↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
『1魔貨の聖騎士 ― 自分を1魔貨と定めたCEOを、悪魔は契約で管理する』  作者: 暮夜すと
【シーズン1:バルナザール決算編】Q1

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

19/362

『聖域の収穫、あるいは無垢な署名』④

第4部:システムの構築 


「これで足りるのかしら……」


 彼女は少し不安げな表情で、櫛から自らの髪の毛をつまみあげ、その身に宿る希少な魔力の触媒を自らの手で採取していった。そしてヴァルプスは、定期的に差し出されたそれらを、丁寧に魔力変換し、解し、吸収していった。


 純度の高すぎるエネルギーが、ときおり小悪魔の体内で劇薬となって暴れた。全身を作り変えられるような灼熱と痛みに、ヴァルプスは何度も声を殺した。 レオンに隠れて、木の洞のなかで耐えるヴァルプスの横に浮かせた銀の鏡ごしに、バルナザールが指揮棒を揺らした。


『ヴァルプス。一時間後、講習を続けるぞ。それまで安静にしていたまえ。 次は「対象の思考停止を促す交渉術」の講義だ。ちゃんとテキストを用意しておくんだぞ』 


「……はい」


 ヴァルプスは荒い息を吐きながら、バルナザールが送ってくる経営学と心理操作の課題をこなすべく、端末を握った。


--


「宝石姫ちゃんの素材、もうちょっとマイルドにならないかなあ……粒子化するのめちゃくちゃ時間かかる……」


 そんなことを呟きながら、ヴァルプスが疲れ果てた顔で宿の客室に戻ると、そこには何も知らないレオンがソファで眠っている。 ヴァルプスはごそごそレオンの膝上に滑り込み、乗り上げてその顔を見上げた。うっすらと目の下に隈が浮かんでいて、なにやら魘されるように眉間には深い皺が寄っている。


「レオン」


 小さな手でレオンの頬に手を添える。すこし指先でくすぐってみる、だが、彼は起きなかった。


「いつか、その谷底みたいな皺が消せたらいいなあ」 


 ヴァルプスはレオンの胸元で丸くなり、そこで勝手に寝る準備をする。 彼の胸元は暖かくて、ヴァルプスはぎゅっと頬を押し付けて目を閉じたのだった。


 


※本作は、noteにて先行公開していた記録(ログ)のアーカイブ版です。

※2026/05/21 大幅修正をしました。

※2026/09/26 大幅修正をしました。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。