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第40話 守り人〔加納三郎側〕

ようやく落ち着けました。

またちょくちょく投稿していきますので、よろしくお願いします。

誤字報告なるものができたらしいので、誤字脱字はそこにお願いします。


 この国において、最重要役職『守り人』に就いている者がいる。


 『守り人』とは、我々エルフにおいて命よりも大切な世界樹を守る守護者のことで、現在は界樹暦1800年目の守り人にして、守り人暦300年の老エルフが守っている。


 【エルフ】それは多数の噂がある。

 曰く、長命で耳は尖っており、個体数が少ない。

 曰く、魔法に特化して、結界付きの森の中からは出てこない。

 曰く、外界の者を嫌い、森の守護者としての誇りからか肉を食べない。

 曰く、顔が整っており美男美女である。


 これらの噂を聞き、一目見ようとする者は少なくない。



 この齢938にもなる老エルフは『守り人』としての知識か、この世界樹が寿命だということが分かっていた。




「のぅ…世界樹よ。主は何を見、何を聞きどう生きたかったのじゃ……?心配せんでもワシは最後までここにおるよ…」




 辺りに響くのは世界樹の意思だろうか、小鳥と葉の音のみ。最後は静かにという意味だろうか……。


 それを成すには、エルフの国【アルフェート】における問題を解決してからであった。




「また長老達は喧嘩かの…」




 【アルフェート】において長老とは齢800になった者がなれる役職であり、世界樹が存在意義ともいえるこの国においては守り人の次に重要な役職であった。喧嘩の原因は、跡継ぎ争いである。


 この国で争っているのは二派。


 片方が、現長老の息子である。齢700だが、長老の仕事の片方を受け持っており、時期長老に最も近いと言われていた。

 もう片方は齢670と若いが、魔物大規模討伐に最も貢献し、報酬として次期長老にと名乗り出た者である。国を救った手前、断るのが厳しいといったところか…。




「ワシはこの世界樹とともに命を全うする。長老たちの問題には触れてくれるな」


「し、しかし、このままでは世界樹様の儀式に間に合いませぬ。どうか、どうかご助力を…」


「儀式よりも大切なものがあるだろうに…。はぁ、仕方ない」


「で、では!」


「止めるだけぞ。それから先のことは主らでやれい」


「ありがとうございます!」


(暫し行ってくる。もう暫く待たれよ世界樹よ)




 今日も今日とて言い争いは尽きぬ。


 エルフは長寿故に時間の意識がない。


 つまり、世界樹に起きた異変には『守り人』であったこの老エルフにも気づくのが遅過ぎた。


 そこに在るは、変わらず雄大であり信念を感じ取れる大樹。


 しかし、世界樹とは別の意識。


 朽ち果てることが無くなった大樹に対し、長耳族はどうするのか。




 


「すまぬな、遅くなった。長老たちの喧嘩にも困ったものよ…。のぅ、世界樹……!?」


「どうしましたか?」


「っ何者じゃ?」


「私は樹精霊ドライアド。この世界樹の管理者です。現在の『守り人』ですね?」


「そうじゃが…。友に……世界樹に何をしたぁ!!」


「流石、といったところでしょうか。貴方には先に事情を話しておきます。後ほど長老たちにも言い渡すつもりですが」


「何を…」




 300年共にしたことを鑑みると当然の反応といえるだろう。


 この状態が世界樹の意思だと分かると肩で息をしていた老エルフは落ち着きを取り戻した。


 しかし、分かると解るは異なるわけで。時間をくれ、とその場には言い残して森の中へと消えていった。




 こうして、加納三郎による融合は成功を収めたのである。


誤字脱字等が御座いましたら誤字報告へ。

やっと、書けた…。

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