17話 ライバルとの因縁 17-4
豪にデータが送られてくる。
「種…。
しかし、こんな小さいものをどうしろって言うんだ!」
武尊は根を斬り伏せる。
真・神機も根を斬り伏せていく。
根を掴んで幾つもの根の対処をする。
澪は目を瞑って祈っていた。
(種…。)
根を辿って、中を見る。
「これね!」
澪が目を開ける。
澪が見たものが、凪の前に映し出される。
コクピットの中。
シートに種が埋め込まれて、根が生み出されている。
その根が不気味に蠢く。
凪が澪と目を合わせる。
澪は静かに頷いた。
その瞬間、凪の脳裏にミズホノメの記憶がよみがえる。
「これは…!」
それは御母様の記憶。
大穴の先にいる。
ミズホノメが怪獣を生み出す姿に酷似していた。
息を呑む。
そして、実感する。
(御母様…。)
真・神機は掴んだ根を斬り伏せる。
「僕たちは行かなくちゃいけない…。」
澪も考えていて言えなかったことを凪が言う。
御母様がいるところ。
御兄様の死に関わったトラウマの場所。
大穴の先。
「うん…。」
澪は目を伏せた。
「でも、まずはコイツの対処だ!」
根を斬り伏せる。
これをどうにかしないといけない。
武尊が根にとらわれる。
「くっ…!また…!」
その根が振りかぶり、武尊を真・神機に放り投げる。
「何!?」
武尊が勢いよく飛んでくる。
凪は咄嗟に両腕を伸ばす。
真・神機は武尊を受け止めるが、その衝撃に耐え切れず二機まとめて地面へ倒れ込んだ。
「ぐっ…!」
二人の唸り声が重なる。
二号機怪獣が近づく。
若雷神が口角を上げる。
ゆっくり二号機怪獣に手をつく。
若雷神から放たれた電気は鞭に溜まっていく。
二号機怪獣が鞭を振り上げて、真・神機と武尊を叩きつける。
「ぐあああああ!」
放電がコクピットを駆け抜けた。
豪の声が基地内に響く。
茜はその声に居ても立ってもいられなくなる。
凛がゆっくりと離れる。
「行って。」
そして、茜を押す。
「もう大丈夫だから。」
凛が痩せ我慢でサムズアップする。
「凛…。
うん!」
茜は走り出す。
(私に何ができるか分からない。)
茜は走りながら、考える。
(でも、やれることをやる!)
基地の入り口。
レイが立っていた。
「行くぞ。」
外にはもうジープがスタンバイしていた。
レイは無言で運転席に座る。
茜は何かが胸にこみ上げた。
凛はふらつき倒れそうになる。
そこに椅子が差し込まれる。
「ゆっくり休んでいなさい。」
軍服の男はモニターに目を戻した。
凛も外を見る。
茜の乗ったジープが戦場に向かって走り出していた。
電気の鞭が二機に振り下ろされる。
「ぐあああああ!」
前回の電撃が思い出される。
「くっ…!」
豪は冷や汗を拭う。
そして、武尊を起き上がらせようとする。
しかし。
「アハハハ!」
二号機怪獣の雷鞭が容赦なく振り下ろされる。
(どうすれば…。)
そこにジープが現れる。
茜はガトリングを二号機怪獣に向ける。
ガトリングが火を吹く。
装甲には傷一つ付かない。
だが、雷をまとった鞭だけは連続する衝撃で大きく弾かれた。
「今度は何!」
若雷神が振り向く。
二号機怪獣の視線もジープへ向いた。
「ヤバ!
行って!」
茜は二号機怪獣を見据えたまま、レイを叩く。
レイは嫌な顔をしつつもジープを走らせる。
動きながらも、茜二号機怪獣に向かってガトリングを放つ。
「あいつら…!」
豪の胸が熱くなった。
豪は武尊を立ち上がらせる。
真・神機も立ち上がる。
豪の視線の先では、茜たちのジープが二号機怪獣に追いかけられている。
「時間がない。どうする?」
豪は凪に通信を送る。
凪にも分からない。
しかし。
「連携でいきましょう!
あの位置ならコクピットは壊すしかない。」
凪は軍服の男ととの約束に心の中で謝りつつ目を瞑る。
「豪さんは射撃は得意ですか?」
凪は作戦を伝えた。
茜はガトリングを撃って、二号機怪獣の気を引く。
二号機怪獣はジープに鞭攻撃を繰り返す。
「くっ…!」
レイはその攻撃を躱しつつ、運転する。
その時、通信が入る。
「茜。俺たちで牽制する!」
武尊が後ろから二号機怪獣を追ってくる。
マシンガンモードに切り替えた。
銃を乱射する。
「今度はあいつか!」
若雷神は振り返る。
「撹乱する!
そっちも撃て!」
レイは豪の言葉に感づいて、武尊の対極に位置するよう走らせる。
二号機怪獣は2箇所同時攻撃に振り回される。
「こっちもあっちも!
あああああ!」
若雷神は怒りで、二号機怪獣から根を大量に吹き出す。
そして、武尊とジープを攻撃しようとする。
「させるか!」
真・神機が上空から斬りかかる。
そして、根を斬り刻む。
素早い剣撃。
根を次々と斬り刻んでいく。
二号機怪獣は剣撃を避けるように後退する。
(前へ!)
凪はさらに真・神機を踏み込ませる。 草薙剣が迫る根を次々と斬り払った。
豪は武尊を真・神機の後ろに位置付ける。
(射撃は得意ですか?)
凪のその言葉が頭を過る。
(そんなに得意じゃねぇ…。
だが…。)
ジープが武尊の横に来る。
茜が双眼鏡で種を捉え、レイがパソコンで分析する。
豪はマシンガンモードからライフルモードに切り替える。
そして、武尊にライフルを構えさせる。
照準が出る。
茜とレイのデータにより、動く標的を捉えるように修整されていく。
(ここで俺が撃ち抜く!)
照準が揺れる。
種がコクピットの奥で脈打つ。
真・神機が剣を鞘に収める。
「え?」
若雷神は驚き、二号機怪獣が動きを止める。
照準が種を捉えた。
「今だ!」
二人の声が重なった。
真・神機は鞘に収めた剣の柄に触れる。
武尊はライフルのトリガーを引いた。
ライフルの弾はコクピットの種を捉え、撃ち抜いた。
「あ!種が!」
若雷神が砕かれた種を見る。
その瞬間、横目に真・神機が踏み込んだのが見えた。
「え…。」
居合。
真・神機の素早い剣撃は若雷神を斬り裂いた。
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