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神薙 ~日本神話×ロボット。怪獣を救う神機の物語~(50話達成!)  作者: さく


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2話 母の想い 2-1

怪獣は、町を蹂躙しながら進んでいく。


崩れる建物。

逃げ惑う人々。

響く悲鳴。


その巨体の中心には、まだ“母”がいた。


全身から、黒い根が溢れ出している。

皮膚を裂き、脈打つように蠢く根。

けれど、その腕の中では、勇斗が静かに眠っていた。


「大丈夫……」

母は、勇斗を抱きしめる。


「ママが……守るから……」


次の瞬間。


怪獣の身体から、無数の根が噴き出した。

伸びた根が、周囲の建物を次々と破壊していく。


近づくな。

奪うな。

触れるな。


それはまるで、世界のすべてを拒絶するかのようだった。




「御母様……」


澪は、町を蹂躙する怪獣を見据えていた。

その傍らには、先ほどまで石像だった巨人。

まるで澪と呼応するように、静かに怪獣を見つめている。


「今……そこから出してあげる」

澪は胸元の勾玉を握り締める。


次の瞬間。


琥珀色の光が溢れ、澪の身体は石像の胸へ吸い込まれていった。


内部は、異空間だった。

足場も、壁も、空もない。

ただ光だけが広がっている。


澪が視線を向ける。


それに呼応するように、巨人の視界が町を映し出した。


「……っ」

凪は息を呑む。

理解が追いつかない。

脳が現実を拒絶している。


「今、行きます」

巨人から、澪の声が響く。


「澪ちゃん!」

凪は思わず叫んだ。


「危ないから離れていて」

澪の声は静かだった。

けれど、どこか悲しげだった。

「私が……あれを止める」


その瞬間。


巨人が地面を砕き、怪獣へ向かって飛び出した。




怪獣は、依然として町を蹂躙していた。


どうして、こんなことになったんだろう。

最初は幸せだった。

夫も、家事や育児を手伝ってくれていた。


「ありがとう」


その言葉だけで、頑張れた。

でも、いつからだろう。

その言葉は、言われなくなった。

気づけば私は、召使みたいになっていた。


勇斗の世話をするのは、いつだって私だった。

義母と夫は、可愛がるだけ。

泣けば、私に押し付ける。


それでも。


勇斗の泣き声は、愛おしかった。

勇斗は、私の救いだった。


だから。


それを……


「奪うなぁぁぁぁ!!」


怪獣が、感情に呼応するように咆哮を上げる。

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