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『光と陰ースピンオフ冒険譚』: ストレンジアトラクター『光と陰 いざ魔法世界へ!』  作者: 三海怜


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58/62

第58話

魔法世界に冒険者として生きる孤児であり主人公スタンリー・ケンプ。

そこに生きる人々の様々な些細な行動がまるでバタフライ・イフェクトのように世界を変えていく。


この物語のテーマとなる『ストレンジアトラクター』とは、難しくいうと・・・

カオス理論の研究の中で発見された奇妙な挙動を示す微分方程式の状態の総称のこと。

つまり動的システムが時間とともに発展する際に、予測不可能 で複雑なパターンを形成する現象を指すのです。


そんな泡沫の世界で生きるスタンリー・ケンプ

彼の目を通してその冒険譚を進めていきたいと思います。


また本編である『光と陰ー織りなす夢の形』のスピン・オフとして、本編シーズン4の最後と繋がる物語となりますのでお楽しみに!

防御目的のため神聖教会の教会上にも結界が張られることになった。

王都内数カ所の公的機関の上に結界が張られるという防御策の一つなのだ。


そして、その流れで防衛準備のため王立騎士団と魔道部隊が礼拝が行われている神聖教会内にも侵入してきたのだった。

すると、教会を守る衛兵がそれを阻み押し問答が始まった。


その現場に颯爽と第一王子のフリードリッヒが現れたのだ。その横には騎士団のアルベルトも立っている。

「皆の者、静粛に! 宇宙海賊の襲撃が予想されている。よって王都安全上の目的でこの教会施設も保護対象となった。

今から王立騎士団と魔道部隊が対処するので道を開けてもらうぞ!」と言って騎士団に囲まれた王子が、教会衛兵達を押し戻し、礼拝堂を囲む陣形で包囲網を張ったのであった。


「信者たちは一体これから何が始まるるんだろう?」という不安な表情で黙って見守っていた。

すると、フリードリッヒ王子とアルベルトがサービス中の教皇の前に立った。

「神聖教会 アレクサンデル教皇。バハマート帝国と結託し魔族を導き入れ、またアデリナ一行の暗殺を図り、奴隷交易にも加担していた証拠を押さえた。よって、現時点で市民権を剥奪し地下牢に収容する。」と声高々に宣言すると、アルベルトが拘束魔法の輪でアレクサンデルを拘束した。

「それは何かの間違えじゃ!! 国王は何を考えておる!! これは神聖協会に対する冒涜と侵略行為である!」と叫びながら抵抗していたのだが、ついに騎士団に囲まれて連行されてしまったのだった。


騎士団が去った後、そこには王立魔道部隊が常駐した。反乱が起こった際には対応できるようにである。そして、信者達も何が起こったのか?あまり理解が進まないまま教会の外に出されてしまった。

また拘束された教皇のアレクサンデルは神出鬼没との噂があるため、地下牢の独房に外には出られない結界にて閉じ込められることになった。


「お兄様!驚きました!! 潜入していたエミディオが証拠を掴んだことは知っていましたが、このどさくさに紛れて決行するとは!? 流石でございます!!」とこのいきなりの捕物劇に驚きアデリナが駆け付けたのだった。


「いや、これは側近のアルベルトの妙案だったんだ。確かに礼拝中に敵の襲撃の防御という名目で事を起こせばうまくいくと確信したよ。奴が逃げられないようにすぐに魔法輪で拘束し、独房に結界を張ったからとりあえずは大丈夫だと思う。今は、魔道部隊には監視の一環として奴の側近をあぶり出し見つけ次第拘束をお願いしているところだ。」

「これでしばらくは魔族の侵入は無くなりますね! ありがとうございます!」

「それと、同時にシャルロットも拘束したから東の塔に幽閉するつもりだ。お前もこれまで命を狙われ大変であったな!」

「いえいえ、王国のためですので! では、シャルロットの対処も宜しくお願い致します。」


その晩、アデリナ姫の館の謁見の間でスタンとフリーダが見守る中エミディオが呼ばれた。

「でかしたぞ!エミディオ! 大義であった!」とまずはアデリナが謁見の間に座し王女のように激励した。

「いやー バレないで済んでよかったですよ!俺が関係していたことはくれぐれも内密にお願い致します、姫!」


スタンが、「何が決め手だったんですか?」と聞くと

「俺が接触していた担当の司祭がシャルロット姫の情報を得てそれを教皇に伝え、教皇の命令でバハマート帝国に連絡を取っていたという会話を録音できたんだ。運が良かったよ!」

フリーダも「これで神聖教会も普通の教会になってよくなるといいのですがね!」と案じていた。


「では、エミディオ、約束通りキャッスルストリートの城の隣りに商館を建ててあげよう!」

「えっ、建てていただけるのですか、姫? ありがとうございます!! これで両国の関係はもっと強まります!早速フェルナンド王にも伝えますので。」

「それに、エミディオ、まずは最初の取引として貴君には軍需品も扱ってもらいたい。先日アルメリア連盟からの依頼で宇宙海賊の基地に奇襲をかけたのだが、わずかな期間で奴らの勢力は増大していたのだ。」

「では、今度は貴国と同じ兵器のバトルスーツを依頼するように王に進言いたしましょう!」

「それは良い選択だと思う。これからも宜しく頼む!」

ということで、姫との謁見は終わり、エミディオは晴れてブリンデンブルク王国のお抱え商人となったのである。


「これからの海賊の襲撃に対して、私良いアイデアがあるんです!」とフリーダが言った。

「どんなこと?」と姫は通常の会話に戻っていた。

「BSがもつシールド(盾)ですが、シールドの外周に6つの魔道砲発射口を作って防ぎながら魔道砲攻撃ができるようにするといいと思うんです。それがあれば守りながら撃てるのです!」

「なるほど! それであれば錬金術部隊にお願いすれば作れると思うのだけど、例えば、ダミアンも扱えるんだろうか?」

「はい、少ない魔力でコントロール可能だと思います。」

「俺も、そのシールド欲しいな!双剣は必須だけど、防御ができて同時に攻撃ができるわけだから重宝しそうだよ。」

「じゃ、フリーダにその設計図を描いてもらったら早速錬金部隊に作らせましょう!

少しでも海賊に対抗できる装備を持っておかないとね!」


そして、そのあと3人は城壁前方に造られた砦の視察に出かけた。


城壁の上には30門の魔道砲が守護神の如く配備され、その前の砦の上にも魔道砲10門が装備されていた。

そしてその中間に30機のBSも並べられており、砦の前方にも土魔導師による約15mの最新型人型ゴーレムも10体配備されていた。


「これで、地上戦でできることは準備したわ!あとは私たちの空中戦にかかっているわね!」とアデリナが言った。

「アルベルトは?」とスタンが聞くと、

「彼は兄のお気に入りだから、30機を束ねるBS騎士団の隊長よ。」

「それはそれで、地上は預けられますね。」

「それと、あなた達のクラスパーティーのアメリアとユリアーナはそれぞれ白魔導師と黒魔導師の部隊に配属されたわ。」

「しかし、今でもヘンドリックがいないのが信じられないな・・・」

「俺たちいつも一緒だったからな・・・仕方ないよ。」

「それを考えるとアレクサンデル教皇!アイツは許せねえ!!」


アデリナが話題を変えて、

「そういえば、我々の宇宙船もそろそろ完成する予定よ。稼働確認が終われば打ち上げとなるから、その時はフリーダの出番ね。空間転移魔法はあなたしか使えないからよろしく頼むわ。」

「わかりました。精一杯頑張ります。その宇宙船にはどなたが乗ることになるんですか?」

「艦長としてロイヤルファミリーから第二王子のバルドリック王子が乗船する予定よ。でも、あれは一旦宇宙空間に行ったらなかなか帰還できないからね・・・王立軍の中から希望者を募っているところなの。 それと、アルメリア諸国連盟との共同事業になっているから先方からはなんとテレサ姫も乗船希望が来ているのよ。」


「えっ マジ? 姫、それは本当か?」

「ええ、あなた達に嘘はつかないわよ!」

「もしかして、ダミアン、お前も乗りたいのか??」とアルメリア姫に憧れている事を知っているスタンが驚いた。

「いやー、ちょっと考えちゃうよな〜 それは宇宙に行っても戻れるのか? ってとこだよな…」

「ええ、打ち上げるのは物凄いエネルギーが必要だから転移魔法が必要なんだけれど、降りるのは魔導師が脱出ポッドに同乗すれば問題ないはずよ。」

「そうか・・・」と考え込んでいるようである。




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