表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
神薙 ~日本神話×ロボット。怪獣を救う神機の物語~(50話達成!)  作者: さく


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
30/64

10話 選択 10-4

男は自らの浅はかさを呪い、どん底の気分に沈み込んでいた。

「終わりだ…。」

生きる価値がないと思う。


「もういい…。」

男は死んだ魚の目をしていた。


女の怯えた顔。

森や町の惨状。

戦闘機の残骸。


ゆっくりと身体を動かす。

怪獣も僅かに動く。


「まだ…動かせる。」

神機がこっち振り向いた。

攻撃する。

「終わらしたい」


「もう…殺してくれ…。」

男が力なく呟く。

その絶望に呼応するように、怪獣の根が激しく脈動する。




「やめろ!」

凪は叫びつつも、根を斬り、自衛隊のキャンプ地を背に守る。


「ここには、女の人もいるんだぞ!」

凪は守りきれないと悟り、盾を出す。

盾の裏で、攻撃を凌ぐ。


「ぐっ…!」

その時。

爆発音が聞こえる。


自衛隊が怪獣に応戦している。

「やめろ!その男には戦意がない!」

そうは言うも、攻撃は止まない。

被害が町に及ぼされるかもしれない。


自衛隊の選択も間違っていないとわかる。

しかし。

「くっ…!」

(このままじゃ…。)


凪は考えを巡らせる。




豪は攻撃を再開した怪獣に困惑する。

「女が出てきたから、終わりじゃないのか?」

豪は回避行動を取りつつ、怪獣を観察する。


喰われたのが女だったことを思い出す。

「まだ、いるのか?」

終わっていない。

そのことに気づくが先か。


爆発。


「味方がやられた!」

豪が悲痛に叫ぶ。


通信機から指示が入る。

「攻撃せよ!」

短い指示。

しかし。


(まだ中に人がいるんだぞ!)

ミサイルスイッチカバーを外す。

スイッチに指を置く。

指が震える。


「くっ…!」


「各機!攻撃しろ!」

豪はミサイルのスイッチを押した。




「そうだ…。もう終わらせてくれ…。」

男は自暴自棄になっていた。


「俺はいつもそうだ…。」


友達がほしくて、サッカーの中に入る子供の頃の男。

点を取らないといけないということに集中する。

味方からボールを受け取り、オウンゴールする。

味方の落胆の声。


仕事を頑張る大人になった男。

認めてほしくて、指示以上のことをする。

機械を壊す。

同僚からの冷たい視線。


「今回も…。」


女からの笑顔。

笑顔を向けてほしくて、守る。

女の怯えた顔。

頬を伝う涙。


「僕は…ダメな男だ…。」

その絶望に呼応するように、根が激しく脈動する。

怪獣は攻撃を続ける。




凪は悲しんでいた。


男は分かり始めていた。

自衛隊は人々を守るために戦っている。


どちらの気持ちも分かる。

しかし、色々なことが重なって、戦いになっている。


「やめろ!」

凪は無意識に叫んでいた。

神機を飛ばす。

剣を振り上げて、怪獣の胸を斬る。


「そこから出てこい!」

神機の腕を怪獣の中に突っ込む。

そして、手を差し出す。

「来い!」


ハッと澪が何かに気づく。

「その人、自分を終わらせてもらおうと思ってる。」

澪は悲しい顔をする。


凪は怒る。

「逃げるな!」


その時。


爆発が起こる。




豪は凪の叫びを聞く。

瞬時にスイッチから指を離す。

「神機…!」


神機が怪獣に向かっていく。

神機は怪獣を斬り、中に腕を入れる。

「何をしてる…?」


豪は旋回しながら、動向を探る。

「助けようとしてるのか…?」


神機の手の中に男が見える。

その時。


僚機から放たれた無数のミサイルが、神機へ向かって一直線に飛ぶ。

「やめろ!撃つな!」


無数のミサイルが神機と怪獣に降り注いだ。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ