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普通の大学教授の祖父だと思ってたのに  作者: 綿ダッコ
第2章〜楽しいひととき〜

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第22話 ナンパ

 「荷物持っとこか?」


「うん。お願い」


 荷物を咲翔に預けて、トイレへ向かっていた。


「お姉ちゃん、ここ暗くない?」


「暗いけど、お姉ちゃんがいるから大丈夫だよ」


 確かに、ちょっと暗すぎるかも…………。街灯付けて欲しい…………。


「なぁなぁ、お嬢ちゃんたち、一緒に回らね?」


「浴衣可愛いから、声かけちゃった」


「え?」


 葵音と奈緒音は、後ろを振り向いた。そこには、2人の男性が立っていた。


「ここら辺の子っしょ?俺たちもここら辺やからさ、回ったあとも、ね?」


 葵音は横にいた奈緒音を、後ろに寄せた。


 もしかして、ナンパ?だとしたら、何されるか分からない…………。そもそも、なんでこんな人たちと回らないといけないの…………。絶対にヤダ。


「……イヤです」


「そんなこと言わずにさ、悪い人じゃないから」


 男性らは、少し上げていた口角をさらに吊り上げた。


 …………その顔は、絶対に悪い人。そんな人とは会ったことない。けど、分かる。


「……それでも、イヤです!!」


 葵音は、さっきよりも少し口調を荒げた。


「いいから、いいから」


 言葉選びはそのままだった。が、顔は明らかに違っていた。


 咲翔、助けて…………。怖いよ…………。それに、このままじゃ、奈緒音すら守れない…………。

私と奈緒音、どうなっちゃうの…………。


「(お姉ちゃん…………)」


「(奈緒音、大丈夫だからね)」


 男性らの手が伸びてくる。


 助けて、助けて…………。


 すると、前から微かに、足音が聞こえてきた。


 …………あれは、咲翔!?でも、気付いていない?


「……やめてください!!」


 葵音は、男性らの手をはたいた。


 咲翔、気付いて…………!!


「こんの……!!」


 男性らの手はさっきよりも、速いスピードで手を伸ばしてきた。


 助けて、咲翔…………。


 葵音は、何も見れなかった。


「おい」


「あ゙?」


 …………もしかして。


「俺の彼女になんか用?」


「彼女?ふん、デタラメやろ」


「デタラメ?お前らに、何が分かる」


 …………咲翔、怖い顔してる。けど…………安心する。


「…………ちっ、めんど」


 男性らは、鳥居の方へ歩いていった。


「…………大丈夫か?」


「うん…………ありがとう。奈緒音、もう大丈夫だよ」


「うん…………」


「何もされてない?」


「掴まれそうになったけど、大丈夫」


「良かった…………」


 …………いつもの咲翔だ。いつもの優しい咲翔。安心できる顔。


「……ねぇねぇ、咲翔お兄ちゃんってお姉ちゃんの彼女さんだったの?」


「「え?」」


「いやいや、さっきのは庇うためで…………」


「そ、そうだよ、奈緒音」


「ふーん…………というか、トイレ行きたい」


「あ、そうだった!!」

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