第41話 食事
曲がり角で、自分の部屋が見えなくなる。少し、体から力が抜ける。
「…………えらいことになったな」
「うん…………まさか、あんなに使用人の人が居るなんてね。しかも、向こうの方にも居てるし…………」
「とりあえず、片っ端から散策しよう」
「うん」
とは言っても、端がどこか分からない。必死に間取り図を思い出す。
けど、廊下の装飾に気を取られて、しっかりと思い出せない。
「あれ、ここ来たような…………」
「ホンマや」
何周も同じところを回った。1時間ぐらい経って、ようやく全てを回りきった…………気がする。
その足で、さっきの部屋へ戻る。
さっきの人とは違うが、使用人の男性、女性が扉の横に立っていた。
「「おかえりなさいませ」」
精錬されたお辞儀。全員、同じすぎて逆に怖い。
扉を開けてもらった。少し重いと思っていた扉を、軽々と開ける。
「ありがとうございます…………」
「「滅相もございません」」
返事も同じだった。気持ちが込もっているか…………分からない。別に、込めてほしい訳じゃない。けど、分からないのが怖い。
扉が閉まる。閉まる音が部屋中に響く。
「「…………」」
もはや、何を言えばいいか分からない。葵音となのに。
「咲翔様、葵音様、お食事でございます」
三明さんが、呼びに来た。三明さんは少し気持ちが出てる気がする。けど、世間一般の人より読み取れない。
三明さんについて行った。その間、俺たちは喋らなかった。いや、喋れなかったの方が正しいのかもしれない。
「どうぞ、こちらに」
椅子を引かれる。高級レストランでしかされない対応。
目の前には、母さんと父さんが居る。横には葵音。
そのもう一つ上座側に、席がある。
俺と葵音は、お誕生日席と言っている席だ。
きっと、おじいちゃんとかお偉いさんの席だろう。
「「「「…………いただきます」」」」
机の上には、見たことも無い豪華な食事がゴロゴロあった。たまには、こんな食事も良いだろう。
けど、毎日はしんどい。量が食べれないとかじゃない。
慣れない気がする。
「「「「…………」」」」
会話が無い。どういう、ネタを出せば良いのか、分からない。多分、この場いる全員がそうなのだろう。
――いつもの親子なはずなのに
――小さい時から一緒に居た幼馴染なはずなのに




