表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
普通の大学教授の祖父だと思ってたのに  作者: 綿ダッコ
第4章〜崩壊〜

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
44/74

第43話 朝

 次の日、いつもより早く起きた。眠たい。けど、二度寝が出来ない。

今の時間帯、使用人さん達はいるのだろうか…………?


「「「咲翔様、おはようございます」」」


 …………真正面に1人、扉の横に2人の使用人さんがいた。

いつからいるんですか…………?


「あの、制服って…………」


「すぐ、お持ちします」


 真正面の使用人さんが、取りに行った。しかも、手慣れた手つきで。朝早いのに…………。


「朝食はいつ頃にいたしましょう?」


 残った使用人さんが聞いてきた。何時からいけるのだろうか?


「……何時からですか?」


「いつでも大丈夫でごさいます」


 いつでも!?この人達は、いつ寝てるん…………?というか、寝てたとしても体壊しそう…………。


「じゃ、じゃあ制服に着替えたらで良いですか…………?」


 早く、この場所から逃げたい。この1週間で落ち着ける場所は、学校しかない。この人達には悪いけど…………。


「「承知致しました」」


「お待たせ致しました」


 制服を持ってきたのは、さっきの使用人さんではなく、三明さんだった。


「あ、ありがとうございます…………。あの、三明さん達って、いつ寝ていらっしゃるんですか…………?」


「それは、秘密でございます」


「秘密…………?」


「はい、咲翔様には基本的に使用人の生活については伝えるなと、当主様からご命令を受けております」


 当主様って、おじいちゃんのことか…………?

というか、なんでそんな命令を…………。


「わ、分かりました。その、こんな朝早くから迷惑でしたよね…………」


「いえ、お気になさらず。咲翔様のリズムにわたくしたち、使用人は合わせてまいります」


 …………使用人としては完璧なのかもしれんけど、そうはして欲しくないな。


「着替えられましたら、お声がけください」


「は、はい…………」


 素早く着替えた。なぜかは、俺にも分からない。


「着替え終わりました…………」


「では、ご案内いたします」


 昨日も通った廊下。でも、落ち着かない。

無理やり、郭地町の家の廊下を思い浮かべる。

そんなことをしてると、ダイニングと呼ぶべきなのか分からない部屋に着く。

昨日の昼食と夕食と同じ動作。迷いがない。

まるで、昔から俺がこの邸宅に住んでいたかような分かりきっている動作。


「いただきます…………」


 この部屋には俺しか居なかった。父さんと母さんはまだ自分の部屋に居るのだろう。

そういえば、夕食以来見ていない。広すぎて滅多に会えないのか、それとも父さんと母さんが部屋から出てないのか…………。

それすら分からないほど、広い。

 朝から、使用人さん達は、動いている。

…………申し訳ない。たった、1人のためにこれだけの人が動いてくれてるのだから。

食べ物が喉を通らない。けど、脳は早く食べろと命令してくる。何回も詰まりそうになった。正直、命の危険を察知するくらいには。

 なんとか、食べ切れた。お皿が下げられる。


「いつ、登校いたしますか?」


 三明さんが聞いてきた。安心…………とは到底思えないが、他の使用人さん達よりは感情が出ているような気がする顔。


「……すぐに出ます」


「承知致しました。お鞄は、玄関にてお渡しいたします」


 …………何か違う。いつもだったら、鞄を持って玄関に行くのに、それがない。

それだけなのに、妙に落ち着かない。


「では、いってらっしゃいませ」


「…………はい」


 学校は近くなった。けど、いつもより少し早く出た。学校までの道は昨日の夜に確認した。登校時間が、四分の一ぐらいになっているらしい。

同じような邸宅が並んでいる。きっと、今までの学長さんとその家族が住んでいるのだろう。

閑静な住宅街と同じくらい、静かだった。


 学校の近くまで来た。いつも、駅から来ている道に出る。

それだけでも、安心できる。

 …………あれは、


「…………葵音」


「咲翔…………」


 葵音、この時間ってことは1本前の電車に乗ったのか?


「…………どう?あそこでの生活は」


「…………落ち着かん。何もかもが違う」


「制服も綺麗になってるけど…………」


「アイロン掛けとか色々してくれたらしい。葵音こそ、綺麗になってない?」


「い、いつも通りだよ…………」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ