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たまに虚無になるのは僕だけ?

物語を進めねば…修学旅行編まで繋ぎたい。文化祭編後は少しペース落ちるやもしれませんが、ゆっくりお付き合いくださると嬉しいです。




文化祭二日目。

 教室にて憂鬱ながらも着替えるかと衣装を取りに行こうとしていた。

 すると、黒いメイドの衣装を持ったオタクと白いメイドの衣装を持った瀬尾が言い争っていて二度見した。

瀬尾…!?

 今日が退院とは聞いてたけど病院出るの早すぎんだろ…!?

 出禁にするより早く来ていた瀬尾に呆れるしかなかった。

 どんだけ僕のメイド姿に執着してんだか、バカなんじゃないの。

 そんなことを考えている間にも目の前で止まらない瀬尾とオタクの論争。



「李生には白がぜってー似合う!」

「メイドと言えば黒がマスト!白は邪道ですぞ!」

「いーや、黒より白だ!」

「黒が一番!」



ヒートアップする会話を白い目で見やる。

ねぇ、何の言い合いしてんの?

 メイド服なんて白も黒もどっちも着たくないし変わんねぇよ。

 僕は二人の間に立つとダンッと足を鳴らし殺意マックスで言い放つ。



『どうでもいいから早くしてくんないかな?

 お前らの論争なんてゴミより価値ないから』



暗に“チンタラしてたら○すぞ”と伝えた。

 瀬尾とオタクはさっきまで喧嘩してたくせに仲良く手を取り合って怯えていた。

 そして結局差し出されたのは瀬尾の持ってた白のメイド服だった。

 着替えてクラスメイトにメイクしてもらい接客まで待っているとパシャパシャとシャッター音がした。

 うるせーな、と音の方を向くと瀬尾が僕の方にカメラを向けてボタンを連打していた。

 瀬尾は「どこから見ても完璧な美少女メイド!!ぐへへへへ」とだらしない顔をしている。

 僕は無言でツカツカと瀬尾に近づいてアイアンクローを決めた。



「いだだだだ!」

『それブロマイドにして売り払ったら今度こそ息の根止めるからね?』



 体育祭で実害でてっからな、同じ轍を踏んだらKillしてやる。

 小声で囁くと瀬尾は顔を白くして首を振った。

データ壊すより断然優しいでしょ?

 まぁ、コイツの場合バックアップ取ってそうだし、壊しても無駄だからしないだけだけど。

  その後、瀬尾は退院明け早々人手が足りないとクラスメイトに首根っこ掴まれメイドにされるべく連行されて行った。

そして、数十分後に始まった文化祭。

 一般客も来るとは分かっていたけれどあまりの人の多さにぎょっとした。

そして何故僕ばっか指名来るんだバカやろー!



「あの白メイドの子で」

「あの白いお姉ちゃんがいい!」

「絶対白メイドの子!!」



 白いメイド服着てるの僕だけだし言い逃れもできない。

 それで呼ばれて接客したらしたで騒がれるし写真勝手に撮ってこようとするしで怖すぎる。

 まぁ、写真についてはうちのクラスのごりマッチョ君達がガードしてくれたけど。

次々に呼ばれすぎて息をつく間もなく。

……めっっちゃ疲れる。

 やっと休憩時間かと思えば着替えないで瀬尾とセットで宣伝してこいとかふざけてんの?

 瀬尾は黒メイドだけど馬鹿みたいに胸盛ってて正直隣歩きたくないなと思った。

どーやったらそんなバインバインになんの。

コイツ女に夢見すぎだろ。



「行くぞ、李生」 

『行く前にその胸どーにかしてよ』

「変か?」

『盛りすぎてて品がない』



 ばっさり切り捨てれば、瀬尾は「男のロマンが…」などとぶつぶつ言いながらパッドをごっそり取り出した。

 それを、どんだけ入れてたんだかと白い目で見ていた。



「さ、今度こそ行くぞ」

『わかったって』



 瀬尾にグイグイ手を引っ張られながら教室を出る。

 癖なのか知らないけど僕の手掴むのやめてくれないかな。

 手を振り払うと瀬尾は気にした様子もなく「どこ行く?」とマップを片手に歩く。



『劇見たい』

「柊百が姫役のだろ!?見よーぜ!!」



 柊は僕の醜態を見たんだから仕返しのつもりだった。

 興奮冷めやらぬといった顔をした瀬尾と劇をしている教室へ向かった。

 といっても、実際に劇をするのではなく映画みたいに撮ったムービーを流しているらしい。

 教室は人でいっぱいで瀬尾と並んで座り鑑賞する。

劇のタイトルは「白雪姫」らしい。

柊は姫役が似合いすぎて笑いもわかなかった。

そして、歌上手いのもなんなんだ。

 無口キャラどこ行った?卒業した?吹っ切れたの?

 エンディングが流れた後も周りに釣られて拍手しながら、(´・ω・`)??の顔をしていた。

笑いに来たはずなのにおかしいな。



「面白かったな!」

『…そうだね』



 瀬尾は映画を見る前よりテンションが下がってる僕を不思議そうな目で見ていた。

こんなとき。

たまに虚無になるのは僕だけ?




『なんかキャラ変わりすぎてない?』

百「嫌やったけど、半端が一番恥ずかしいやん」

『………たしかに』

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