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『光と陰ースピンオフ冒険譚』: ストレンジアトラクター『光と陰 いざ魔法世界へ!』  作者: 三海怜


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第63話

魔法世界に冒険者として生きる孤児であり主人公スタンリー・ケンプ。

そこに生きる人々の様々な些細な行動がまるでバタフライ・イフェクトのように世界を変えていく。


この物語のテーマとなる『ストレンジアトラクター』とは、難しくいうと・・・

カオス理論の研究の中で発見された奇妙な挙動を示す微分方程式の状態の総称のこと。

つまり動的システムが時間とともに発展する際に、予測不可能 で複雑なパターンを形成する現象を指すのです。


そんな泡沫の世界で生きるスタンリー・ケンプ

彼の目を通してその冒険譚を進めていきたいと思います。


また本編である『光と陰ー織りなす夢の形』のスピン・オフとして、本編シーズン4の最後と繋がる物語となりますのでお楽しみに!

爆発音と共に艦内には激震が走った。

「強力な電気ショックを受けました!」

「電気系統がショートです!」

艦内が真っ暗になった。発電タービンが止まったようである。

すると、ロロが「ラグナル、やばいぞ!もう1発くらったらこの艦もやられるぜ!!」と叫んだ。

「シールドを張れ!!」

「艦長、シールドも起動しません!」

「なんだと!!」


「・・・・」ラグナルは考え込んでいた。

すると、ロロが、「補助エンジンはまだ動くと思うぞ!」と助言した。

「補助エンジン全開!全速力でこうたーい!! 後退だ!!」

その号令は伝わり補助エンジンは稼働した。


バルドリック艦では、

「やったぞー!! 命中したぞー!!!」

「おー!!」艦内全員から歓喜の声が上がっている。

「よし、ここで仕留めるぞー!! 第二攻撃準備!!」

魔導師による第二攻撃の準備に入った。

「敵、後退しています! 座標がずれます!」

「再度、シミュレーションしろ!」

「了解です!」


そもそも急場での魔道砲到達範囲ギリギリの距離からの発射であったため、敵の急速な後退にて射程圏外となってしまったのである。

「艦長、如何しますか?」

「ここまで来たんだ!! 射程圏外でももう1発発射するぞ!!」

「発射準備!」


ロロが、「ラグナル、もう1発くるぞ!!」

「ああ、わかってる、面舵いっぱい!!」とラグナルが叫んだ。

母艦が動き始めると、再度前方から魔道砲が飛んできた。

今度は咄嗟の方向移動により幸い艦の防御壁にかすっただけであった。


「ハーラル達を待っているとこちらがやられるぞ!!」とロロがまだ叫んでいる。

「致し方ないか・・・奴らはどうにか生き延びるだろう。一旦退却だ!! ワープできるか??」

「タービンが復活し電気系統が一部復活しました。」

「その電力を全てワープに充てろ!」

「アイアイアサー!」

「メインエンジン稼働しました!ワープできそうです!」

「ヨシ!速攻で行けー!!」


3発目の魔道砲を準備中に宇宙海賊の母船は消え去ってしまったのだった。


「消えたのか!?」とバルドリックが半信半疑で静かに言うと、

艦内から「敵母艦レーダーから消失しました。」との声が上がった。

「奴ら逃げたか・・・」


すると、この一連の戦いを静かに見えていた、レオンのテレサ姫が、

「敵はワープしましたね!」と言った。

「ワープ?」

「はい、宇宙空間のひずみを利用して瞬時に目的地に移動する、言わば瞬間移動のことです。」と説明した。


「そんなことどこで覚えたのだ?姫?」とバルドリックは驚いている。

「はい、我が国には天文学研究に長けた学者が多数おりまして、それを発見したものがおります。

実際目にしたのはもちろんこれが初めてですが、逆を言うとその学者の学説がこの事例を持って証明されたことになります。これはある意味素晴らし体験でした。我々もワープが可能なのです!!」と目が輝いていた。


「なるほど!そう言うものが存在するのか? 後ほど詳しく聞かせて頂きたい。」とバルドリックが言うと、この戦闘の成功と宇宙海賊の母艦が逃げたことを艦内にも伝達した。


空間移動後いきなり開戦となり、ろくに訓練もしたこともない状況であったのだが敵に大ダメージを与えたことを誇りに思った乗組員は歓喜に沸いている。

「やったぜ!! これでおしまいか!?」

「しかし、宇宙って本当に存在したんだな? こんな暗くて何もない空間があったんだな?」

「何もなくはないぞ! あれ見てみろよ!!」と自分たちが住んでいる惑星を指差した。

「あっ あれは俺たちの星なのか? 綺麗に青く輝いてるぞー!!」

「そうだ!僕たちの星だ! こんな風に見えるんだな〜 綺麗だな〜!!」と乗組員がその光景に感激し涙ぐんでいる。


この宇宙船は宇宙空間への転移が成功し尚且つ海賊を蹴散らすことができた暁には、

あとはテレサ姫の宇宙空間研究チームだけが残る手筈となっているのだ。


「バルドリック王子、ありがとうございました!これで帰還できますね?」

「ええ、でも、あなた方のチームだけで問題ありませんか?」

「運行チームと戦闘員は1チームのみしか残りませんが。それに帰りはフリーダがいませんので、

この脱出ポッドで大気圏に向けて下降することになります。ものすごい重力がかかると聞いています。帰還する際にはくれぐれもお気をつけて!」

「はい、ご心配いただきまして有難うございます!問題ございません。今からが私たちの役目なのです。」と意気揚々と答えた。







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