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黒色の月の下で-奇怪  作者: 亡久むふ
人類感情暴走理論

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5/7

粒子

 存在しない筈の水が飛沫をあげる。

女の子は馬の前まで迫っていく。

"わはっ!人だと思ったら悪霊!

楽しめそぉ〜じゃの。"

馬の魔物は楽しそうな声を出しながら、女の子目がけ突進しだす。

突進する馬の衝撃波で地面が抉れ、建物が倒壊する。

〝癌発 甘味儡 水殺針〟

馬の真下に一個の飴玉が落ちる。

飴玉の落下点で無いはずの水が再度飛沫を上げる。

飛沫の中から水の棘が生え馬の腹部を貫く。

"ほぉ〜!良い力だな!でも。ものたりぬぞ!"

馬は明るく言うと、後ろ足で地面を蹴り女の子へ距離を詰めようとする。

馬が女の子に触れる寸前。

水棘による傷跡を軸に身体が溶け出す。

溶け出し始め数秒後、馬は完全に溶けて消えていった。

 [来るよ!次の魔物が。]

少女が女の子へ伝える。

それと同時に鳥の魔物が突進してくる。

鳥が翼を振るうと同時に女の子と少女目がけ瓦礫が飛ばされる。

[無駄。]

少女が瓦礫を指さす。

〝眼複時隷 斑狩《はんか》〟

少女の術で地面に出現していた黄色い眼球が瞬きをする。

直後、眼球が破裂し血液が辺りに飛び散る。

血液の真上を鳥が通ると、血液は鋭く尖る針へと変わり、無数の針が鳥を襲う。

鳥は地面へ落ち、粒子の残骸へと変化した。

[帰るよ。]

少女が女の子へ問いかける。

[分かったよ。]

女の子は頷く。

そして二人はその場から去っていった。

 クロと銀は魔物を探し瓦礫の上を歩き回る。

"人みっけ!突進!"

何処からか嬉々的な声が聞こえる。

二人は辺りを見渡すが声主を視認できない。

突然瓦礫が砕け、羊型の魔物が姿を見せる。

そして、羊は自身の羊毛に包まりクロめがけ突進してくる。

「下がっててね銀ちゃん。

あと…もしぼくの霊気が尽きたら介護よろしく!」

〝憑霊 無 闘気攻戦〟

クロの拳が突進してくる羊に激突する。

拳がぶつかると同時強大な衝撃波が辺りに放たれる。

羊は跡形もなく散っていき、積み上がっている瓦礫すらも消えていく。

 衝撃波が止むとクロは膝から倒れ込む。

「大丈夫?」

銀がクロの傍へと駆け寄っていく。

「無事!ギリギリだけどね。」

クロは銀へ微笑みかけた。

 二人はホテルへ戻ろうと歩み出す。

一歩踏み出すと、散ったはずの羊の粒子が何処かめがけとんで行く。

「行こう!」

クロは銀の手を引き粒子を追いかける。

粒子は都市の中心で集い始める。

"顕現 50% 情緒連綿"

粒子の内部から少女の声が聞こえる。

数分後、粒子は焦茶色の髪と緑眼を持つ少女へと変化した。

"連綿って呼んでいいよ。"

粒子から出た少女は小さく微笑んだ。

5話を読んでくださりありがとうございました!

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