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第54話 大事な子たち
「…………咲翔、葵音ちゃん、いい?」
咲翔は、昔から1人で抱え込んできた。お父さんと同じように。
親にすら、言わない。でも、それが咲翔なりの優しさ。
打ち明けられた時に私を支えてくれたのも、今日まで私たちと会わなかったことも、
全部、全部、咲翔なりの優しさってことは分かってる。
だから、部屋から出てこなくなったときも踏み込めなかった。踏み込みたかったけど、咲翔の限界を支えることは出来ないと思った。なんなら、もっと追い詰めてしまう気がした。
けど、葵音ちゃんは踏み込めた。それを咲翔も受け入れてる。
だったら、大丈夫。きっと、この2人なら。
「絶対に、失敗しないで」
「「…………はい!!」」
「咲翔、葵音ちゃん」
――ギュッ
「「え?」」
この温もりは、絶対に壊させない。咲翔と葵音ちゃん両方のために。
「母さん…………?」「おばさん…………?」
あの子たちならきっと、大丈夫。小さい時から同じだったんだから。
もう子どもじゃない。ああやって、頼もしく決意してたんだから。
もしダメでも、私が守る。親として。
◇ ◇ ◇ ◇
「遅いわね…………」




