番外編7 結婚式
あっという間に、結婚式の当日を迎えた。
その間に葵音の引っ越しが完了し、部屋の整理もした。
俺と葵音の希望で、同じ部屋にすることにした。
「咲翔、本当に結婚まで行くとはな」
控え室には、泰斗が来てくれていた。泰斗とも、大学は違うものの交流は続いている。
泰斗は、夢を叶えて城洛高校で体育教師をしている。
「なんやかんやで、泰斗の方が早かったけどな」
「それはそう」
本番前で緊張していたところを、高校の時より圧倒的にガタイのよい泰斗が励ましてくれる。
「新郎様、ご準備お願いします」
「頑張れよ」
「おう!!」
「お姉ちゃん、本当に結婚おめでとう」
「奈緒音…………ありがとう」
葵音側の控え室には、奈緒音が来ていた。
「まさか、咲翔お兄ちゃんと結婚まで行くなんてね」
「薄々気付いてはいたでしょ」
「それはそう。というか、あれだけラブラブで別れたら、正気を疑う」
奈緒音は、もう大人になっていた。小学生の無邪気な雰囲気は消え、姉としてどこか寂しくも感じる。
「新婦様、ご準備をお願いします」
◇ ◇ ◇ ◇
入り口から、ドレス姿の葵音が入ってくる。
何回も試行錯誤して一緒に選んだ。選んだ時よりも断然、今の方がキレイだった。
緊張は完全には解けなかった。けど、葵音の姿を見て落ち着いた気がする。
「――タガイにシアワセにスルコトをチカイマースカ?」
神父は少しクセが強い人だった。
「「はい、誓います!!」」
それに気づかないほど、葵音に見惚れていた。
「デハ、チカイのキスをオネガイシマス」
「キス」だけ、何故かネイティブ発音であった。
――チュ
付き合ってから、何回もした。けど、何故か初めてのように緊張した。
その後、結婚式は順調に進み、披露宴になっていた。
「では、乾杯の挨拶を新口奈緒音様、よろしくお願いします」
司会の合図とともに、奈緒音がマイクの前に立つ。
満場一致で、奈緒音に挨拶をして欲しいと決まった。
「お姉ちゃん、そして咲翔お兄ちゃん、結婚おめでとう。たしか、付き合い始めたのは私が小学3年生の冬でしたね。庭で雪だるまを作っていたときに、2人のキッスを目撃したのは良い思い出です」
会場が笑いに包まれ、葵音は俺の肩をポンポンと叩いていた。
「そんな2人は私にも優しくしてくれて、2人で困難を乗り越えてきたところを見てきました。だから、大丈夫。24年間見てきた私が保証します。というか、これで何かあったら天変地異を疑います」
再度、会場が笑いに包まれた。やっぱり、奈緒音に頼んで正解だった。
「では、そんな2人の結婚を祝して、かんぱーい!!」
「「「「かんぱーい!!」」」」
その後、披露宴も無事に終了し、今日は披露宴会場のホテルに泊まることになっていた。寝る準備を終えて、ダブルベットに入る。
「葵音、めちゃくちゃキレイやったよ」
「ありがと。咲翔もカッコよかった。これからも一緒、だね」
「そうやな。絶対に葵音のことは守る」
「(ありがと、ダーリン)」




