第31話 傭兵
なんかシリアス感というか緊張感が出ない……。
何でだろう……?
最初は傭兵視点、次に主人公視点です。
でわ、第31話をどぞ!
体中が痛い…。
俺は確か…。
傭兵の依頼で酒を取りに……!?
そうだ!俺は海蛇王に食われて……。
なぜ俺は生きているんだ?
辺りを見回すとそこは暗い洞窟の中だった。
体中には海蛇王に付けられたと思わしき傷は無く、擦ったような傷跡のみ。
「ここは……?」
立ち上がって辺りを散策する。
魔物がいないわけがないのだ。
しばらく歩く。
洞窟は一本道に続いている。
ケガと言っても走れないわけではない。
早歩きで警戒しつつ洞窟を進んでいくと突如として目の前に光が現れる。
「これは…!!」
その場所は俺たちが探していた黄金酒の滝の中だった。
俺の今いる場所は滝の裏側にある洞窟だったのだ。
だがどうやってここにたどり着いたのだろうか。
俺は浜辺にいたはずだ。
俺が寝ていた洞窟は横道なんてなかったと思う。
まあ考えても仕方がない。
無事に黄金酒を手に入れれたと思えばなんてことない。
黄金酒は貴族に多く飲まれがちだが、実は薬としても役に立つ。
酒の中に入っている成分を使えばケガの応急処置に適しているそうだ。
俺は錬成士や薬師ではないので詳しいことは知らないが、黄金酒より効くものはないのだという。
既に俺もケガを治すためのポーションの他に黄金酒入りの応急処置具はいつも腰につけている。
俺は黄金酒を汲み取りアイテムバッグの中に入れる。
アイテムバッグとは生き物以外ならどんなものでも入る袋のことで、中には家丸ごとを入れる者もいるらしい。
俺のはそんなに重量はない。
最大で百キロ位だ。
これでもそれなりにしたが、家丸ごととなるとお金がいくつあっても足りないだろう。
黄金酒を手に入れ浮かれていた俺は背後にいる魔物に気が付かなかった。
「ぐあっ!?」
突如脇腹に痛みを感じる。
切られたのだ。
バックステップで背後の魔物と距離をとる。
そこにいたのは一匹の猿だった。
その手には先の方が折れてしまった直剣が握られている。
わき腹を抑えつつも腰に下げている片手剣を抜き、左腕に装備するスモールシールドを胸の前に持っていく。
心臓を刺されないようにするためだ。
猿が笑いながら折れた直剣を振り下ろす。
「ぐっ!!」
滝の裏ということもあり足場は悪いし、そこまで広さがあるわけでもない。
わき腹に痛みがはしるがスモールシールドで猿の攻撃を受ける。
どんな筋力をしているのかは知らないがその攻撃は重い。
何回も受け止めることはできないだろう。
早急に決着をつける必要がある。
猿も受け止められると思っていなかったのか少し後ずさる。
その隙を俺は猿の直剣を受け流しつつ喉を狙い突き刺す。
猿は睨み叫びながら倒れる。
喉からは大量の血が流れていき猿は死んだ。
結構危なかった。
浮かれるのは帰ってからにしよう。
俺はそう決意しこの場を離れる。
血の匂いにつられ新たな魔物と出くわす可能性もあるからだ。
酒を手に入れた俺は何らかの方法で帰らなければならない。
船は海蛇王に食われてしまったので、新たに船を手に入れるか作るかしなければ俺はここから一生出られないだろう。
それは勘弁したい。
さっきの猿から出た魔石をアイテムバッグの中に入れて息を潜めながら安全性が確保できる場所を探す。
どのくらい歩いただろうか。
あれから猿には会わなかったが、スライムはたくさんいた。
この島にモンスター史上最も弱いとされるスライムがいることにも驚きだったが、ようやく探していたものが見つかった。
安全性が確保できるところを見つけたのだ。
しかし、どう見てもここは人工物なのだ。
神殿のような形をした場所だ。
中に魔物はいないことは把握済みだ。
魔物除けのお香も炊いておく。
これさえあれば魔物は寄って来ない。
魔物が嫌う匂いがするお香なのだ。
少し薬草っぽい香りがするだけだが、結構優秀なので駆け出し時から愛用している。
それはそうとしてこの神殿の中を散策すれば何か歴史のある者が出てくるかもしれないが、そういうのは考古学者に任せようと思う。
俺が見ても分からないだろうしな。
ここに考古学者が来れるかは分からないがな。
わき腹のケガは止血だけして、椅子に寝転がる。
寝れる時に寝なければ戦闘中に睡眠不足で体が動きませんでは元も子もない。
お香の匂いがする中俺は眠りについた。
■主人公視点■
この傭兵だけが生き残った。
あとは全員殺された。猿に。
海蛇王には殺さずにつれてくるように頼んだが、陸での活動は出来なかったので酒の滝の裏の洞窟に置いといてもらった。
何故こいつを殺さなかったかって?
それは運び屋になってもらうためだ。
斎藤さんの迷宮にだ。
交渉の前に雨風をしのげるような家を作っておく。
せっかくの外界に行ける者が現れたんだからな。
死なすわけにはいかない。
鼻歌を歌いながら家を作っていく。
新しすぎてもダメなので大昔に建てられた様な教会を作っていく。
教会になった理由は未菜に言われたからだ。
教会とは神の加護のおかげで魔物の侵入を防いでいるらしい。
ここのは只の教会だがその設定でいこうと思う。
ん?未菜が誰かって?
あの上の島から連れてきた少女の名前だよ。
前世の名前が瑠美奈だったことを思い出したみたいだが、天に言われた通り同一な存在を生み出したらダメそうなので少しもじった。
これで完成した。
あれから傭兵は現れ案の定教会で寝ている。
交渉は明日にしようと思う。
うまくいったらいいな……。
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