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神薙 ~日本神話×ロボット。怪獣を救う神機の物語~(50話達成!)  作者: さく


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20話 神話の再来 20-1

「神話の再来…。」

凪は大穴から現れる大量の怪獣から目が離せなかった。

神話時代。

多くの怪獣が現れては人間を蹂躙していった。


地下からの根がない。

根からの供給を必要としない。

完全に独立した怪獣。

つまり。


"純粋種"


それが日本に進軍していく。

「マズイ!」

真・神機が地面を削り取りながら、馬乗りの神機・炎から離脱する。

そして、地面を手で突き、大勢を立て直す。

その反動で飛び上がった。


視界に豪の武尊が飛んできているのが目に入る。

「豪さん!」

豪の武尊は損傷していた。

先程までの怪獣の群れと戦い抜いたのであろう。


「状況は?」

豪が地上を見る。


「これは…!」

地上には夥しい程の怪獣。


「世界の終わりか…?」

豪は独りごちる。


「あれは純粋種だそうです。

ミズホノメ様が産んだ。

人間を必要としない。」

凪は説明する。


「純粋種…?ミズホノメ様…?」

豪には何が何だかわからない。


神機・炎が飛び上がってくる。

「そうだ、人間。

御母様の人間への恨みの権化だ。」


「ミズホノメ様はそんなこと望んではいない!」

凪が強く言い返す。


ミズホノメ様の記憶。

ミズホノメ様の願い。


凪は実際に体験した。

凪はそれを受け取った。

だから。


「凪!お前に何が分かる?

御母様の苦しみが!」

火雷神が吠える。


「そんなこと…!」

凪の言葉を遮って、豪が叫ぶ。


「バカやろう!

言い合ってる場合じゃねぇ!」

武尊のバーニアが火を吹く。


「あれをなんとかしないと!」

武尊が怪獣に向かう。

真・神機がそれに続く。


「もう遅い…。

弟たちは止められない。」

火雷神は悲しい表情で真・神機と武尊を見つめた。




武尊が落下しつつ、空中からライフルを撃ち込む。

ターゲットを狙い、次々と撃ち込んでいく。


命中した怪獣は、咆哮を上げる。

夥しく蠢く怪獣の目が武尊に向く。

純粋種の腕から無数の根が伸びる。

一斉に武尊へ襲いかかった。


夥しい程の根。

それが武尊に迫る。


真・神機が柄を握る。

急降下で武尊の目に出る。


居合。


飛んできた根を斬り刻む。

斬り刻まれた根は崩れ落ちていった。

そのまま、地上に降り立つ真・神機。


「はああ!」

真・神機は怪獣を袈裟斬りに斬りつける。

次々と剣を振る。


武尊は真・神機を援護する。

ライフルをマシンガンモードに切り替える。

そして、連射し根を撃ち落としていった。


しかし、数は減らない。

一体倒せば、また一体。 二体倒せば、その奥からさらに現れる。

それどころか、純粋種は近隣へと散開し、街を蹂躙していった。




大都市。

そこに夥しい数の怪獣が迫る。


怪獣が現れるようになってから、日本政府は各地に色々な兵器を配備した。


戦闘機。

戦車。

戦艦。

迎撃用ミサイル。


使わないほうが良い。

そう思いつつも、配備した。

遂にその時が来てしまった。


軍服の男が指令を出す。

「怪獣を一歩も入れるんじゃありませんよ。」

無理だとは思っていた。


あの怪獣の数。

今の部隊では抑え込めないだろう。


(武尊の量産化が間に合っていれば…。)

そう思う。

しかし、量産化が間に合ったところでとも思う。


皆に厳しい指令をださないといけない。

軍服の男は心を鬼にする。

「迎撃してください!」


モニターが映る。

戦闘機が怪獣に向かう。

戦車が撃つ。

戦艦や迎撃システムがミサイルを放つ。


怪獣の群れに幾重の爆発を確認した。

煙が晴れる。

爆炎の中から、黒い影がゆっくりと姿を現す。

怪獣の侵攻は止まらなかった。




各地で爆炎が確認できる。

モニターに小ウインドウでそれを知らせてくる。

「軍が動いた…。」


豪はその状況に絶望する。

どちらを向いても戦場。

本当に地獄絵図だった。


豪は舌打ちする。

「このままじゃ日本は…!」


「豪さん!」

凪の声で顔を上げる豪。


「行って下さい!

ここは俺に任せて。」

真・神機は怪獣を斬り伏せる。


「しかし…。」

武尊はマシンガンを撃ち続ける。

そのまま豪は迷う。


「大丈夫。

豪さん…人間に希望を見せるんだ。」

真・神機はサムズアップをする。


「すまん…!」

武尊は大都市に向かい、飛んでいった。


凪は我ながら、臭いことを言ったと自嘲する。

そして、気持ちを入れ替える。


「澪ちゃん…。

何で黙ってるの?」

凪は後ろにいる澪に語りかける。


凪は実は分かっている。

澪は何も言わない。

澪も凪が言いたいことを理解していた。


「考えてることは一緒みたいだね…。」

真・神機は怪獣を斬り伏せていく。

凪の顔には笑み。


「御兄様の気持ちが分かった気がするよ。」

凪がゆっくりと言葉を紡ぐ。


「ダメよ。

それは私の役割。」

澪が凪を見据える。


「二人の方が力を出せる。」

澪に笑いかける。


一瞬の静寂が二人の間に流れる。


「分かったわ。」

澪も笑顔を見せる。


「行きましょう。」

澪が決意に満ちた顔になる。


「うん!」

凪は元気よく返事する。

しかし、内心は穏やかでなかった。


真・神機は飛び上がる。

空中で天衣が光をおびる。


「何をする気だ?」

火雷神は真・神機の突然の行動に理解ができなかった。



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