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9/14

手遅れなんて冗談じゃない。

やっと文化祭編書き終えた…(´ω`)



 生徒会長からの告白の後、和やかに断れたし平和な日常が戻るかと思われたがそうではなく。



「李生ちゃーん。

 話そうよー、無視しないでよー」



 何故だかわからないけれど生徒会の信楽有馬(しがらき ありま)が絡んでくるようになったのだ。

 会長もそうだったがろくに話したこともないのに、いきなり教室に突撃してきたからびっくり通り越して呆れ。

 そもそも名前を知らないので、「誰ですか?」と尋ねたらひどく驚いた顔をして自己紹介された。

お前は有名人か何かなのか?

 生徒会なんて1ミクロンも興味ねぇんだ、知るわけねぇだろ。

 それからというものの信楽有馬がしつこく永遠と話しかけてくるため今に至る。

 信楽有馬は僕の机に顎を置いてこちらをにこにこ笑顔で見上げていた。

何がそんなに楽しいやらと思いながら嘆息する。



『僕は話すことがないのでお帰りください』

「冷たいっ、俺のこと邪険にするのなんて生徒会メンバーくらいなのに」



生徒会メンバーにウザがられてんじゃねえか。

信楽有馬はナルシストなの?

 自分が誰からも好かれると、世界は自分中心に回っていると思っているのか?

んなわけねーだろ、バーカ。

 シクシク鳴き真似をする信楽有馬を白い目で見る。

 つーか、会長からの告白の時も思ったけどさぁ。

 瀬尾はこんな時に限って絡んでこないし、なんなら目を輝かせながら傍観して見てるし。

ふざけんなよ、友達が困ってんだぞ助けろよ。

信楽有馬は僕の冷めた視線も気にする様子もなく笑顔で口を開く。



「てか俺と李生ちゃん同い年なんだからタメで話そうよ」



仲良くしたくないから敬語使ってんの気付け??

つーかずっと思ってたけどちゃん付けすな。

 僕は男だし、仲良くもない人からのちゃん付けは気持ち悪い。

スンとした表情のまま立ち上がる。

これ以上茶番に付き合ってられん。

 貴重な昼休みをこんな訳のわからない陽キャなチャラ男と過ごすなんてごめんだ。



『すみません、瀬尾とお昼食べるので失礼します』

「瀬尾?

…あぁ、俺達の親衛隊の隊長だったっけ。

李生ちゃん副隊長なんだもんねぇ…。

……仲良くて、当然か」



 段々声のトーンが下がってくのが気になったが僕は軽く頭を下げて瀬尾のところに向かう。

こうなったら瀬尾も巻き添えにしてやるー。

 離れたところに立っていた瀬尾の元に向かうと瀬尾は何故か顔を青くして信楽有馬の方を見ていた。

 ぼそっと「巻き込むなよ」と瀬尾が責めてきたけど。

助けてくれなかった罰だよ、バーカ。

僕はここぞとばかりに、にっこり微笑んだ。



『一蓮托生、だよ』



死なば諸共ってやつさ。

 そう言うと瀬尾は頭を抱えたが、僕は気にせず食堂へと歩き出す。

薄情者に仕返しができたので満足満足。

 食堂まで歩いているとザワザワと人だかりができていた。

 なんだ?と不思議に思ってると追い付いてきた瀬尾がまた目の輝きを取り戻す。

あ、嫌な予感。

 瀬尾のこの反応はろくなことが起きた試しがない。

 避けようと思ったのに人だかりは何故か僕達を見つけた瞬間道をあけた。

なんでだよ、余計なことすんな。

 そして、中にいたのはあろうことか雛斗と生徒会の副会長だった。

 副会長が雛斗に抱きつこうとして雛斗が必死に抵抗している光景を目にいれた僕は直ちに回れ右したくなった。

 何が起きてるのか知らないけど、僕は何を見せつけられてるんですかね。

 隣の瀬尾はとても嬉しそうな顔をしているのが信じられない。

理解不能だけれど理解したいとは思わない。



「あっ、李生!」

『…雛斗』



 僕に気付いた雛斗は副会長を引き剥がして僕の後ろへ逃げてきた。

 あー、やめてくれ、ここから先の展開が見えてしまったんだが。

 雛斗が離れた途端に副会長は僕を鬼の形相で見てきた。

ほらねー、こうなるって思った。



「雛斗?何故その男のところへ逃げるんですか?」

「アンタがセクハラしてきたからだろっ!」



 キャンキャンとチワワのごとく吠えながらも雛斗は可哀想に震えながら僕のブレザーの端を握っている。

まぁ雛斗嫌がってたしな、これは副会長が悪い。

 副会長はこめかみに青筋をひくつかせながら僕に近づいてきた。

 あれ?この人意外と背が高いな、180近くあるのでは。

 中性的な美人って顔だから背が高いと認識がバグる。

副会長は僕を目の敵にして言い放つ。



「貴方、天使李生とかいいましたね。

雛斗に好かれてるからっていい気にならないでくださいよ」



何コイツ、めっちゃ煽ってくるな。

まぁ興味ないやつだし別になんも思わないけど。

嫉妬がありありと伝わりすぎて気が滅入る。

 雛斗のことが好きなんだか知らないけど、雛斗とは本当にただの友達だから妬くのはやめてほしい。

 ていうか副会長って僕の名前知ってたんだ、そっちのが驚きだわ。

僕はやれやれとホールドアップして口を開く。



『僕と雛斗はただの友達ですよ』



 ね?と雛斗を見れば雛斗は何故かしょんぼりしていた。

ん??何故そのリアクション??

 普通に頷いてくれるかと思ったが何だか不服そうな雛斗の様子に僕はまた嫌な予感がした。

副会長はそんな雛斗を見て更に顔を険しくする。



「この男のどこが好きなんです?

チビだし筋肉があるようにも見えませんし、頭だって私より賢くない。

女顔ってだけではないですか」



ペラペ喋りながら僕を罵倒した。

 それを聞いていた隣の瀬尾はみるみる血の気が引いていく。

それもそう。

 チビと馬鹿と女顔のトリプルコンボに僕は地雷を見事にふみぬかれた。

おまえよりチビなのは認める。

 …が、馬鹿は目立ちたくねぇから手ぇ抜いてんだよ。

 てめぇが一位なのは僕が一位になりたくないからそーなってるだけだっつの。

そして最後の女顔は僕のタブーである。

よーし!

こいつ…、殺るか。

 そのお綺麗な顔、見るも無惨な状態にしてやるよ。 

 にっこり微笑んで拳を構えようとしたら、雛斗が僕の前に出て僕を守るように手を広げた。



「李生を悪く言わないで!

 李生は襲われてた僕を放置せずに救ってくれたヒーローなんだ!」



これには怒りも忘れて顔真っ青。

うわぁあ、やめて!

ここ廊下だから!僕が元ヤンなことバレるって!

これだけは誰にもバレたくないのに!

 守ってくれようとしてるのはわかるけど追い討ちだからそれ!

 隣の瀬尾はそれが出会いかと納得した表情してるけど副会長はポカンとしていた。



「救うとはどうやって?」

「それはー…」

『雛斗、ストップ!

これ以上話したら僕の学校生活が終わるから』

「で、でも…」



 何か言いたげな雛斗の肩を掴むとそっと退けて、副会長の真ん前に立つと副会長の耳元で声を低くして囁く。



『僕と殺り合うことはおすすめしませんよ』


だって、僕は最恐だから。



こんなナリでも喧嘩は負け知らずだからね。

 副会長は何故か耳を押さえて顔を赤くしていたけど、知らね。

今はもう何も考えたくないから。



『じゃ、僕は食堂行くので。

 またね雛斗。

 瀬尾行くよ』

「あ、おい、待てって」



 雛斗に手を振り歩き出すと、瀬尾は慌てて着いてくる。

 生徒会なんて関わりたくもないのにどうして絡まれるんだろう。

神社に厄払いしに行くか。



「最近おまえずっと生徒会と関わってるよな」



 総受け計画順調だな☆という心の声が漏れ出ている瀬尾の鳩尾に肘を思い切り入れた。

はぁと小さくため息をこぼして言う。



『縁切り神社に行きたいくらいだね』

「ぅぐ…そんな、嫌、なのかよ」

『仲良くするつもりはない、目立ちたくないし』

「手遅れなのでは…?」



 最後の瀬尾のセリフは無視して聞かなかったことにした。

手遅れなんて冗談じゃない。




忍「何なんですか、あの人は…!」

忍「(ムカつくのになんで頭から離れない…)」

ー…

『へっくしゅん』

瀬尾「風邪か?」

『んなわけ、瀬尾じゃあるまいし』

瀬尾「喧嘩なら買…いません(確実に負ける!!)」

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