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神薙 ~日本神話×ロボット。怪獣を救う神機の物語~(50話達成!)  作者: さく


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14話 復讐 14-1

析雷神はあの光で負傷していた。

「あの龍め…!」

よろけながら、他の雷神の元へ帰る。


「手酷くやられたな。」

黒雷神が析雷神を一瞥して言う。


「あの龍さえいなければ、上手くいってたわ!」

痛みで顔を顰めて、顔を押さえる。

あの光で顔を焼かれていた。


「その様子では次はいけないだろう。

俺が行く。」

黒雷神が背を向け歩き出す。


「待ちなさい!

私が行くわ!」

析雷神の目は怒りに満ちていた。


黒雷神は振り返る。

「…。」


重い足音が洞窟に響く。

空気が震える。

二人は言葉を失う。


「…!」

2人は瞬時に跪く。

空気が張り詰める。


「お頭様…。」

お頭様と呼ばれたのは大雷神。

八雷神の中でも、一際大きな体躯を持つ。


「もう遊びは終わりだ。」

大雷神は掌を開く。

そこには、今までの種とは比べ物にならないほど禍々しい種があった。

「今度は確実に仕留めよ。」


析雷神が黒雷神を睨む。

そして、いつもの調子の笑顔に戻る。

「今度こそ確実に神機ちゃんをやってあげる。」

そう言いつつ、背を向ける。


「この顔の恨みは深いわよ…!」


雷鳴。


析雷神は消えていった。


黒雷神は跪いたまま

「お目覚めでしたか。お頭様…。」


大雷神は腕を組む。

「本格的に行動しなければならんようだからな。」


黒雷神の口角が上がる。

本格的な行動。

(待っていたぞ。)

黒雷神は心の中で嗤う。




男も復讐心に駆られていた。

憎しみを募らせていく。


「く、クソッ!」

壁を殴る。

(いつも、邪魔をする…!

俺の居場所を奪う…!)

歯を食いしばり、睨む。


その憎しみに呼応して、男から出た根が腕を侵食していく。

そして、男の腕に鎌ができる。


男は不気味に嗤う。

そして、標的を探す。


男の口元がゆっくり歪む。

「見つけた……。」

根が脈動する。

ゆっくり近づいていく。


そして。


悲鳴が夜に響いた。




豪は目を覚ます。

そして、身体を起こす。

「つっ…!」


全身が痛い。

(何故だ…?)

そして、思い出していく。


「俺は…。」

怪獣にやられた。

ベッドに沈む。


無茶な出撃とは言え、酷くやられた。

豪は拳を握りしめる。


辺りが騒がしくなる。

豪が目覚めたことに慌ただしく動き出す医療スタッフ。

しかし、豪にはどうでも良かった。


痛みを押して動き出す。

これで終わりじゃない。

医療スタッフの制止を無視して、ベッドから降りる。


足の力が入らない。

そのまま、地面に倒れ込む。

(俺はどのくらい寝てたんだ…?)




真・神機が湖から飛び出した。

それを見つめる一人の男。

迷彩柄の服を着た男が双眼鏡をおろし見上げる。

「あれが…神機…?」


男は疑問に思う。

姿が変わったと。


湖へ視線を落とす。

水面には砕けた鎧が沈んでいた。

男の口元が歪む。

「使える。」


そして、どこかに連絡を入れた。

「回収班を出せ。

神機の装甲を確保する。」


数刻して、湖に大量の重機とトラックが集まった。


自衛隊員の一人が、古墳を見る。

そして、湖を見る。

何だか、罰当たりな気がする。


仕事だから仕方ないが…。

自衛隊員は古墳に祈りを捧げる。

(呪わないで下さい…。)


「おい!何してる!」

自衛隊はその声に驚き、駆けつける。

研究員や他の自衛隊員は何食わぬ顔で作業をしている。


自衛隊は肝を冷やした。




男は手当たり次第に人間を襲う。

目が血走り、開いた口から涎が垂れていた。

そんなこともお構いなしに、標的を探して彷徨う。


「神機…。神機を倒す…。

そのためには…ぐっ!」

根が脈動する。

腕の鎌が禍々しく変形していく。


「もっと…もっとだ…。」

男の口が歪む。

「人間を斬って…強くなる!」


そして、人間を切り刻んでいった。


それを見つめる析雷神。

「そうよ…。もっと…もっとよ!」

析雷神の右顔は髪で隠されていた。


「憎しみを…!悪意を増幅させなさい!」

手のひらの種を見つめる。

「見てなさい…!」


右顔に手をやり、睨む。

「後悔させてあげる。」




研究員が神機の装甲を調査する。

「何だこれは…!」

調査の結果、この金属は今の時代には精製できないものだった。


「素晴らしい…!」

この装甲は今の地球のどんなものより硬いと言えた。

直ぐに研究に取り掛かる。


お偉方が見に来ている。

ガラスの外から研究員を見て

「直ぐに組み込めと言う」


「無茶なことを仰る…。」

研究員は独りごちる。

何も分かっていない。

精製方法も加工方も…。


しかし、試作機を完成させる。

その意思だけは一致している。


試作機を完璧に仕上げて、今度こそは豪を無傷で帰す。

それが自分の使命に思えた。

「待っていますよ。豪さん…。」



豪は無理を押して、リハビリを始めた。

次は背中を任さられるようにする。

研究員たちならやってくれる。


「っ…!」

豪は倒れ込む。

しかし、直ぐに立ち上がる。


そして、リハビリを再開する。

「やってやる…!」

豪は真っ直ぐ前を見据えた。

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