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神薙 ~日本神話×ロボット。怪獣を救う神機の物語~(50話達成!)  作者: さく


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20話 神話の再来 20-2

澪が祈る。

(御兄様…。

今なら、御兄様の気持ちが分かる。)


御兄様があの時、大穴を封印した理由。

(大穴で腐った御母様を見た。

だから、託したかったんだよね。

未来に…。)


澪の力が増していく。

放つ光が強くなる。


(俺の役割。)

凪は考える。

(澪ちゃんを守ること!)


真・神機は盾を構える。

凪の周りに透明な障壁が現れる。


怪獣の攻撃。

それを障壁が受け流していく。


火雷神は気づく。

「浄化の光!

させない!」

神機・炎は真・神機に向かった。




豪は大都市に急行していた。

何れも守るべき場所だ。

しかし、体は一つしかない。


現在、最も激しい侵攻を受けている場所。

大都市。

純粋種はそこへ集中するように進軍していた。

まるで、規則性があるかのように。


武尊のモニターに大都市が炎に包まれている様子が映る。

もう侵攻が進んでいる。

「くっ…!」


豪はバーニアを吹かす。

武尊がスピードを上げる。

怪獣の上空を猛スピードで飛んでいく。


マシンガンを構える武尊。

市街地へ最も迫っていた純粋種へ、一斉射撃を開始した。




神機・炎が真・神機の障壁に剣を振り下ろす。


しかし、その障壁に剣が大きく弾かれる。

仰け反る神機・炎。

「おのれ…!」


「焔!やめてくれ!」

凪は叫ぶ。

「お前の言う御母様の願いって何だ?

教えてくれ!」


「時間稼ぎは聞かん!」

神機・炎は剣を何度も振り下ろす。

しかし、障壁は割れない。


「違う!

そうじゃない。」

凪は悲痛な顔で焔に問いかける。


「ただ知りたいんだ。

お前が…お前たちが信じる御母様の願いがなんなのかを…。」


神機・炎は剣を下ろす。

「凪!それは人間が語ることではない!」


「俺も神話時代に何があったかは知ってる!」

真・神機の中で見た。

ミズホノメ様の記憶。

ミズホノメ様の本当の願い。


「なら分かるはずだ!

人間の所業。

その結果が!」

神機・炎が剣を突きつける。


「知ってる。

だけど、人間は反省をした。」

凪は俯く。


反省。

それを加害者の免罪符にしてはいけない。

凪にもそれは分かっていた。


でも、知ってほしい。

焔がまだ知らない。

御母様が最後に残した「許し」を。


火雷神が奥噛みをする。

「それは…!」


凪は遮るように言葉を紡ぐ。

「分かってる。

でも、お前も知ってるだろう?」

凪は胸に手を当てる。


真・神機がそれに呼応するように、胸に手を当てる。

「この神機が生まれた経緯。

その真実を…!」


火雷神は子供の頃のことが頭を過る。


あの日、俺は始めて姉様にワガママを言った。

勾玉を持った時、記憶が蘇った。

そして、真実を知りたくて勾玉を欲しがった。


最初は姉様も渋っていた。

大切な御兄様の形見なんだと。

でも、最終的に姉様は僕に勾玉をくれた。


俺はその日の夜。

こっそり神社を抜け出して、神機に乗った。


神機の中は、凄く安心した。

御母様に抱かれているかのように…。


だけど、御母様に語りかけた。

その時、見たのは人間の業の深さ。

そして、人間の傲慢さ。


その時、合点がいった。

御母様の言葉。

「人間に復讐を。」

その意味を。


僕の罪を償うにはこれしかないと思った。



「人間は反省したと言うが、その結果はどうだ!」

神機・炎は剣を振る。


「御母様は死に。御姉様も死んだ!

それが結果だ!」

焔は叫ぶ。


「神機に乗っているなら分かるだろう?

御母様の願いは何だったのか…!」


火雷神も凪の言葉を遮るように言う。

「違う!

御母様は俺たちに言った。

人間に復讐しろって。」


「焔。」

澪が言う。

真・神機のコントロールが強制的に澪に移る。


「え?」

凪は驚いて澪を見る。


真・神機が両手を広げる。

障壁が消えていく。

「澪ちゃん何を…。」


「焔。その先を見るの。」

真・神機が優しく神機・炎を抱きしめた。


温かい。

子供の頃を思い出す。

澪に抱かれていたあの日の記憶。


焔の心の氷が溶けていく。

その時、視界が開ける。

記憶が焔になだれ込む。


八岐の大蛇と対峙する人間。

その視界の先。


見えるのは神社。

澪に育てられた神社。


神社が創建された。

その意味。


澪に御母様から琥珀の勾玉が渡される。


"許し"


焔は頭を抱える。

「何だ…この記憶は…?」

頭が混乱する。

これが本当のことだとすると。


眩い光が目の前を包む。

「何!?」


真・神機が光輝く。

そして、怪獣たちを浄化していく。

怪獣たちが光となって天に昇っていく。


「うわ!」

凪が真・神機から投げ出され、神機・炎の手の上に転げ落ちる。


「澪ちゃん…!

ダメだ!俺も行く!」

神機・炎の手の上で凪が叫んでいる。

焔は何が起きているか分からない。


「凪…。」

真・神機が凪を見る。


「焔…。」

今度は神機・炎の中を見透かすように焔を見る。


「仲良くしてね。」

澪が微笑む。


「ダメだ!」

凪の頬に涙が伝う。

神機・炎の手から落ちそうになる程、手を伸ばす。


「御母様を頼むね。」

澪が言う。

その時、焔にも意味が分からなった。


「御姉様!」

焔の声も虚しく、真・神機が光の玉になる。

その玉が大穴に向かう。


大穴の上空に紋様が浮かぶ。

それが大穴を塞ぐように降りていく。


「澪ちゃあああん!」

「御姉様ああああ!」

二人の声が重なった。


大穴は元の通り大岩に塞がれていた。

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