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神薙 ~日本神話×ロボット。怪獣を救う神機の物語~(50話達成!)  作者: さく


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6話 愛の歪曲 6-1

澪は木の根元に座っていた。

ここに来ると、御母様に抱かれているようで安心感がある。


あの日、怪獣が現れて、世界は変わった。

各地に怪獣が現れるようになって、澪たちだけでは対処しきれなくなっていた。

澪たちが対処しきれない怪獣は自衛隊が対処してくれている。

しかし。


澪は膝を抱える。

「中にいる人たち…自衛隊の人たちも…」

ゆっくりと俯く。

「大丈夫かな…?」


(もっと早く対応できていれば…)

その言葉を凪が言っていた。

凪も苦悩している。


「はあ…」

小さく溜息が出る。

澪は思い出していた。


守り人を死なせてしまった、あの日のことを。




あの日、澪と守り人は怪獣の対処をしていた。


「くっ…!」

守り人の神機は怪獣を斬り伏せる。

怪獣を倒した守り人は英雄のように讃えられていた。

それに答えるように腕を突き上げる。


その後、澪と守り人は焚き火を囲んでいた。

「このままでは、埒が明かん。」

怪獣の数は日に日に増していた。

「しかし、御兄様…どうすれば…」

澪が守り人にすがるように聞く。


「大元を叩く!」

守り人は力強く澪に向かって言う。


「まさか、大穴に?」

「そうよ!」

心配そうに聞く澪に、守り人は答える。


「それは危険です!」

澪は反論する。

澪は人間を守ることも大事だが、御兄様にも死んでほしくなかった。

「戻れないかもしれない…。」


「でも、行かねばならん。」

守り人はもう一度、力強く言う。


「人々のために!」

澪はその力強さに安心感を覚えつつも、心が晴れなかった。

しかし、何も言うことができなかった。


数日後。


「これが大穴…」

澪は神機の中で息を呑む。


「行くぞ!」

守り人の神機が先に大穴に先行する。

続いて、澪の神機も入っていく。


中にはうじゃうじゃ怪獣が溢れていた。

2機の神機は、怪獣を斬り伏せ、最下層まで突入していく。


そこには、次々と生み出される怪獣がいた。

「これは…!」

守り人も息を呑む。


「あれが原因か!」

守り人の神機は、一際大きな根に取り付く。


「何…!」

守り人の神機は、貫かれた。


「御兄様ぁぁぁ!」


「御兄様…あの時何を見たの?」

澪は涙を止められなかった。




凪は木の根元で寝ている澪を愛おしそうに見ていた。

子供のころは、年上のお姉さんみたいに思っていた。

しかし、姿が変わらないのも相まって、今は妹みたいにも見える。


凪は起こさないように、静かに掃き掃除に戻ろうとしていた。

「ん…。」

澪が目を覚ます。


「寝ちゃってた?」

一拍おいて顔を上げる。

「凪…。」

凪はアタフタした様子で、澪の前にいた。


「ごめん!」

凪が謝る。

「起こしちゃった?」


心配そうに見つめる凪に微笑み、首を振る。

「寝てるところ初めて見たかも」

凪が冗談めかしていう。


「ふふ…」

澪は微笑む。

そして、寝たのは何時以来だろうと思い返す。

この体になってから、寝た記憶がない気がする。


「夢を見てたの…」

「夢?」

凪は目を丸めて、聞き返す。


「最近、怪獣が多いでしょ?」

視線を落とす。

「だから…」

澪が膝を抱える。


「見ちゃったの、御兄様の夢」




「…そんなことが…。」

凪は静かに聞いていた。


「御兄様が何を見たのかわからない。

けど、」

(御兄様はその隙を突かれて…)

澪は俯く。


澪を横目に見て、心配になる。

「今の状況が似ている?」


澪は静かに頷く。

何かが起きている。

あの時のことが頭をよぎる。


「凪…、凪は…。」

言いかけて止まる。

その先を言えば、そのとおりになってしまいそうな気がしたからだ。


「澪ちゃん…。」


突然、サイレンが鳴る。

最近、つけられた怪獣が出現したサインだ。


凪は澪と顔を見合わせる。

「行こう!」

2人は立ち上がり、神機の元に駆けた。

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