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『光と陰ースピンオフ冒険譚』: ストレンジアトラクター『光と陰 いざ魔法世界へ!』  作者: 三海怜


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42/62

第42話

魔法世界に冒険者として生きる孤児であり主人公スタンリー・ケンプ。

そこに生きる人々の様々な些細な行動がまるでバタフライ・イフェクトのように世界を変えていく。


この物語のテーマとなる『ストレンジアトラクター』とは、難しくいうと・・・

カオス理論の研究の中で発見された奇妙な挙動を示す微分方程式の状態の総称のこと。

つまり動的システムが時間とともに発展する際に、予測不可能 で複雑なパターンを形成する現象を指すのです。


そんな泡沫の世界で生きるスタンリー・ケンプ

彼の目を通してその冒険譚を進めていきたいと思います。


また本編である『光と陰ー織りなす夢の形』のスピン・オフとして、本編シーズン4の最後と繋がる物語となりますのでお楽しみに!

ジュリアが少しづつ山頂に近づていくとアルベルトのパーティーが待ち構えていた。

山頂は後衛の支援魔法・治癒魔法のアメリアとアリエル、黒魔法師のユリアーナが守っている。1番先にジュリアと接触する先鋒にはスタンとダミアンそして今回は槍を持ったリーダーのアルベルトがいる。そしていつも通りミッドフィルダーはフリーダのフォーメーションである。


ジュリアはBSサイズのロングソードを構え大型シールドを左手で構えながら進んでいくと、フリーダの支援魔法を受けたアルベルトが槍で突っ込んできた。それをジュリアはシールドで受けるとロングソードで斬りつけたのだが、フリーダが防御魔法を発動し瞬間的にアルベルトの周りにシールドが張られたため攻撃は有効にならなかった。

フリーダに発動する時間をあげるとまずいわけだ。


それを理解したジュリアは、アクセラレートを彼女のBSの脚部に発動し一瞬でフリーダの手前に移動した。

フリーダはその瞬発力に驚き防ぐ間もなく斬られてしまったのだった。いきなりの脱落である。


フリーダの没を無駄にしないために、ジュリアの後方からスタンとダミアンが同時に襲いかかった。

それを察知したジュリアはヒラリと後方向に向きを変えるとシールドで防ぎながら剣先からファイアーボールを連発したのだった。それをまともに喰らうとNGとなるため一歩下がりながらダミアンはシールドでスタンは双剣で受けた。後方から防御魔法が掛かっているのだ。


次にジュリアとしては前衛の3人に後方から支援して防御魔法をかけているアメリア・ユリアーナ達をまずはどうにかしなければならない。

すると彼女は上空に得意のトルネードを起こし、それを直下型の攻撃として山頂を守る3機に落とすと巻き込まれた3機を上空に巻き上げたのだった。そして、その間の防御魔法が空白の一瞬を突いてアルベルトとダミアン側にアクセラレートで瞬間移動し討ち取ったのだった。

2人とも退場である。


またその間トルネードに巻き込まれていた3機は、遠方からのソフィアのスナイパー攻撃により綺麗に撃墜されてしまっていた。


残りはスタン1機のみである。ソフィアも下方向からジュリアの援護に向かっている途中である。

そしてジュリアとスタンは対峙していた。スタンのいつもの戦法で力技のように双剣をマシンガンのように振り回すスタイルをもってジュリアに挑み掛かっていった。それをジュリアは一歩先を行く様子で可憐に避けながらするりと後方を取った。その時スタンはソフィア方面を向いていたのだった。


勝負あった!すかさずその隙を狙っていたソフィアのスナイパー攻撃によって彼は射抜かれてしまったのだった。

「シュウリョー!!」と終わりの合図が鳴り響いた。


これはアルベルトパーティーの反省会である。

「俺たちすっかりソフィア先生を舐めてしまってたよな! あんなお強い方だったとは全く持って思ってもいなかったよ。あくまでも研究者だと思っていたからな・・・」

「だよね!惨敗だよ。しかしながら、やっぱり双子の姉妹ってこともあるんだろうけど、お二人のコンビネーションは素晴らしかったわ!」

「まさに以心伝心のコンビネーションはなかなか真似できないよな!!?」

すると、リーダのアルベルトが、「でも、あれこそが先生方が私たちに教えたかったことなんじゃないか!?」

「俺もそう思ったよ! あんな連携が俺たちもできれば、宇宙海賊なんて敵じゃなくなると思ったよ!」と言うコメントがヤられた張本人であるスタンから出てきたのだった。


「俺は今回のゲームで何かがわかった気がするよ。ジュリア先生は戦う時には戦略をイメージして点をつなげていっているんだよ。何通りも存在する選択肢の中でまるでチェスみたいに先々を瞬間的に読んで刈り取る点を決める。そして、そこに敵を誘い込んでいっているんだ!やっぱり師匠はすごいな〜!!」と偉く感動しているのであった。


この戦いを観劇していたアデリナ姫もやはりスタンと同じように感じていたのだっだ。フィールド上の戦いにおいては、まさに仮説・検証・修正の実践データからなる予測スキルの集積を最上の術としジュリアとソフィアを最強の戦士たらしめていると言うことがわかったのである。


この卒論終了後に学園は春休みを迎えることになったが、ブラン姉妹は本来の目的であるあの魔人を見つけるために、その存在の可能性が高いと言われるバハマート帝国に向けて旅立っていったのであった。


「ジュリア先生とソフィア先生って、私たちに一言もなく旅立っていっちゃったそうよ・・・」と1番接点が多かったフリーダが残念で仕方がないという表情である。

「しかし、怒涛のような半年だったな・・・」とアルベルトが、

「いや!わずか半年だったけど、俺たちは、少なくとも俺はかけがいもないことを教わったよ!」とスタン、

ダミアンは「俺はもっとジュリア先生と親しくなりたかったな!!やっぱり強い女ってカッコいいよな!!」と意外にも1番残念そうな表情をしていた。

「でも、これで、お陰様で宇宙海賊がまたやってきても、少なくともビビらず自信を持って戦える気がするよ。」とヘンドリックが一番冷静に学生の総意的な発言でまとめた。


「きっと、また会えるよ!!」とスタンは再会を信じていた。


すると、フリーダが、「そうだ!そろそろアリエルのためにエルフの里に向かわないとね!!」

アルベルトはまた学生会に巻き込まれることになったため、当初通りフリーダ、スタン、ダミアンとヘンドリックでこの春休みを利用してアリエルと一緒に旅立つことにしたのだった。


それを耳にしたアデリナ姫は、なんと『私に内緒で!』と険しい表情で魔動機の前で待っていたのだった。

「あら、あなた達! パーティーリーダーをお忘れ??」と少々ご機嫌斜めの様子だ。

「えっ、姫?? 姫は国防でお忙しいと聞いたていたので・・・」と一同純粋に驚いている。

「エルフの国に行って空間移転魔法を習得するのは最上級に大切ですよ!!」

「そうでしたか!? 申し訳ございませーん・・・」


「まあいいわ。魔動機はフルハウスになっちゃうけど、さあ、行きましょう!!」







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