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神薙 ~日本神話×ロボット。怪獣を救う神機の物語~(50話達成!)  作者: さく


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10話 選択 10-2

伏雷神は動向を観察する。

戦闘機が怪獣の周りを飛び回るが、捉えられない様子だ。

神機も辺りを警戒しているように見える。

時折、来る怪獣の攻撃をいなしつつ、反撃するも有効打にならない。


「ひゃひゃひゃ…。楽しくなってきましたよ…。」

伏雷神は不敵に嗤う。

戦闘機は善戦しているが、また一機爆発する。


「何故、手助けをする?

今のままで、十分と思うが?」

黒雷神が問う。

伏雷神はまた不敵に嗤う。


「もっと、悪意を生み出せるとしたら?」

怪獣中を見透かすように目を細める。

「悪意は多いほうが…御母様にも喜んでいただける。」


「愛ほど、美しい悪意はない……。」




女は怯えた様子で男を見る。

「大丈夫だよ。

君を怯えさせてる奴らは僕が倒すから!」

男は戦闘機や神機に攻撃する。


外から爆発音が響く。

怪獣の体が大きく揺れる。


「君は僕が守る!」

女は怯えているが、妙に冷静にもなってきた。

この状況を整理する。


(私は怪獣に食べられて、ここにいる。)

女は考えを巡らせる。


(この男は私のストーカー?

そして、今、怪獣の中にいる?)

混乱する頭をフル回転させる。


(さっきまで、感情的だったかと思えば、今度は私を守るという…。

何でそこまで…。)

男の瞳は真剣だった。

嘘をついているようには見えない。


女は祈る。

(このまま、刺激しないでおこう。

お願い…早く、助けて)




凪は剣を盾にして、怪獣の攻撃を防いでいた。

攻撃されるたび、コクピットに衝撃が走る。

「くっ…。何も見えない。」

凪は独りごちる。


「豪さん達は…。」

霧の中で赤い光が照らし出される。

無線から断末魔が聞こえる。


「また…!」

凪は奥歯を噛み締める。


「どうする…?」

凪は焦っていた。

会ったばかりとは言え、仲間がやられていく。

「くっ…!」


「凪落ち着いて。」

(でも…、どうすればいいか私も分からない)

澪も焦っている。

それは分かる。


考えるほど、焦る。

コクピットへの衝撃は増していく。


凪は目を瞑る。

深呼吸する。

胸の奥が熱くなる。


凪の意識が遠のいていく。


凪の体の中に血が流れているのを感じる。

周囲の音が遠ざかっていく。

その血の流れが龍となって具現化する。


その龍は威厳のある姿で凪を見る。

そして、神話の時代を思わせる男に変わっていく。

それはどこか懐かしい感じがした。


(わしの中で泳ぎよった罰当たりな坊主め!)

凪の脳裏に、御兄様の古墳の湖で澪と笑い合った光景がよぎる。

凪は恐れ慄く。

物凄い威圧感だ。


男は一息つく。

そして、ゆっくり目を開けて、凪を見る。

その目は凪を見透かしているようだ。


(澪を救いたいか?)

凪はその威圧に負けず、男を見て頷く。


(仲間救いたいか?)

凪の心が落ち着いていく。

そして、頷く。


(人々を救いたいか?)

力強く頷く。

「救いたい!」


男は変化し、神機に龍が絡み合っていく。

(わしの代わりに。)

龍の姿が揺らぐ。

澪の言っていた御兄様のイメージが凪の頭の中に現れる。。

(澪を頼んだぞ。)


「あれが…。」

凪は息を呑む。


神機が光に包まれていった。

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