表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
神薙 ~日本神話×ロボット。怪獣を救う神機の物語~(50話達成!)  作者: さく


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
32/67

11話 選択の後に 11-2

黒雷神は浄化で傷ついた伏雷神を抱えていた。

「くっ…!あの光…!」


「ホッホッホ、酷くやられたのぉ。」

土雷神が愉快そうに言う。


「土か…。」

伏雷神を降ろす。

「あの時の光を見た。」


土雷神の顔が険しくなる。

「覚醒し始めておるというのか?」

黒雷神も険しい顔で答える。

「おそらくな。」


雷鳴。


「それなら、本気で神機を潰さないとね?」

細身の長身の男が後ろから現れる。

「析…。」


析雷神はナイフを舐める。

「神機を潰してあげる。」


「あの時の借り…返してあげるわ」

目が鋭くなる。

神機を倒すことを視野に入れている。


「次は私が行くわね。」

析雷神は雷鳴とともに消えていった。




析雷神は人々を眺めていた。

「いい子いないかしら…?」

目が鋭く、一人の男に目が止まる。


「あの子…。」

口角が上がる。

男を見透かしたように見つめる。


男は自宅に入る。

手に持ったスマホを見る。

「くそっ!」

スマホを持つ手に力が入る。


男はニュースを見ていた。

『神機!またまた大活躍!

自衛隊と連携!』

という記事だ。


「この場所は俺の場所だったのに…!」

男は画面をスクロールする。

なのに、前まで載っていたはずの自分の記事がない。


過去の新聞記事が壁一面に貼り付けられている。

自分の事件を切り抜いたスクラップ 。

『現代の切裂きジャック現れる!』

以前ならそんな記事が大見出し記事になっていたはずだ。


機神が出るまでは自分が世間を賑わせていた。

「ぐっ…!あのロボット…!」

男は奥噛みする。

スマホを地面に叩きつける。


析雷神は一部始終を見ていた。

「ふふ…すごい悪意ね…。」

析雷神はその男にターゲットを定めた。



豪は部屋から出た。


神機の情報共有。

神機を逃がしたことの追求。

怪獣の正体。


色々と上層部と話をさせられた。


「疲れた…。」

豪は普段この言葉を使わないようにしている。

しかし、ポロリと言葉が出てしまう。


今回、纏められたことはこうだ。


あのロボットが神機という名前だということ。

(これは公表された。)


神機は味方であるということ。

(あの男のことを隠して、味方だと説明するのは難しかったな…。)


怪獣の中には人間がいること。

しかし、自衛隊には救出する術がないこと。

(あの男にも何故だかわかっていなかった。)


「はあ…。」

溜息が出る。

これを納得させるのに苦労した。


豪は廊下を歩き出す。

次の行き先は研究所だ。

数カ月先に完成する試作機を見に行けとのことだ。


しかし、神機を調査したとは言え、一年ほどで完成した試作機。

(神機を参考にしただけで、ここまで早く完成するものなのか…?)


豪は一抹の不安を覚えつつ、研究所に向かう。




凪は日課である神社の掃き掃除をしていた。

それを、感謝の眼差しで見ている澪。


「最近、怪獣出ないね。」

男の怪獣から一ヶ月、その間、怪獣は出ていなかった。

澪は町の様子を見る。

新しく建物が建ってきている。


「うん。このまま出ないといいけど…。」

少し不安気に言う澪。

凪も同じ意見だ。

このまま、怪獣が出なければいい。

そう思う。


そうすれば、怪獣によって不幸になる人も怪獣になる人もいなくなる。

凪は神機を見上げる。

神機は元の状態に戻り、龍の甲冑は無くなっている。


あの龍は、湖に戻ったのだろう。

龍の活躍もここで終われれば、いいと思う。

安らかに眠っていたのに、起こすのも御兄様に可哀想だ。

などと凪は思う。


ふと、凪は御兄様の神機の像に目をやる。

「ねえ、澪ちゃん。

御兄様の神機は湖で修理しないの?」

凪は疑問に思ったことを素直にぶつける。


澪は御兄様の神機の像に目を向ける。

「御兄様の神機の勾玉がないの。」

澪が目を伏せる。


「だから、治せなくて…。」

澪は苦笑いする。

直せなくても直せなかったのかと反省する凪。

しかし。


「え?ないの?」

素っ頓狂な声を上げる凪。

「うん…。焔に持たせてたんだけど…。」


「焔…。」

昔、澪と凪とよく遊んだ男の子だ。

いつの間にか、消えてしまった。


「今、焔はどこに?」

凪は子供の頃、親友とも呼べる焔が、突然いなくなって澪を責めたことがある。

その時のことを恥じつつも聞く。


「分からないの…。」

澪はもう一度、苦笑いする。


「え…?」

凪は言葉を失った。



豪は口をあんぐりと開けて、試作機を見上げる。

まだ、ハリボテだ。

これに乗って、怪獣と戦えというのか?

そんな疑問が豪の頭に浮かぶ。


数カ月後には、試作機のお披露目パレードをする予定だったはず。

豪はそう聞かされていた。


「マジか…。」

豪からはそんな言葉しか出なかった。

研究員が近づいてくる。


研究員は申し訳なさそうな顔をしている。

恐る恐るといった感じで豪に話しかける研究員。


「上層部からは、何としてもパレードに間に合わせろと…。」

豪がゆっくり目を合わせる。

言葉が出ない。


「神機ばかりに任せておくわけにはいかんと…。」

豪はもう一度、試作機を見上げる。


「私どもも、あなたの安全は考慮して開発しますので…。」

豪は頭を抱えた。

その巨大な試作機は、ただ静かにそこに立っていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ