われたら、普通に直撃を受けて倒れるかも?」



…かと言って。



対魔術用に常時シールドを展開するとなると魔力の消費がきついのよね。



だからある程度は風の結界に頼るのが一番無難なのよ。



雨の遮断と移動の加速。


そして外部からの攻撃への防御。


長距離を移動するにあたって風の結界は色々と都合が良いの。



「まあ、来るか来ないか分からない竜の牙はともかくとして…。淳弥はちゃんと伝言を伝えてくれたのかしら?」



ついさっきジェノスの学園で弟の淳弥と再会して色々と情報を伝えてみたけれど。


それがちゃんと米倉宗一郎に伝わったかどうかが分からないのよ。



…とりあえず今は淳弥がちゃんと動いてくれる事を信じるしかないわね。



共和国の全ての町に対する防衛とセルビナに対する反撃。


それらをしっかりとやってもらわないと犠牲はどこまでも増え続けるわ。



「とにかくセルビナへの軍の派遣を急いでもらわないと、雪達も危険な状況になってしまうのよ。」



先行して送り込んだ雪の部隊は、

今もセルビナ軍の足止めをしてるはず。



だけどたった1000人の部隊だから、

限られた戦力でセルビナ軍を抑え切るのは難しいでしょうね。



…実力的には国境警備隊よりも上だとしてもね。



ほぼ一日がかりで共和国を走り回っている疲労もあるし、

魔術師である以上は攻撃直後の隙はどうしても生まれてしまうのよ。


だから万単位の軍隊を相手に勝てるとは言い切れないの。



…それはアストリアの砦戦で証明されているわ。



『一人一殺』



数による殲滅戦を仕掛けられたら、

実力なんて意味がないからよ。



そもそも不慣れな敵地での防衛戦なんて、

まともに戦えるわけがないわよね。



…軍隊を一掃できる美袋翔子が異常なの。



あれは私にも真似できないわ。



「なんとか全員、生き残っていてほしいわね…。」



それだけを願いながら街道を走り続ける。



「今から行くわよ…雪。」



妹同然に大切にしている雪の無事を祈りながら、

全力でセルビナを目指すことにしたのよ。



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