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『1魔貨の聖騎士 ― 自分を1魔貨と定めたCEOを、悪魔は契約で管理する』  作者: 暮夜すと
【シーズン1:バルナザール決算編】Q1

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『案件重複拒否:専務バルナザールの鉄血承認』③

第3部:シュレッダーと親心


 バルナザールは通信を切ると、宙に浮いた「移管依頼書」を忌々しげに弾いた。

 依頼書は魔導式シュレッダー『煉獄の業火・オフィスエディション』に吸い込まれ、断末魔のような火花を散らして光の塵となった。


「……やれやれ。

 期待の資産が、ようやく安定化しそうなときに……まったく、無粋な連中だ」


 バルナザールは、ヴァルプスの報告メッセージに『既読(承認)』をつけ、静かに返信した。




【Re:件名:最重要資産・レオンの検収および現況報告】


 報告は受理した。外圧は握りつぶした。

 お前は引き続き、その「契約者インフラ」の整備に集中せよ。


 ……追伸。調律は対象を傷つけぬ範囲で行うこと。加減を覚えるのも上級業務の一部だ。



「……ふむ。確か、データログには『長年レオンを監視し続けていた執念深い身内がいる』とあったが。

 ヴァルプスの執着と、どちらが勝るか……」


 バルナザールは椅子を回し、窓に向かいながら顎に指を添える。

 

 バルナザールが指を上向けて鳴らすと、オフィスの特殊硝子が薄く煌めく。そして現世の宿屋から見える夜景を映し出した。

 地獄の摩天楼とは対照的に、ランプの火が淡く雪を照らす静謐な世界。

 本格的に試験運転を始めた管理官が、その世界の片隅で「契約者としての自由と安寧を保持された生活」を守っている。


 バルナザールは北国の雪景色を愉悦の混じった笑みで見守り、静かに目を細めた。



※本作は、noteにて先行公開していた記録ログのアーカイブ版です。

※2026/05/21 大幅修正をしました。

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