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普通の大学教授の祖父だと思ってたのに  作者: 綿ダッコ
第6章〜交渉〜

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エピローグ

 「え…………?」


 突然だった。脳の処理が追いつかない。


「…………夏祭り、ナンパから助けてくれた時から、ちょっとずつ、好きになってた。ずっと幼馴染だからって思ってた。けど、そうじゃないなって…………」


 …………夏祭りの時から、か。

ずっと、幼馴染と思ってたから、考えてこなかった。

…………返事が思いつかない。


「…………」


「…………もしかして、イヤだった?」


 泣きそうになってる。こんな顔にさせないって決めたのに。

もしかして、幼馴染としてじゃな…………い…………?


「…………俺も、好きや。幼馴染としてじゃなくて」


「…………うれしい」


――ギュッ


 手を握った。今まで幾度なくやってきたこと。

けど、今は違う。幼馴染としてじゃない。恋人として、手を繋いでいる。それは、初めてのこと。


「……じゃあ、行こか」


「…………もうちょっと、居たい」


「ん」


 今日もこの地域しては、気温が低い。カイロも持ってきた。

けど、カイロなんていらなかった。


「…………じゃあ、行こ」


 手を強く握った。離す理由がない。


 失いたくない。守りたい。


 すべてが叶った。


 だから、今度は幸せにする。


 ずっと、この先も。



「……ただいま」


 俺も、葵音の家の中に入った。いや、入らないといけない。

玄関には、奈緒音が不安そうに待っていた。けど、言葉は出さない。


「…………葵音、どうだったの?」


 リビングに、おばさん、おじさん、奈緒音が居た。

全員、不安そうな顔をしている。


「成功した。咲翔、言ってもいい?」


「うん」


 何のことかは、聞かなくても分かる。


「咲翔、邸宅に住むことにはなった。けど、友人関係は好きにしていいって」


「…………そう」


 俺を除く、全員が葵音に抱きついた。俺が報告したときと同じだった。


「「良かった…………」」「お姉ちゃん…………」


「…………それと、咲翔と付き合うことになった」


 抱きついている3人の動きが止まった。


「「「えーーーー!?」」」


「もう、うるさい」


「え、本当に?」


「咲翔くんと、か…………?」


「咲翔お兄ちゃん、彼氏さんになるの!?」


 反応は、それぞれだった。けど、驚いているのには変わりない。


「うん。帰ってる途中に、告白した」


「「咲翔くん…………!!」」「咲翔お兄ちゃん!!」


 今度は、俺の方に近づいてきた。猛スピードで。

…………え?


「咲翔くんが、告白したのか?」


「葵音のどこが好きになったの?」


「咲翔お兄ちゃん、お姉ちゃんと結婚するの?」


 質問攻めを食らった。…………全部、的外れなんやけど。


「…………実は」


 葵音の方を見る。呆れた顔をしていた。


「……お母さん、お父さん、奈緒音、咲翔が困ってるじゃん。告白したのは、私からって言ってるじゃん」


「「「え…………?」」」


 次は、葵音の方に近づいた。もちろん、猛スピードで。

息が合っているように、全員が同じスピードだった。

…………さすが、家族といったところか。


 1時間ほど、質問攻めを食らっていた。…………俺の方にも飛んできたが。

終わったあと、葵音の部屋に2人きりになった。


「……咲翔、大好き」


「……俺も」


 1階では、バタバタと足音が響いていた。外でも、雪が降り始めていた。

…………今まで色々なことがあった。何回もケンカをした。


 でもそれは、幼馴染として。


 今はもう恋人。


 幼馴染と恋人は違うと思う。


 けど、関係性が変化しても、


 ――歩んでいこう。


 ――幸せになろう。


 ずっと、この先も。


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