症例の集蛾灯(フィクション)
稀少な疾患ばかりが次々と入院する病棟。
まるで光に引き寄せられる蛾のように。
夜勤中のナースステーション。
記録用紙を片付けながら、A看護師がぽつりとつぶやいた。
「うちの病棟って、なんか症例が集まってくる気がしません?」
B看護師が顔を上げる。
「症例が集まる? どういうこと?」
「いやね、ほら。医学書の索引でしか見たことないような病気の患者さんが、次々と来るじゃないですか。再生不良性貧血とか、発作性夜間血色素尿症とか、TTPとか……。普通ならめったに経験できないでしょ?」
Bは苦笑いしながら頷いた。
「確かに。研修医の先生なんか“症例の宝庫ですね”って喜んでるけど、ちょっと異常なくらいだよね」
そこに仮眠から戻ったD看護師が加わった。
「……そういうのってね、灯りに集まる蛾みたいなもんだと思うよ」
「蛾?」
AとBが同時に首を傾げる。
「この病棟そのものが“集蛾灯”なんだよ。普通なら散らばってるはずの患者さんが、なぜかここに引き寄せられる」
Dは廊下の方を見やりながら、淡々とした声で言った。
「じゃあ、珍しい症例が集まるのも……偶然じゃないってこと?」
Bの声には冗談めいた響きがなくなっていた。
「偶然に見えるだけ。病気を抱えた人たちが、なぜかここに導かれる。私にはそう見える」
沈黙が落ちたナースステーションに、ナースコールのランプが一瞬光った。
しかし、誰も呼んではいない。
「……また誤作動?」
Aが立ち上がりかけると、Dは制するように手を伸ばした。
「行かなくていい。ああいうのも“呼ばれてる”だけだから」
Bが思わず息をのむ。
「呼ばれてるって……誰に?」
Dは答えず、ただ小さくため息をついた。
その夜、再び珍しい疾患の患者が救急から入院してきた。
病棟のホワイトボードに書き込まれる病名を眺めながら、AとBは互いに目を合わせた。
「……本当に、蛾が集まってきてるみたいだね」
「うん。けど、その灯りが消えない限り、きっとまた……」
背筋に寒気を覚えながら、2人は無言で記録に戻った。
廊下の奥では、まるで新たな足音が近づいてくるような気がした。
ホラー仕立てで統一感のある作品を作るな〜と。
Chat-GPTにネタを与えるとすぐに作品作るのね・・・。




