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神薙 ~日本神話×ロボット。怪獣を救う神機の物語~(50話達成!)  作者: さく


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10話 選択 10-1

凪は神機の中で緊張していた。

「この状況…」

何故なら、神機の横に豪の戦闘機が並走していたからだ。

そして、後方には数機の戦闘機が追従していた。


怪獣の一報を受けて、同時に飛び出していったのはいいが…。

凪は出撃前のことを思い出す。



「これを。」

豪が凪に機械を渡す。

「これは…?」

凪は機械を見ながら、質問する。


「簡易型の通信機だ。

意思疎通できないと不便だろ?」

そう言うと、豪は戦闘機に走っていく。


「あ!」

凪は困惑する。

(こんなものもらっても困るんだけどなぁ…。)



凪はもらった通信機を見つめる。

「どうすればいいんだよ…」

その時だった。


「神機。神機。

応答せよ。」

通信機から豪の声がする。


凪は慌てて、通信機を取る。

しかし、使い方が分からない。


豪の戦闘機の方を見ると、豪が何やらジェスチャーしている。

凪は注意深く見る。

ボタンを押せと言っているようだ。


凪はボタンを押す。

「こちら神機。」

凪がそういうと、直ぐ様返答が返ってくる。


「よし。繋がったな。

これで連携が取れる。」

豪は淡々と伝える。

「情報によると、今度は人型らしい。

何かわかるか?」


(人型…?)

凪もよく分からない。


「その様子じゃ分からないようだな。

あの怪獣の中にも人がいるのか?」


凪は考える。

あの四足の怪獣と同じなのかを…。

「前回と同じなら、中に人がいるはずです。」


「どう救出する?」

豪は出撃前の質問が曖昧だったのを思い出す。

急を要する。

この質問で、何かヒントになればいいと思った。

しかし。


「分からない…。

でも、対話が必要だ。

それに…。」

食べられた女性のこともある。


「分かった。

俺たちが援護する。

お前たちは、人を救出することに集中しろ。」


凪は心強いと思った。

澪と顔を見合わせ、少し笑顔になる。


「いた!」

通信機から聞こえた豪の声が強張っている。


凪が正面に向き直る。

そこには、巨大な人型の怪獣が歩いていた。




「ナンデ…ナンデ…ナンデ…」

男の目は据わっていた。

男から生える根に悪意のエネルギーが濁流のように流れていく。


「だレモ…ボクを…アイシテくれない…。」

男の足が無意識に前に出る。

それに呼応するように、怪獣も歩き出す。


「ナンデだよ…いつも…イツモ…いっぱい…愛してるのに…。」

男は思い出す。


男は女との出会いから数カ月。

女に危険がないように、夜道、後ろから護衛していた。

近くに家を借りて、女に不都合がないように、監視もしていた。

女が困ればすぐに駆けつけるようにできていた。


女が食事を始める。

男も一緒になって、テーブルに料理を並べる。

窓の先にいる女に男は声をかける。

「いただきます」


女は思い出していた。


夜道で何度も感じた視線。

帰宅した時、誰かに見られているような気配。

窓の外にあった人影。


(まさか……全部、この人……?)


「ずっと…ずっと…守ってアゲタ…。」

男の頬に涙が溢れる。

「ボクが…ナンデ…。」


女は気づく。

今まで感じていた視線の正体を。




「デカいな…。」

豪は独りごちる。


人型怪獣は木々を倒しながら、森を歩いている。

体中を根が蠢いているが、人型。

さながら、巨人が歩いているようだ。


「各機!散開!」

どことなく、聞こえてきた声に神機の周りにいた戦闘機が散っていく。

怪獣の気を散らすように、怪獣の周りを飛ぶ。


怪獣は戦闘機を落とそうと腕を振り上げる。

そして、振り下ろす。

戦闘機は怪獣の攻撃に当たらないように回避していく。


「凪!今のうちに怪獣に取り付いて。

私が中を見てみるから」

凪は澪の指示に従い、神機を懐に入らせる。

そして、怪獣に触れた。




「うっとおしいなぁ…」

男は目の前の状況に苛立っていた。

まるでハエを払うかのように、手を払う。

それに呼応するように、怪獣が戦闘機を攻撃する。


「なんだ…コイツら…。」

苛立ち気味に両手を使い、払っていく。

その時、懐に入ってくる神機。


「コイツもか…!

どいつもコイツもボクのアイノスに入って…」

男は気づく。


「ぼくのコイジを邪魔するキダナ…!」

男は攻撃を激化する。


「わたさない…ワタサナイ…!」

怪獣の背中や脇腹から根が勢いよく生える。

そして、腕の形状を作り出す。

怪獣は6本の腕で攻撃し始めた。




凪は6本の腕からの攻撃を避けていた。

「くっ…!」

腕が増えたことで、神機も攻撃対象に入った。

凪は少ししか怪獣に取り付けず、焦っていた。


「凪。落ち着いて。

あの女性は無事。」

澪が凪を安心させるように言う。


凪はその言葉に少し安心するが、攻撃は止む気配がない。

避け続けるしかない。

「いたのは胸の辺りだよ」


「胸か…。豪さん!

胸です!胸に人がいる!

なので、腕を破壊することは可能ですか?」

凪は通信機に向かって叫ぶ。


「了解!」

戦闘機は散開し、上空に移動する。

神機も剣を抜く。


同時攻撃。

戦闘機はミサイルを発射し、腕を爆発させる。

神機は剣を地面へ向ける。

大地を這う根を断ち切ろうと駆ける。


「そうはさせないよ…ひゃひゃひゃ…」

伏雷神が祈ると、辺りが霧に包まれる。


視界が真っ白になっていく。

「何?」

凪の目に根が見えなくなる。

「根が見えない…!」


「これは…!」

豪は辺りを警戒する。


怪獣の攻撃。

豪の目の前で爆炎が霧の中で赤く広がった。

無線から悲鳴が聞こえて消えた。

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