空気を読んで発言して!
私はボックス席にて、ユグノアさんから説教をくらってる。かれこれ1時間だ。
エルフは我関せずで干した芋を食べている。食べ物があるなら来ないでよ…。
「エンシェント、コヤツは馬鹿なのか!エリクサー並の食事が出せるのに、イマイチ危機感がない!」
「じゃから、儂等ドラゴンの領主が契約し、儂が寝泊まりしとるんじゃ」
「過保護だろ…それ」
「人間が唯璃を手に入れたらどうなる。まず初めに…エルフとドワーフはいなくなるじゃろ。次に獣人族…儂等ドラゴンじゃな。
それを無くすため、契約したのもあるが、儂等ドラゴン全員の傷すら治してくれたからのぅ。ハンバーガーも美味いが、蕎麦も美味い。
それに、唯璃の傍は居心地が良いからの」
シルバーさんの【唯璃の傍は居心地が良いからの】のセリフに、私は自然とぶわりと熱が上がり、顔を両手で覆う。耳まで熱い!
「え!あんた、エンシェントが好きなの?まじ?いつから?いつから?」
『へ?』
「ドコが良いの?ねー!教えてよ!何なら、エルフが使う香水あげるわよ!エンシェントだってメロメロメロンよ!」
『あ、あの…』
「いや~ん、早く話して!若い娘の恋話、大好き!」
『お、落ち着いて!黙って!私がシルバーさんを?』
「エンシェント、こう見えてムッツリよ…紳士ぶってさ!気をつけなさい!紳士なんて建前なんだから!」
『ムッ…へぁっ!』
「や~ん、更に真っ赤!カワイイ!そうよ…ムッツリよ!湯浴みは気をつけなさい!襲われちゃうわ!」
シルバーさんに襲われる…シルバーさんが…私を?
『は…はひ〜〜…』
想像したら私は一気にのぼせ上がり、バタンと倒れた。
ユックリ目を開ければ、ユグノアさんがコーヒーを飲みながら、私が起きたのを確認すると困ったように笑う。
「済まないな。アイツは恋愛だのが好きなやつなんだ。
でだ…まー…何つーかよ、唯璃はエンシェントが好きなのか?」
『好き…なのかな…。素敵だなと思う。大人の余裕とか、でも…いや、うーん』
「どうした?」
『言われて気付いた形です』
「まじか…それは…すまなかったな…」
言って良いのか分からないし、言うことを本能的に駄目だと警鐘を鳴らす。
多分、私が人間で相手がエンシェントドラゴンだからだろう。異種族は体に流れるDNAが拒絶する。それは、姉妹兄弟もだ。本能的に拒絶。当たり前だ。
「どうした?」
『何でもないです』
「…アンタの世界はどうか知らんが、この世界では異種族結婚なんざ当たり前だが?」
『そうなんですか?』
それでも警鐘を鳴らし、拒絶するのは、私が異世界から来たからだ。
こちらのDNAと、全く違うからだと思う。
「兎に角、エンシェントも下にいるから行くか?」
私はその問いに頷く事は出来ず、ただ俯くだけだった。
あんな形で、私すら気付かなかった気持ちをバラされ、腹も立つしエルフには会いたくないのが1番だ。
しかも謝罪すらない。エルフは常識がないのかな。ムカつく。
「唯璃入るが良いか?」
『ユグノアさん?どうぞ』
神妙な顔をしたユグノアさんが姿を表し、ユグノアさんが話してくれたことにヤバイと感じ、急いで皆がいる場所に向かった。
「今回の話について、エンシェントが怒り狂い、エルフ族を一網打尽にしてやると騒いでいる!」
『なぜ!』
「契約した主人をバカにされたと思ってるんだ、エンシェントは。
良いか、エンシェントに限らずドラゴン族は忠誠心が強い。主が絶対なんだ。
その主が、気分を害し、悲しむようなことをしたエルフの長が許せないんだ」
『面倒くさい!空気読んで!』
「はぁ〜…良いか、グリーンもエンシェントに次いで厄介だ。まだグリーンじゃないだけマシだ。グリーンだったら…エメラルド・デ・エメラルデだったら、グリーンドラゴン全てを引き連れ…エルフ領を問答無用で潰しているぞ」
『……とりあえず、下に行きますか』
「頼む…」
『「はぁ〜…」』
読んでいただきありがとうございます。
誤字脱字、感想などよろしくお願いします。
今日から明日13時まで読み直し修正をします。
こうしたら良いよ、など気付いた点がありましたらお願いします。




