39話 破滅へと傾いていく
王都での反乱。そして、魔獣騒ぎ。
それらは騎士達の決死の足掻きにより、収束へと確実に向かっていた。
だが、それらは全て操られたものでしかない。
見えない糸に絡めとられ、傀儡として舞台を踊り狂っていた。
そして、そんな劇に抗うように。
動き始める影があった。
全身に裂傷を負っているガイウス、そして反乱を収束したレイ、シモン。
その背に背負われ、黒髪の少年シュウとシルヴィアの唯一の使用人ミル。
彼らは一つを目指して動き始める。
『英雄』の後継者、シルヴィア・アレクシアとの合流。
また、彼女も彼らとの合流を目的に歩き始めていた。
運命に抗う希望達は未だ詰まれてない。
そして、王都近くの農村に王国の最高戦力の一翼──五人将が勢ぞろいしていた。
歴戦の猛者、ヴィルヘルム・ガウェイン。マーリン・エルステッド。
五人将の重鎮。
15年前の戦争を生き抜いた本物の実力者である。
もう一人はアルベルト・トリスタン。五人将を担う若き精鋭だ。
彼らは王都を目指し、前進していた。
──キャストは揃いつつあった。
王都で蠢く影があった。
それは確実に死んだ者達の体だった。
世界を絶望に叩き落す者たちの目覚めだ。
希望は失われ、絶望は跋扈する。
最悪の未来は既にそこまで迫っている。
まるで世界が破滅に包まれたあの時のように、壮大な鐘の音が死者への賛美歌を奏でているように聞こえてくる。
──これは絶望の、始まりだ。
短くてすみません。




