絶対に着ないと思ってたのに…。
文化祭編。
登場人物の設定も載せなきゃなと思いながら、まだ全員出しきれてないため、まだ先になりそうだ(´ω`)
「それでは文化祭の出し物を決めます」
文化祭実行委員によりホワイトボードに書かれていく出し物達。
僕は行事へは消極的なので意見を述べることはない。
体育祭の次は文化祭とは忙しい。
去年も思ってたけど、この学校なんで体育祭と文化祭を2学期のうちにやろうとすんの?バカなの?
分けろよ、イベント続きで疲労するんだが。
ただでさえ生徒会に絡まれて大変なのに文化祭もとか無理、ボイコットしてやろうかな。
げっそりしてると瀬尾がバッと勢いよく手を上げる。
「はいはいはいはい!!
メイド喫茶メイド喫茶メイド喫sいっ!?」
隣の席なのもあり、あまりにも煩くてたまたま出しっぱなしにしてた分厚めの教科書を投げて瀬尾の頭に角をぶつけてしまった。
「こら天使、教科書を雑に扱うな!」
「いてて、オレの心配は…?」
担任も僕と同じで瀬尾の扱いが雑なのであった。
「メイド喫茶ねー、執事じゃない理由は?」
まぁここ男子校だし女いないし。
誰がメイドやるんだって話だよね。
文化祭実行委員の当然の質問に瀬尾は目を輝かせる。
「それはもちろん女装した姿をブロマイド…じゃなかったー、男子校では男ばかりだから花が必要じゃないですかー、ははっ」
ブロマイドとか言い出した瞬間投げつける用に英和辞典を真顔で取り出すと瀬尾は訂正し、冷や汗だらだらで乾いた笑いを浮かべ、さもそれらしい理由を言った。
懲りてないのか?角で叩くぞ?
「ふむ、それもそうだね」
おいあっさり納得すんなよ文化祭実行委員。
そのメイド喫茶になったとして僕は体育祭で女装したせいで今大変なことになってるからもうしないからな?
あーでもないこーでもないと僕を除いたクラスメイト達が話し合っているのを死んだ魚の目で眺めていると。
「瀬尾君のメイド喫茶の案は素敵ですが、それだけでは魅力が足りないと思うのです」
一人の眼鏡かけたオタクスタイルのクラスメイトが唐突にそう言い出した。
なんか嫌な予感。
「ほう、それはどういうことかね?」
瀬尾がわざとらしく顎に手を添え眉を寄せた。
ねぇ、そこ掘り下げなくて良いって。
絶対ろくでもないから。
オタクは眼鏡をくいっと上げて指を立てる。
「従順なメイド、ではなく、高飛車なメイドはいかがでしょうか」
瀬尾がガターンと立ち上がる。
「な、ナンダッテー!?」
瀬尾のその反応なんなの??
僕は聞くだけでダルそうなんだけど。
そもそもメイド喫茶が嫌なのに余計な設定を増やすな。
高飛車なメイドなんてどこに需要あんだよ。
「李生にぴったりじゃないか!」
『誰が高飛車だ』
今度こそ瀬尾の頭に英和辞典をぶつけた。
でかいたんこぶを頭にこさえながら瀬尾はオタクと結託して案をくみ出した。
特に瀬尾、僕にメイドさせる気満々なのやめてもろて。
僕は絶対着ないからな、女装なんてするもんじゃない。
と、この時は拒否する気満々だった僕は後に地獄を見ることになる。
「なぁ、李生頼むよ!
一生のお願いだ、メイドなってくれ!!」
『却下、僕にメリットがない』
「俺と一緒にメイドやろーぜ!」
『誰がするか、冗談は寝て言え』
寮に戻るなり、リビングで土下座して頼み込んでくる瀬尾。
それを僕は冷ややかに見下ろす。
プライドないんか?
なんでこんなときだけ熱量あんだよ。
メイドなんて見せ物になって恥晒すだけじゃん。
しかもなんか高飛車がどうのとか変な設定付け加えてたし。
僕は面倒事嫌いだし、パンダになるつもりはない。
「頼む!何でもするから!」
『要らん、僕はメイドなんてしない』
素気なく一蹴してぷいっと瀬尾から顔を逸らすと部屋に戻ろうとした。
すると、「かくなる上は…」と呟いた瀬尾がふらりと立ち上がる。
「メイドしてくれないのなら…お前の黒歴史を全校生徒の前で晒す!」
『なっ…!?』
黒歴史=元ヤンである。
ばっと瀬尾を振り返り、僕はわなわなと震えた。
目が合うと瀬尾は冷や汗を流しながらも、フッと笑ってみせた。
脅しまで使ってきやがったコイツ!!
人が必死で隠し続けた秘密をダシにして脅迫するなんて卑怯だぞ!!
やっぱり悪魔はお前の方だ!この人でなし!!
『お前に人の心はないのか!?』
「李生の高飛車メイドを見るためなら人なんて捨ててやるよ!」
何処に情熱かけてんだよ、全部間違ってんだよ!
そんなことのためだけに人間捨てんな、馬鹿野郎!
メイドも嫌がらせみたいなもんなのにしなきゃ黒歴史バラすとか終わってるよ。
メリットないどころかデメリットしかないよ、ふざけんな。
僕はここから先の展開をどうしようか考えてふと閃いた。
『あっ。
そっか。
今ここで瀬尾殺れば問題ないね』
「エッ、あの、李生…サン…?」
詰まるところ、“隠蔽”である。
スンと表情なく近づいてくる僕に恐れをなした瀬尾の顔が引きつる。
僕は笑顔でポキポキと指を鳴らしながら拳を構えた。
『任せて。
この手であの世へ送ってやんよ…!』
「きぃやぁああ!!」
瀬尾はギリギリのところで死を逃れたが抵抗した際にボコられ、病院へ送られ全治1ヶ月となった。
しかし、瀬尾の病院送りについては噂が広まったが、何故そうなったのか、根も葉もないもので“天使李生のストーカーを退治しようとしてやられた”と言われていた。
そのため瀬尾は僕を守ったヒーローとして人気を得ていたが僕は否定するのも面倒で放置した。
そして、文化祭に参加できなくなった瀬尾=メイド候補の代わりとして僕が出ることを余儀なくされたのだった。
じーざす。
絶対に着ないと思ってたのに…。
会長「ストーカーの件大変だったな…、もしまた何かあったら僕が守るからな」
『ハハハ、アリガトウ』




