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『光と陰ースピンオフ冒険譚』: ストレンジアトラクター『光と陰 いざ魔法世界へ!』  作者: 三海怜


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47/62

第47話

魔法世界に冒険者として生きる孤児であり主人公スタンリー・ケンプ。

そこに生きる人々の様々な些細な行動がまるでバタフライ・イフェクトのように世界を変えていく。


この物語のテーマとなる『ストレンジアトラクター』とは、難しくいうと・・・

カオス理論の研究の中で発見された奇妙な挙動を示す微分方程式の状態の総称のこと。

つまり動的システムが時間とともに発展する際に、予測不可能 で複雑なパターンを形成する現象を指すのです。


そんな泡沫の世界で生きるスタンリー・ケンプ

彼の目を通してその冒険譚を進めていきたいと思います。


また本編である『光と陰ー織りなす夢の形』のスピン・オフとして、本編シーズン4の最後と繋がる物語となりますのでお楽しみに!

アデリナは代表して今のエルフの里が置かれた状況を説明した。

「なるほどね!そういうことだったのね。」

「リサーチがてら邪魔する魔獣らを駆逐してはいたんだけど、バハムート帝国ってところは魔族の国だったわけね?」とジュリアが今更ながら驚き聞いてきた。


「そう言われていますね。魔族とは魔人の集まりで外見上は私達とほぼ違いはありませんが、魔獣が人化したようなもので言葉は通じますがそもそも人の心がありません。見た目は人族ですか中身は魔獣なのです。そのため動物的な欲求のみで動きます。魔人を束ねる長が俗に魔王と呼ばれておりまして外交的にはバハマート帝国の皇帝にあたります。私達の人族の国は魔族避けの強力な結界で守られていますので、エルフの森を破壊し侵攻しようとしているのだと思います。」とアデリナ姫がこの世界の状況を2人にわかりやすく説明した。


「なるほど!そういうことか!?」と予想外にスタンが真っ先に反応し皆が笑っていた。まあ、孤児院ではそういった国外の知識を得る教育はなかったのであろう。

「ということは、私たちが追ってきた輩はまるでその御伽話のような『魔族』とやらになるのか?」とジュリアが反応した。

すると、事情を知っているフリーダが、「そのお二人が探しているお尋ね者とは魔獣が人化した魔人なんだと思います。そして、お二人にとっても手強い相手ということでしたら魔王という可能性もありますね。」と付け加えた。


「魔王か!?・・・」とジュリアは何か考え込んでいるようであった。

「どうしたの?ジュリア?」

「そうか! なるほどな!ソフィア、わかったよ!! アトランティス創世記に追放された本人なのか?その末裔なのかは不明だけれど、そいつがきっとこの異世界で魔族の帝国を形成しているんだよ。それでこの魔素が強い惑星で自然の摂理を操るということで魔法とやらを始めた・・・これで謎が溶けたよ。」

「なるほど、そういうことね!! じゃやっつけるの??」


「ちょっと聞きたいのだが、魔族を抹消すると君たちは困るのかな?」とジュリアはアデリナ達に聞いてきた。

「それは私たちには成し得ないことですので歓迎すべきことなのですが・・・実は、あまり世間では知られていないのですが・・・これは言ってもいいことなのか〜」

すると、フリーダが、「姫、それってなんですか?? 私たちなら大丈夫ですよ!他言しませんので。」と死ぬほど聞きたそうな表情であった。


「そうか、でも知ると大概ショックを受けることになるとは思うんだけどね。」

アデリナは対ソフィアとジュリアであるという特別な緊急事態という言い訳で話すことにした。

「実は、王国の研究の結果、仮説ではあるのですが、魔族らが発する魔素がこの世界に充満しているために、私達はそれを利用して魔法を使えるようになっているのです。ですので、そもそも魔族が発する魔法の方が強力なのです。ということが正しければ、魔族が滅ぶと私達の世界では魔法が使えなくなるという仮説があるのです。」


「へえー、そうなのか!?」とダミアンも驚いている。

ソフィアも「なるほど。それは理屈が通るわね。理解できるわ。」と納得のようだ。

ジュリアは、「なるほどね。どうするか??」とこの世界の今後を左右する決断となるため珍しく悩んでいるように見える。

「確かに、今の世界で魔法が使えないとなると生活に大きな支障が出てきてしまいますね!?」とフリーダもそれを案じているようだ。


「だけど、せっかく私達も魔法の力を得たわけだから、ここでこの機会に魔族と戦った方が有利だと思うわ。それは魔王だけを倒して魔族がある程度存在すれば魔素は無くならないのかしら?」とソフィアがアデリナに聞いた。

「それが、そこまではわからないのです・・・」

「うーん・・・」全員悩んでしまった。


「わかった!とりあえず私達はその魔王という輩を探してみるわね! 突き止めたらまた連絡するわね。それでどう、ソフィア?」

「とりあえずそうするしかないわね!そうしてみましょう!」

「では、魔都に侵入してリサーチしてみることにするわ! 皆さんも元気でね!!」と言って、怒涛の如く現れた2体のEBSは颯爽と去って行ってしまったのだった。

「カッケー!!」とダミアンは目はハートになり痺れていた。


「怒涛のようだったわね!しかしあのお二人のおかげで助かったわね!ここの死んだ森を守る結界はアリエルは張れるのかしら?」とアデリナは次の魔族の襲撃を予想しているようである。

「はい、私が残って防御結界を張りますね! 仲間と森の枯れた境目に移動します。」と言って、他の残ったエルフ達と一緒に前方に移動して行ったのだった。


残されたアデリナ達は再び蓮の葉に乗りエルフの里に戻ってきた。

すると、長老が出てきて、「皆様、本当にありがとうございました!エルフ族を代表して感謝申し上げます。この一族の危機を救って頂いたお礼として、私が生涯を掛けてついに習得できました空間転移魔法というエルフだけが持つと言われてきた古代魔法の一つをどなたかに伝授したいと思います。」という驚くべき申し出があった。


「えっ、長老! それは誰でも伝授可能なのですか?」

「できるなら、強力な白魔法が使える方のほうが習得できる確率が高いと思われます。」

「そうか!じゃフリーダしかいないわね!?」




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