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普通の大学教授の祖父だと思ってたのに  作者: 綿ダッコ
第3章〜危険信号〜

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第33話 仲直り?

 文化祭2日目、3日目は回る気になれず、ただ仕事をこなすだけだった。


「咲翔、これ捨ててきてくれん?」


「……おっけー」


 ごみ収集場所に、ゴミ袋2袋を持っていく。ただ、それだけだった。


 たまには、こっちから戻ってみようかな。


 いつもは最短経路で行くところを、逆方向になる廊下を歩いた。

文化祭では使われていなかったのか、人気(ひとけ)は無い。


「…………葵音」


「咲翔…………なんで、こんなところに居るの?」


 角を曲がった窓際に、体操服姿の葵音が立っていた。


「……たまにはこっちから戻ろうかなって」


「……そうなんだ」


 窓際に2つの影が並ぶ。


「……涼しくなったよね」


「……そうやな」


 会話が、続かない。


「…………咲翔、私のことキライになったの?」


 恐る恐る、聞く。


「……キライになんかなってない。ただ、まだ説明はできん」


 言い切る。いや、言い切れる。


「……ごめんね、咲翔。何も聞かず、取り乱して」


「俺の方こそ、ごめん」


 秋になりたての風が吹く。気持ち良い風。しばらく、無言が続く。


「……咲翔、すぐじゃなくていいから理由は説明して欲しい」


「…………分かった」


「じゃあ、仲直りの印に今日一緒に帰ろ?」


「……うん」


「じゃあ、下駄箱で待ってるから」


 片付けが終わり、下駄箱へ向かう。仲直りしたはずなのに、体が重い。


 葵音に、言うべきなのか?このことを?

でも、説明して欲しいって…………。


「……お待たせ、葵音」


「珍しく、私の方が早いんだね」


 いつもの笑顔だった。悲しみも、怒りもない笑顔。


「じゃあ、行こっか」


 いつもの駅に向かって、歩き出す。文化祭前は、ケンカをした道。


「……なぁ、葵音。今度の生徒会選挙、生徒会長で出ようと思う。だから、応援演説をして欲しい」


「え、生徒会長で出るの!?」


「うん、興味が出てさ」


「そうなんだ。けど、私なんかよりもっと適任者がいるんじゃ…………」


「葵音やから、して欲しい」


「…………分かった。私、頑張る!!」

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