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神薙 ~日本神話×ロボット。怪獣を救う神機の物語~(50話達成!)  作者: さく


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8話 禊 8-1

一際大きな雷鳴とともに現れる鳴雷神。

怪獣の残骸に近づいていく。

「ふふ…今回も良いわ…!」


女の悪意を十分に吸った種を二個回収する。

「黒のより良いわね」

鳴雷神は種にキスをして、地中に埋めていく。

埋めた種は地中に蠢くように根を伸ばしていく。


雷鳴。


「あら、伏

私の種を見に来たのかしら?」

鳴雷神が嘲笑気味に言う。


伏雷神は怯えた様子で言う。

「うん…。僕ももらったから…。」

手に握った種を見せる。

嬉しそうに不気味に嗤い、胸に抱える。


「いつも隠れて出て来なかったのに、どういう風の吹き回し?」

鳴雷神がさらに嘲笑する。


「いい悪意見つけたから…へへ…」

不気味に嗤う伏雷神。

「鳴のよりお、お母様、喜んでくれる。」

どこか怯えながらも勝ち誇ったように言う伏雷神。


「ふーん…じゃあ、次はあなたね。」

鳴雷神は腕を組む。


「うん。じゃあね。」

雷鳴。

伏雷神は消える。


「私…あの子苦手なのよね」

鳴雷神は両手で肩を抱きながら言う。


「しかし、あの子がやる気出すなんて…どんな悪意かちょっと楽しみね。」


雷鳴。


鳴雷神も雷鳴とともに消えていった。




豪は上層部から会議室に呼ばれた。

緊張した面持ちで、ドアの前に立つ。

深呼吸をする。


何故、呼ばれたかは分かっている。

先日見た、怪獣の中から人間が現れた件であろう。


正直言って、何も分からない。

説明できることもない。

見たことを伝えるだけ。


手先が冷たい。

どうして、こんなに緊張するのか。

操縦桿を握る時は震えないのに、こういうのは苦手だった。

戦闘機に乗ってる方がいいとすら豪は思っていた。


意を決して、ドアをノックする。

中から返事が返ってくる。


「入ります!」

腹から力を入れて、叫ぶ。

自分の緊張を吹き飛ばすように。



豪は入室後、所属と階級を叫ぶ。

部屋にはコの字に並んだテーブル。

壁には大きなモニターが掛けてある。


椅子に掛けるよう促される。

豪は中央にあるイスに着席する。


モニターの電源が入る。

神機が女を受け止める映像。

豪が撮った映像だ。


「君はこれをどう思う?」

抽象的な質問だ。

豪はこういう質問は苦手だった。


「人間の女性であります!」

明らかに眉間にしわが寄っているのがわかる。

さらに指先が冷えていく。


「そういうことではないよ。

どうして、この怪獣からこの女性が出てきたかだよ。」

その質問はされるだろうと思っていた。

しかし、分かることはない。

嫌な汗が背中を伝う。


「私には認知していません!」

腹に力を入れて言う。


「そうであろうな…」

なら、何故聞く?という言葉を飲み込む。


「ここ最近、怪獣の被害が増えている。」

モニターに各地の被害映像が映し出される。


「そして、この神機が現れるようになった。」

神機の戦闘映像が映る。


「我々は早々に怪獣への対抗手段を持たねばならない。」

豪は黙って映像を見る。


「先日の調査で、あのロボットの一部構造を確認できた。」

画面が切り替わる。

神機の解析画像が映し出される。

「完全な再現は難しい。

だが研究チームは試作機の開発を進めている。」


「そこで貴官だ。」

豪の背筋が伸びる。


「貴官には、この試作機のテストパイロットを命ずる。」


は?という言葉が出てきそうになる。

戦闘機しか乗ったことがない。

豪のセンスを見込んでなんて言ってるが、心の中で悪態をつく。


豪は敬礼する。

「了解しました。」


そう答えながらも、心の中では別のことを考えていた。

(戦闘機ですらないものを、本当に飛ばせるのか…?)


その時、慌ただしく軍人が入ってくる。

「何か?」

軍人は敬礼する。


「先ほど、ロボットが出撃しました。」

軍人が緊張気味に報告する。


「また、怪獣が現れたのか?」

軍人に確認する。


「いえ!

怪獣反応は確認されていません!

しかし、ロボットが自発的に出撃した模様です!」


(何が起きている…?)

豪はここから起きることの不安に押しつぶされそうになっていた。




凪は神機に旅行バックを積んで、澪と出かけていた。


数日前。


「神機も前の戦いでボロボロだね…」

凪は石像に戻った神機に触れて言う。


「うん…」

澪も悲しそうに相槌をうつ。


「そういえば、神機の修理ってどうするの?」

凪は素朴な疑問を澪に投げかける。


澪は遠くを見つめる。

「みそぎの湖というものがあってね。」

澪は思い出す。

「綺麗な湖なんだ。」


「へぇ~。そこにいけば、直るの?」

澪は凪を見て頷く。

「どこにあるの?」

凪が聞くと、澪の顔が複雑な表情になる。


「大丈夫?」

「うん。御兄様の…お墓参りって言うんだっけ?

するのもいいかもね。」

凪は少し後悔した。


「凪が気に病むことないよ。

神機も治してあげないといけないしね…。」

澪は寂しそうに笑う。

凪はその表情に胸がチクッとした。


現在


「こっち良いんだよね?」

澪はうんと頷くが、外の景色を眺めていた。

凪にも分かる。


乗り越えたとは言え、御兄様の墓。

思うところがあるのだろう。


「あ…。着いたよ。」

澪が小さく声を発する。

澪が眼下の景色を見て、懐かしそうにしている。


凪も澪の見ている方向に目を向ける。

そこには、大きな湖と傍らに大きな古墳があった。


凪はその光景に見とれてしまった。

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