特別な人間
めちゃくちゃ更新頻度は遅くなりそうですが、ようやく更新再開です。
「では、皆さん。この国をより豊かにするために頑張っていきましょう!」
「「「はい!」」」
担任から授業の大まかな流れの説明が終わると、多くの生徒が目をギラギラさせて元気の良い返事をした。
この歳から全ては国のためにと洗脳するとは流石だな。
とはいえ元の世界でも10歳ともなれば、ある程度の現実が見えてくるものだから10歳よりも前から洗脳は始まっていたんだろうな。
その後は当たり障りのない自己紹介をすると、ちょうど終礼の鐘が鳴り各自解散となった。
すると一斉に生徒達はミナとルナの双子王女、あるいはグリアとリリアの元へと集まりだした。
目的はコネ作りだろう。
どちらも大変だなあと眺めているとライアが近付いてきた。
「ジルア様、帰り「初めまして!」むっ!」
ライアが声を出した瞬間に横から白髪赤目の男の子が割り込んで来た。遮られたライアはイラつき殺気を放つが、男の子は全く意識していない。だが、先ほどのやつらと違って殺気には気付いている。
「君は確かゼロだっけ?」
この世界では髪色等はカラフルだが、白髪というのは何故か珍しいことと、彼が他国からの留学生ということで名前も覚えている。
「おお!英雄様に覚えられていたとは光栄だなあ!」
「君は他国からの留学生なんだろ?
その透き通るような白い肌と真っ白な髪、それにルビーのような赤い目は嫌でも覚えるよ」
そういってゼロから差し伸べられた手を握る。
ん?何だこの感じ?
ゼロの手から発せられた魔力ではない生暖かい何かが身体を一瞬覆った。
そして、ゼロは意味ありげに顔をニヤつかせた。
「へぇ」
「今の感覚は鑑定系のスキルの効果かい?
突然、鑑定するのはマナー違反では?」
そう俺が言うと、ゼロは一瞬驚いた顔をした。
「…これを気付かれたのは初めてだよ。
【見極め】の効果なのかな?
と、いきなりごめんよ?
英雄様のスキルがどうしても知りたくてさ」
「英雄様って呼び方はやめてくれ。
ジルアでいい」
「そう?光栄だなぁ。
それでねジルア君、さっきのは【握手鑑定】っていうスキルでね。
握手した相手のスキルを鑑定出来るんだ。
けど、握手して相手のスキルだけしか分からないから、あんまり使えないんだよね」
ふむ、嘘だな。
嘘をつく人間特有の匂いがする。
まあ、いいや。
スキルやステータスなんて知られたところで、どうってことはない。
「なるほどな。
で?俺のスキルを知って用は済んだかな?
帰っていいか?」
「ああ!待って!」
俺を怒らせたと思ったのか、ゼロは慌てた様子で引き留めようとしてきた。
「ジルア君、僕と手合わせをしてくれないか?」
その言葉にライアの殺気が膨張した。
全く仮にも入学試験全科目満点を取った人間だというのに短気すぎる。
まあ、そんなふうに教育したのは俺だから仕方ない。
「ゼロ様。ジルア様と手合わせをするのであれば、その前に弟子である私と手合わせしませんか?」
その言葉にゼロはピクリと身体を硬直させた。
言葉に乗せられた怒気から殺気を読み取ったのだろうか、ただでさえ白い肌が青白くなっていく。
「こら、ライアやめなさい」
「はい、ジルア様」
俺が諌めるとライアは一瞬で感情を消し無表情になった。
ゼロはそれを見てホッとしたような顔をした。
突然だが、俺には10歳の貴族は必ず学園へ通わないといけないという理由以外で学園に通う理由がいくつかある。
1番はココで圧倒的な力を見せつけ勇者召喚の召喚者に選ばれる確率を上げるため。まあ、これは既に様々な武勲をあげているから問題ない。
2番は俺の手足となる人間を増やすため。
3番は特別な人間を見つけるため。
…何故だろうかゼロを見ていると、5年後に召喚される勇者を思い出す。
きっとコイツは特別な人間なんだろう。
俺はそんな淡い期待を持ってゼロに話しかけた。
「さてと…ゼロ。
俺は別に手合わせしても良いが、場所はあるのか?」
「あ、あぁ。
実は室内訓練所の1つを既に借りている」
ふむ、俺が断るという選択肢は考えていなかった傲慢か、もしくは俺が誘いに乗らなかった時は別のやつを誘う気だったのか。
ライアの殺気からもすぐに回復しているし、見た目に反して意外と好戦的だな。
ゼロの見た目の詳細
短髪、白髪、ルビーのような赤い目、透き通るような白い肌、ポメラニアンのような愛くるしい印象を与える美形、男の娘




