17話 ライバルとの因縁 17-3
「ババババババァッ!」
二号機怪獣は両腕のバルカンを真・神機に浴びせる。
「アハハハ!」
容赦なく連射して撃ち込んでいく。
「くっ…!」
真・神機は盾でガードする。
「反撃できない…!」
真・神機は盾を構え続ける。
激しい火花が散り、金属音が響き渡る。
あまりの弾幕に、一歩も前へ出られない。
「このままじゃ近づけない……!」
やがて、機械が空を叩く音がする。
弾が出なくなる。
そして、腕のバルカンの回転が止まった。
「あれ?もうなくなっちゃった…。」
隙ができた。
真・神機は剣を構える。
「ここか!」
そして、バーニアを吹かし接近する。
「じゃあ、次はこれ!」
二号機怪獣はライフルを取り出す。
ライフルのマガジン部に根が取り付く。
そして、弾を装填するように蠢いた。
「いけ!」
二号機怪獣がトリガーを引く。
爆音が鳴る。
飛び出した球は根でできている。
「うお…!」
真・神機は間一髪で避ける。
「もしかして……根が弾を作っているのか?」
凪は一人ごちる。
しかし、尚も近づいていく。
ライフルが何度も撃ち込まれる。
それを避けつつ接近する真・神機。
「当たれよ!」
真・神機の草薙剣が一直線に振り下ろす。
二号機怪獣はライフルを横に構え、火花を散らして受け止めた。
武尊の手には茜と凛。
二人を潰さない様にして持っていた。
風で飛ばされないように上からもう片方の手を被せる。
豪の目的地は基地。
二人を基地に保護させる為だ。
警告アラートが鳴る。
「なんだ…?」
バックカメラのモニターがセンターに映る。
二号機怪獣が立ち上がり、真・神機にバルカンを浴びせる。
「あいつ!
まだ、動けるのかよ!」
ペダルを強く踏む。
スピードを上げて、基地に滑り込む。
地面を削りながら、止まるのと同時に地上に二人を降ろす。
基地からは救急隊が走って来ていたのが見える。
「よし。」
豪は武尊を振り返らせる。
真・神機の応戦をするために。
「隊長!」
凛が茜の肩に支えられて、叫ぶ。
「二号機を…。
私たちの二号機を救って下さい!」
凛が叫ぶ。
茜も決意したように武尊を見る。
武尊サムズアップした。
「お前らの想い…。
受け取った!」
武尊は真・神機の元へ向かう。
二号機怪獣は左手に剣を装備する。
そして、振り抜いた。
真・神機はジャンプしてそれを躱し、飛び退く。
「やるな…!」
凪の剣を持つ手に力が入る。
ライフルに絡まった根が地上に伸びる。
片手で持ったままライフルのトリガーを引く。
真・神機への銃撃。
反動が根に逃げる。
「くっ…!」
真・神機は弾を盾で弾く。
二号機怪獣はライフルを右手に持ったまま、剣を振り上げる。
真・神機は草薙剣を横に構え、火花を散らしながら受け止めた。
しかし、ライフルを構えるのが見えた。
「右!」
澪が叫ぶ。
「マズイ!
ゼロ距離…!」
真・神機は銃口を持ち上げる。
弾が肩を掠める。
「危ねえよ!」
真・神機は二号機の腹に蹴りを入れる。
そして、距離を取る。
「強いな…。」
凪は二号機怪獣を見据えた。
「澪ちゃん…。どういうことだと思う?」
今までは人を解放することで終わっていた。
今回は人がいなくなっているのに、二号機怪獣は暴走している。
「雷神の仕業だろうね…。
でも…分からない…。」
御母様の記憶を見たが、怪獣の原理までは分かっていない。
二号機怪獣が剣を振り上げる。
真・神機と二号機は剣で打ちあう。
「くっ…!」
剣と剣が火花を散らす。
(どうする…?)
単純に強いだけじゃない。
こうなると対処も分からない。
弾を躱し、剣で打ち合っていく。
その時。
「苦戦してるな。」
上空で武尊がライフルを構えている。
豪は照準をあわせていく。
そして、トリガーを引く。
武尊のライフルが火を吹いた。
次々と根を撃ち砕いていく。
二号機怪獣が真・神機にライフルを撃つ。
だが、反動を支えていた根はすでに武尊の銃撃で砕かれていた。
強烈な反動がそのまま機体を襲い、二号機怪獣は大きく体勢を崩した。
「え!?」
若雷神は見上げる。
武尊が空中でライフルを向けていた。
「豪さん!」
凪はその隙を見逃さない。
真・神機を二号機怪獣にタックルさせる。
「ぐっ…!」
若雷神にも衝撃が入る。
コクピットが揺れる。
真・神機は二号機怪獣のライフルを持つ腕へ草薙剣を振り抜く。
腕が宙を舞う。
武器が腕ごと地面へ落ちた。
「ああああ!」
若雷神は地団駄を踏む。
「二体一なんて卑怯だぞ!」
若雷神が武尊に指を指す。
そして、二号機怪獣の腕を向く。
「腕も取れちゃった!」
若雷神が怒りを顕にしていく。
そして、力を込める。
次の瞬間。
二号機怪獣の腕があったところから根が噴出する。
根は不気味に蠢き、腕の形を成していく。
「僕のおもちゃを壊さないで!」
腕から鞭が生えてくる。
そして、真・神機と武尊を捕らえた。
「捕まった!」
武尊は根に絡め取られて、地面に叩き落とされる。
「がは…!」
強い衝撃。
脳が揺れる。
「くっ…!」
真・神機を見る。
真・神機も根に絡め取られて抵抗している。
しかし。
「ぐあ!」
真・神機も放り投げる二号機怪獣。
地面に叩きつけられる。
「大丈夫?
澪ちゃん…。」
澪を心配しながら、立ち上がる凪。
「うん…。」
澪もゆっくり立ち上がる。
二号機怪獣は幾つもの根を吹き出して真・神機と武尊を攻撃する。
その根を斬り伏せていく。
(埒が明かない。)
凪は考える。
雷神が原因なら雷神を倒す。
しかし、雷神が原因でなかった場合、二号機怪獣は暴走したまま。
二号機怪獣を斬り刻んでもいいが、暴走の原因を断てるか分からない。
「どうする…?」
その時、通信が入る。
「何を悩んでる?」
豪だ。
武尊も根を斬り伏せ、隙を伺っている様子だ。
「人間がいなくなったのに、この怪獣は動いてる。
何が原因か分からなくて…。」
死角から飛んでくる根を感覚で斬り伏せる。
「種…多分、種だと思う!」
別の通信が入ってくる。
女性の声だ。
「凛か!?」
豪がその声に答える。
「はい!
私は怪獣になる前に何かを植えられた。」
凛は俯いて、思い出す。
「そしたら、嫉妬があふれて…いつの間にか、茜を恨んでた…。」
「そうだったのか…。」
凪は考える。
今までも種を植えられて怪獣になっていたのかもしれない。
「でも、何故種なんだ?」
豪が聞き返した、その瞬間。
武尊の足元から根が突き出す。
「っと!」
武尊は跳び退き、ライフルで根を撃ち砕いた。
「根……。私に植えられた小さなものが、あの根を生み出した。
だったら、あれは種だったんじゃないかって……」
凛は自信なさげに答える。
「かけてみましょう!」
凪が言う。
根が怪獣を形成している。
辻褄が合う気がした。
「こちらでスキャンしてみましょう。」
軍服の男が部下に指示を出す。
部下がキーボードを叩く。
壊れた基地の唯一残ったモニターがサーモグラフィーに切り替わる。
根の中心部。
コクピットへと映像が拡大されていく。
無数の根が、一点から脈打つように伸びていた。
「ありました……!」
シートに植え付けられた種が、二号機全体へ根を張り巡らせていた。
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