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神薙 ~日本神話×ロボット。怪獣を救う神機の物語~(50話達成!)  作者: さく


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7話 愛の中の怪獣 7-2

地中深く、怪獣の鼓動が鈍く響く。

その怪獣の中で女は憎しみを募らせていた。

暗闇の中、鈍く光るパソコンを凝視している。


『謎のロボット大活躍!怪獣を退ける。』


「クソっ…!クソっ…!」

女は何度も膝を叩く。

「まただ…!あいつだけ…。」

血が出るほど唇を噛む。

「私は注目されないのに…!」


『調査は難航しているもよう』


「そんなに注目の的になりたいのか…!」

女の脳裏に勿体ぶる同級生が過る。

「あいつもそうやって、男の子の中心にいた…!」

爪を噛み始める。


「私だけ…!」

その時、根が蠢き始める。

悪意の流入が倍になる。

憎しみが膨らんでいく。


自分だけ増えないフォロワー。

自分だけ孤立して、馬鹿にする時だけ近づいてくる同級生。

自分の男を奪った女。


「あああああ!

憎い…!憎い…!」

さらに根の蠢きが活性化していく。


「何で…私だけぇ!」




鳴雷神は上空から大型怪獣が吸い込まれていった大穴を眺めていた。

辺りでは怪獣の調査チームが忙しなく動いている。


「ふふ…そろそろかしら?」


大穴の中に雷が落ちる。

雷鳴が響き渡る。

地響きが鳴る。


人々が慌て始め、逃げ惑う。

鳴雷神はそんな人間に目もくれず、怪獣を見ていた。

「可愛い。あんなに憎しみを募らせちゃって。」


大穴から根が這い出てくる。

そして、小型怪獣が湧き出てくる。

その先には大型怪獣。


大型怪獣の変容の様は悍ましかった。

前回よりも大型化し、大量の小型怪獣を生み出している。


「今回はどうなるかしら?」

鳴雷神は舌なめずりをして、愉快に嗤った。




怪獣出現のサイレンが鳴る。

そのサイレンも音を聞き、調査隊は散り散りに撤退し始める。


轟音。

戦闘機が何機も編隊を組んで、現れる。

大穴から這い出る怪獣に攻撃していく。


尾翼からミサイルを発射する。

ミサイルは小型怪獣に当たり、爆発する。

しかし。


「なに!?」

パイロットは驚愕する。

爆発で損傷した部分が見る見るうちに治っていく。


小型怪獣の攻撃。

幾重もの根が戦闘機を襲う。

戦闘機は回避行動に移るが、根に当たって、撃墜されていく。


「前回より強い!」

パイロットは回避行動をしつつ、応戦する。

地上では、戦車も配置につき、応戦している。


「くっ…!」

小型怪獣の根が次々と襲いかかってくる。

回避行動で精一杯だった。


「どうする…!?」

ミサイルは効かない。

根の攻撃は激しさを増す。

戦闘機がまた一機、炎を上げて墜落した。




「ああ…!?」

凪は戦闘機が落ちていくところを目の当りにした。

自衛隊でも、対処できないくらい変容しているのが、一目で分かる。


凪と澪は怪獣が消えた大穴から現れる大型怪獣を見る。

大型怪獣も以前より禍々しい変容をしていた。


「前と違う。」

共に驚愕して顔を見合わせる。


「行こう!」

澪はゆっくり頷く。


勾玉を胸に持っていき、目を瞑る。

(やれることをする…。)

色々な思いが通り過ぎては消えていく。


御母様。

御兄様。

町の人々。


託されたものに誓う。

澪はゆっくり目を開けていく。

その目には決意がこもっていた。


凪はその姿を見て、心に決める。

手を澪に差し出す。

「俺もやる。」


澪はその言葉に心が満たされていく。

「ありがとう!」

勾玉を持った手を凪の手に重ねる。

勾玉が琥珀色に淡い光を放つ。



町に横たわる神機。

自衛隊と調査隊が慌ただしく行き交う。

誰も気づかない。

その時、神機の瞳に、静かに光が宿った。

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