第11話 テスト結果
「大井〜」
テストも終わり、城洛高校ではテスト返しが行われていた。
テスト期間中、咲翔と葵音が一緒に登校することは無かった。
「咲翔〜」
お願い。90後半いってますように…………。
…………よっしゃ!!全部90後半乗ってるし、8教科中5教科は100点や!!
「咲翔、めちゃくちゃ嬉しそうやん。点数どうやったん?」
「こんな感じ」
「うわ、スゴすぎやろ。なんで、この高校なん?もっと上行けたやろ」
もっと上はなぁ…………。
「いやいや。偏差値的にはここが妥当よ」
「俺なんか、60点台ばっかりやで」
「でも、ノー勉なんやろ?それで60点台なら、地頭良いんちゃうん?」
俺は努力型やから、羨ましい…………。
「まぁ、それもそうか(笑)」
「誇れることじゃないよ(笑)」
隣の女子が、笑いながら話しかけてきた。
「にしても、咲翔くんって賢いんだね。それに比べて…………」
「やる気が無いだけやし…………」
自信なさすぎやろ…………。
「それ以前の問題やったわ(笑)」
「はいはい、前向いて。もうすぐ、夏休みに入るけど、オーキャンキャンパスには1年生のうちから行っとくと良いわよ。それで、学年の宿題としてオーキャンの感想用紙も出してもらいます」
「「「「「「えー…………」」」」」」
クラス中から、嘆きの声が聞こえてきた。
「あと、教科によっては休み明けテストもあるから、しっかり勉強するようにね。成績にも関わるし」
再度、嘆きの声が聞こえてくる。
「じゃあ、終業式終わったら各自で帰ること。号令お願い」
号令をし終えたあと、クラス中が体育館へ向かう。
「ごめん、咲翔。トイレ行くから先行っといて」
「はいよー」
成績もほぼオール5やったし、いいスタートを切れたな。
この調子で、全教科満点を目指していきたい。どっちにしろ、基礎が抜けてたら終わるしな。
今日は、テストの復習して、夏休みの宿題にも手を付けとくか。
その後、終業式を終えた咲翔は、下駄箱で葵音を待っていた。
が、その様子は違っていた。
「……咲翔、お待たせ」
「……今日は、担任と話短かったん?」
「うん……珍しく」
高校の最寄り駅まで歩き、電車に乗る。
俺も葵音も、ほとんど口を開かなかった。
そして、桜並木だった大通りを歩く。
今は、緑々しい葉がばっかりだ。
「……咲翔、点数なんぼやった?」
「……全部、90後半乗ってた。100点も5教科あった」
「え、すごいじゃん!!」
「葵音はどうやったん?」
「私も全部、90には乗ってる。数学はムリって思ってたけど、咲翔の解説で理解できた」
葵音、分からんとはいえ、理解はしてたからな。
「良かった。…………泰斗、変なこと言ってごめんってさ」
「泰斗って、月曜のときの?」
「うん」
「あれはびっくりしちゃった」
「分かる。泰斗、幼馴染って知ってるはずなんやけどな」
「知ってたんだ。じゃあ、なんでそう思ったんだろ?」
「それは俺にも分からん」
「夏休みにさ、オーキャンのやつ出てたじゃん。あれ、どこに行くの?」
「城洛大学かな。ちょうど良いし」
というか、城洛大学以外に行きたいと思えるところが無いんよな…………。
「え、私も城洛大学に行こうとしてた。明日のやつ?」
「うん」
急に止まってどうしたんや?
「葵音、どうしたん?」
「……オーキャン、一緒に行かない?」
葵音の顔は、ほんのり春の桜のようであった。
咲翔は、そんな葵音の顔と揺れる木々から目を離せなくなっていた。
「ええよ」
「あとさ……休み明けテスト不安だから、夏休み中一緒に勉強しない?」
「……ええよ」




