第9話 無理はするな
――ペラ
ノートとペンが擦れる音と、テキストを進める音しか聞こえない。
もう、23時か…………。19時からしてるから…………4時間、勉強してたのか。流石に疲れた…………。ちょっとだけ休憩しよ。
筆箱サイズのタンブラーを持ち1階へ降りる。
「おじいちゃん、まだ起きてんの?」
「ちょっと、仕事が立て込んでてな」
「本当に無理しなや?体も弱なってるんやから」
「平均よりは健康や(笑)」
「そうじゃなくて…………」
「咲翔こそ4時間ほど降りてこんかったが、ずっと勉強しとったんか?」
「うん。気付いたら、4時間経ってた」
「水分補給も大事じゃぞ?」
「水持ってってるから大丈夫。結構便利なんよな、これ」
「タンブラーか。水筒みたいなタイプも買ってやろうか?」
「いや、水筒はまた別にあるし、今の時期やったら今の水筒の方が良いかな。ありがとう」
「そうか。何か必要なもんがあったら、遠慮なく言うんやぞ」
「うん、ありがとう」
タイピング音と階段を上がる音しか聞こえない。
あとは、英単語覚えて寝ようかな。体調崩してもしゃぁないし。
――プルル
すると、咲翔のスマホから着信音が聞こえてきた。
誰やろ?……葵音か。何の用やろ?
「もしもし?」
「もしもし、咲翔?勉強してたの?」
夜は、テンション低いがする…………。
「うん、あと英単語覚えて寝るつもり」
「そうなんだ。明日、分かんないとこ教えてくれない?」
「ええよ。葵音も勉強してたん?」
「うん。中間テストあんまり良くなかったし」
「無理はしなや?」
「咲翔こそ、無理しないでよ?」
無理は、しない…………。
「お互い、無理のないように頑張ろな」
「うん!!」
…………急にテンション高くなったな。




