↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
神薙 ~日本神話×ロボット。怪獣を救う神機の物語~  作者: さく


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
75/87

25話 旅立ち 25−1

「……。」

凪とレイは旅に出ていた。

数日でも二人が抜けることを豪が許すとは思わなかったが、許可が降りた。


「……。」

二人の思いを汲み取ったのだろう。

凪はそう考える。


「……。」

理由はもう一つある。

武尊の強化計画。


これで凪の武尊もレイの武尊も改修中なのだ。

直ぐに出撃もできない。


「……。」

凪は助手席に座っていた。

ゆっくり窓の外を見る。


(気まずい……。)

凪はよく考えれば、レイとまともに喋ったことがないことを思い出した。


(レイさんは何でついてきたのかな?

聞いて良いかな……?)

横目でレイを見る。


真剣な顔で前を見据えている。

車が揺れる。

車が木々を抜けて、走り出した。


(レイさん……。

湖の場所よく覚えてたな。)

凪も前に向き直る。


凪の目的地。

それはお兄様の眠る場所。

あの湖だった。


凪は原点に還るつもりだ。

自分の焦りを見つめ直す。

そう決心しての行動だった。


(じゃあ、レイさんは?)

凪はレイの目的が分からない。

しかし、考えるのをやめた。


(湖に着いたら聞いてみよう。)

車は木々の間を走り抜けていく。

凪も前を向いた。

この旅で、自分の答えを見つけるために。




「二人が出ていった!?」

茜は格納庫で驚きの声をあげる。


目の前では、茜と凛の武尊の修理が行われていた。

修理音で格納庫の中が満ちていた。

そんな中で茜の驚愕の声が一際大きく響いていた。


「出ていったんじゃねぇ。」

豪は顔を顰めて、茜を見る。

後ろにいた凛も驚きの顔をしている。


「休暇申請取って、二人で出かけて行ったんだよ。」

豪はゆっくりと武尊に視線を戻しながら言う。


「何で?」

茜は考え込むように、下を向きながら呟く。


「何かあったのかな?」

凛も考え込む。


豪は横目でその二人を見る。

そして、少し微笑んだ。


「お前らのせいじゃないぞ?

男にはこういうのも必要なんだよ。」

茜の考えを先読みして豪は言う。


「心配だな……。」

茜と凛は目配せする。

凛が頷く。


「お前らは待機だ。

純粋種が出たらどうする?」

豪は動き出しそうな二人に釘を刺す。


「了解……。」

二人は納得がいかないようだったが、返事をする。


豪は二人に見えないように微笑んだ。

(茜。そういうとこだよ。

自信を持て。)


二人は足取り重く格納庫を出ていく。

豪はその背中を見送った。




凪とレイが乗る車は静かに湖にたどり着いた。

凪の思い出の地。

澪と修行をした場所。


凪とレイは車を降りる。

「ん゛〜……!」

凪は背筋を伸ばす。


自然の空気を腹いっぱい吸い込んだ。

車の中の重苦しい雰囲気から解放された気分だった。

レイは湖に近づいて何か考えてるようだ。


「この湖知ってたんですね。」

凪からまず切り出してみた。


レイは少し押し黙ったあと、声を発した。

「お前とは初めてここで出会った。」


凪は疑問に思う。

(ここでレイさんと会った……?)

腕組みをして考える。


「パレードのチラシだ……。」

レイは凪を横目に見ながら、呟く。


(チラシ……チラシ……。)

凪が突然、思い出す。

「あ!」


二年前、凪と澪で神機を直しに湖に来ていた。

その時に武尊の完成パレードのチラシを持ってきていた隊員がいた。


「あれ、レイさんだったんですか!?」

凪が驚いて、レイの方を向く。


「話したことなかったか?」

レイは首を傾げる。


凪も考える。

(パレードの時に聞いたかもしれない。

しかし……覚えてない。)

凪はこの言葉をそっと仕舞うことにした。


レイは考えるのをやめて、湖に向き直った。

「あの時から随分変わったな……。」

そう呟く。


凪も湖を見る。

「はい……。」

その返事とともに、二年前を思い出す。


澪と神機で戦ったこと。

お兄様と修行したこと。

焔との戦い。


(ずっと一緒にいた澪ちゃんが隣にいないなんてあのときは考えもしなかったな……。)

凪の胸が少し締め付けられる感覚がした。


レイは凪のその表情を見て、話題を切り替える。

「お前はここに何しに来た?」


その言葉に、凪は我に返る。

「え?

ちょっと……自分に気を入れ直しに?」


「そうか。」

レイは短く答える。


「レイさんの方は何故、俺に着いてきたんです?」

凪は疑問に思っていたことを自然に聞き返す。


レイはまた押し黙った。

凪は返答を待った。


「お前についてくれば、俺も答えが見つかるかと思ってな。」

レイはそれだけ呟いて、車に戻った。


その言葉の真意は分からなかった。

しかし、二度の戦闘で何かあったことは推し量られた。


レイがテントを出しているのが目に入る。

「あ!すみません!

手伝います!」


凪もテントの設営をし始めた。




茜と凛は廊下を歩く。

「二人とも何かあったのかな?」

凛はその言葉を発すると同時にあったなと思い直す。


少なくとも、レイにはある。

凛は二回の戦闘を思い返す。

「気にしてるのかな……?」


凛のその言葉に、茜も同意する。

初戦は死にかけけて、次の戦闘は左腕を損傷させた。


レイがいなかったら、勝利はなかった。

それは茜も断言できる。

しかし。


「気にしてるよね……。」

茜は深く溜息をついた。


「行っちゃう?」

凛が悪戯な笑顔を茜に向ける。


「ダメ。

純粋種来たらどうするの?」

正直、行きたい気持ちは茜にもある。

しかし、軍の規律を守らないといけない。


「レイや凪のことが心配じゃないんだ?」

凛は茜を挑発する。


「そんなわけないでしょ!

でも……。」

茜は言い淀む。


凛はその茜の葛藤を見て、不敵な笑みを浮かべた。




豪は格納庫の武尊の修理状況を見て、廊下に出た。


凪の武尊は解析のため、ほぼ全解体。

レイの武尊はその解析結果から出た改良案のテスト機体にされていた。

茜と凛の武尊はそのまま修理されていた。


全機体を改良に回すわけにはいかない。

茜と凛の武尊はレイの武尊の改良次第で変わる。


(俺と茜と凛で数日はなんとかしないとな……。)

豪はそう思いつつ、自室に戻っていく。


(武尊の改良はいい。

しかし……。)

豪は廊下を歩きながら、腕を組む。


未だ純粋種が出現している。

それを解明しなければ、平和は訪れないと思う。


豪は自室のドアノブに手をかける。

中に入ると、机の上が気になった。

何かが置いてある。


豪はその紙を持ち上げる。

「あいつら……!」

豪の顔が引きつった。

少しでも面白い、続きが気になると思ってくださったら、ページ下部の【ブックマーク】や【⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎】で応援していただけると、更新の励みになります!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。