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普通の大学教授の祖父だと思ってたのに  作者: 綿ダッコ
第1章〜幼馴染〜

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第3話 日常

 「友達?」


 葵音と話し終えた咲翔は、泰斗の元へ戻っていった。


「ん?幼馴染」


「いいなぁ〜、あんな可愛い子と幼馴染なんて」


「…………仲良くなりたての友達にそんなこという?」


 咲翔は目を見開いた後、呆れた目線を向けた。


「事実やん」


「いや、そうなんやけどさ…………」


――キンコーンカーンコーン


「じゃあ、HR始めます」


 可愛い、か…………。


 その後、最初のHRを終えた咲翔は約束通り、下駄箱で待っていた。


「お待たせ〜。うちの担任、話長かった…………」


「そうなんや。逆に俺らは短いわ」


「いいなぁ〜、次の電車って何時だろ…………11時半だって」


「結構、時間あるな」


「そうだね。…………あっ、昼ご飯食べてから帰ろうよ!!ここら辺、美味しいレストラン多いから」


 葵音は、桜並木の時のように咲翔を見つめた。


「ええけど…………11時半に間に合う?」


「別にこれじゃなくて良くない?」


「珍しいな、葵音がそんなこと言うなんて」


「せっかくの入学式なんだから、いいじゃん」


「まぁ、葵音が良いなら…………」


「やったー!!」


 葵音は、子供のように小ジャンプをして喜んでいた。


 泰斗が言ってた意味が分かった気がする…………。確かに、幼馴染じゃない人からしたら羨ましいわ。


 その後、駅前のレストランに入った2人は、順番を待っていた。


「やっぱり、混んでたね」


「まぁ、昼時やしな」


「2名でお待ちの新口さまー」


「はーい」


 店内は、昼休みであろう社会人で溢れていた。


「何食べようかな〜」


「俺はこれにしよ」


 俺は、日替わり定食をタブレット式のメニューのカートに入れた。


「じゃあ、私もそれにしよ〜」


「同じの?」


「うん」


 個数を2個に変更する。


「頼むで?」


「うん、いいよ」


 注文ボタンを押し、注文完了の文字が表示された。その1拍後、葵音が喋りだした。


「そういえば、咲翔って友達できたの?」


「1人できたで。まぁ、喋ってたら他にもできるやろ」


「その精神が羨ましい…………。喋りかけていいのかも分かんないからさ…………」


「自分のペースで良いんじゃね?どうせ、行事もいっぱいあるんやし」


「だといいけど…………」


 葵音はペースを崩さんほうが、上手くいくタイプやろうな。

あの時も――



――中学3年生の某日


「咲翔ってどこの高校に行くの?」


「偏差値的に、城洛高校かな」


「えー、じゃあ私も城洛高校にしようかな。いっぱい勉強して」


「大丈夫か?部活とかも忙しいのに」


「大丈夫、大丈夫!!」


 その次の日の朝、教室に葵音の姿は無かった。


 休みか…………?


 放課後になっても、葵音の姿は無かった。


――ピンポーン


「あら、咲翔くんどうしたの?」


「あの、葵音って…………」


「あー、熱出したのよね。ただの風邪っぽいけど…………」


「これ、今日の分のプリントです」


「ありがとう。渡しとくわね」


――次の日


「おはよー、咲翔」


「葵音、大丈夫なん?」


「うん、熱出たけどすぐ収まった」


「でも、そんな兆候あった?」


「うーん…………強いていうなら、夜遅くまで勉強してたからかなぁ?」


「無理はすんなよ」



 知恵熱出しとったし、無理するのは葵音には毒やろ。


 その後、食事を終えた2人は電車に乗り、朝も通った桜並木の下を歩いていた。


「暖かいね〜」


「昨日の寒さがウソみたいやな」


「確かに、昨日までヒートテック着てたもん――」


――ブーン


「きゃ!?」


 葵音は、咲翔の腕を強く握り、体を寄せた。


「どしたん?」


「カメムシ、カメムシ!!さっき、顔の横通り過ぎた!!」


「カメムシかい…………。そんなビビることないやん」


「私が、虫キライなの知ってるでしょ!!」


「いや、まぁ…………知ってるけどさ」


「…………私、臭くない?」


 咲翔は、そのまま顔を近づけた。


 全然、臭くないな。…………いつもの匂いや。


「全然?」


「良かった…………。顔に付いたら、倒れるところだった…………」


「…………いや、今も倒れかけてるけど?」


「倒れかけたんじゃないし」


 葵音は、握っていた腕を少しずつ離した。


――ガサッ


「……!?また、カメムシ!?」


「いや、風で草が擦れただけやって…………」


「良かった…………」


「ほら、行くぞ」


 咲翔が、呆れた表情のまま歩き出す。


「待ってよ〜」


――ピタッ

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