表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
神薙 ~日本神話×ロボット。怪獣を救う神機の物語~(50話達成!)  作者: さく


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
13/64

5話 悪意の結末 5-2

男は身体に、衝撃を受ける。

「がっ・・・!はっ!」

あまりの衝撃に一瞬息が止まる。


「あいつ・・・!」

男は機神を見やる。

先ほどの衝撃からか怒りが収まっていく。

しかし、感情は高ぶり、落ち着かない。


男は無意識に腕を上げる。

その瞬間、怪獣の根が唸りを上げて伸びた。

次々と機神に放つ水攻撃。

怪獣が暴れている。

男も自分を傷つけた機神を倒そうとしている。


「うああああああ!」


一瞬、冷静になる。

「あれ?俺って・・・なにしてるんだ?」




凪は攻撃を避けつつ、怪獣の様子を見る。

「なんだ・・・?」

怪獣からの勢いが収まっている。


「あの人の怒りが収まった?」

澪が怪獣を見据えて言う。

「今ならあの人の心に届くかも」


凪は怪獣を見る。

心を落ち着かせ、澪との過去を思い出す。

「解放・・・」


凪はゆっくりと目を開き、機神を動かす。

「おい!あんた!攻撃をやめろ!」


「え?凪・・・!?」

澪は驚愕の表情を見せていた。


凪は機神で一つの根に斬りかかる。

怪獣の咆哮。

怪獣が機神に向く。


凪はニヤリと笑う。

怪獣がこっちに気を向けた。


「あんた! 言いたいことがあるんじゃないのか!」

正直、どんな声掛けをすればいいのかわからない。


(俺の不器用な頭でこの人を解放させるには・・・)

怪獣の攻撃は避けつつ、根を斬っていく。


「怒ってるんだろう?」


一息置く。

「ため込むな!全部吐き出せ!」




機神から声が聞こえる。

男はその言葉を聞いて怒りが込みあがる。

「知った風なことを!」


怪獣の攻撃を激化させる。

「俺は・・・俺はな・・・!」


(口答えするな!)

幼少期の両親が頭に浮かぶ。


(口答えするな!お前は俺の言うことを聞いてればいいんだ!)

上司の顔が浮かぶ。


両親と上司が重なっていく。

男は逆らうということができなかった。


服従する。

それが男の処世術だった。

そして、心を隠すようになった。


(怖い・・・怖い・・・)

心を見せるのが怖い!


「ああああああああ!」

怒りと怖さが混ざっていく。




怪獣の猛攻を切り伏せつつ、凪は怪獣の中の声が聞こえた気がした。


「そうだ!吐き出せ!」

凪は怪獣を見据える。


「あ・・・」

澪が息を吐くような声が聞こえる。


怪獣が泣いている。

そして、怪獣から声が聞こえてくる。


「お前に俺の何がわかる?」

一瞬怪獣の咆哮が止む。


「俺はな・・・あああああああ!」

怪獣の攻撃が増していく。


凪は必死に根を切り伏せていく。

「そうだ!あんたのその心のうちにあるものを話せ!

俺にぶつけろ!」




男の頭の中はぐちゃぐちゃだった。

何も整理がつかない。


自分の心の内を話したことがない。

言い出したくても言葉が出ない。

しかし、怒りがこみあげてくる。


両親の顔が浮かぶ。

「俺はどうすればよかったんだ!」

男は無意識に叫んでいた。

「逆らうなと言われ!親の敷いたレールを走らされて!」


上司の顔が浮かぶ。

「あいつだってそうだ!逆らうなっていったんじゃないのか!?」

涙が無意識に溢れてくる。

「なのに!意見を求める!意見すれば怒られる!」


部下の顔が浮かぶ。

「逆らうなって言われたんだ!従順でいて何が悪い!」

とめどなく、涙があふれる。

「俺は従ってきたんだ!何で好き勝手言えるんだ!」


顧客の顔が浮かぶ。

「俺は逆らうなと言われて育って、自分の考えを捨てた!」

涙を流し冷静になっていく。

「なのに、社会に出たら、意見を求められるなんて・・・」


さらに怒りが落ち着いていく。

(あれ?こんなに泣いたのいつ以来だっけ・・・?)

両親に泣き暴れる男の過去を思い出す。

両親の失望の顔。

その顔が思い出される。


(そっか・・・あの時・・・涙も捨ててたんだな・・・)

冷静になっていく。


正面を見る。

機神がこちらに手を出しているのが見える。

男が手を差し出していく。


目の前が光出し、あふれていく。




「あれ」

澪の指さす先で怪獣の腹が開いていく。

怪獣は沈黙している。


凪は怪獣の腹に近づいていき、機神の手を伸ばす。

怪獣の腹から、男が出てきた。

凪はその男を機神の左手で受け止める。


「はあ・・・」

凪の息が漏れる。

許された感覚がした。


「凪・・・終わらせよう?」

そっと、肩に触れられる澪の手。

ぬくもりを感じて、安心感が出る。


「うん」

凪は男を山の麓に降ろし、飛び上がる。

剣を両手に持たせる。


「はああ!」


一閃斬り


怪獣は縦に真っ二つに割れていく。

そして、静かに崩れていった。


「凪・・・?」

凪は静かに泣いていた。

「よかった・・・。」

澪は静かに寄り添ってあげていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ