第36話
魔法世界に冒険者として生きる孤児であり主人公スタンリー・ケンプ。
そこに生きる人々の様々な些細な行動がまるでバタフライ・イフェクトのように世界を変えていく。
この物語のテーマとなる『ストレンジアトラクター』とは、難しくいうと・・・
カオス理論の研究の中で発見された奇妙な挙動を示す微分方程式の状態の総称のこと。
つまり動的システムが時間とともに発展する際に、予測不可能 で複雑なパターンを形成する現象を指すのです。
そんな泡沫の世界で生きるスタンリー・ケンプ
彼の目を通してその冒険譚を進めていきたいと思います。
また本編である『光と陰ー織りなす夢の形』のスピン・オフとして、本編シーズン4の最後と繋がる物語となりますのでお楽しみに!
ヘンドリックがポイズンアローを連続で放ちながらフリーダはファイアーボールを連発している。
ジャイアントマンティスはそれなりにその攻撃を受けて苦しんでいるようには見えるが、まだまだ動きは活発である。
「全く弱まらないな!」
アリエルも「私も援助します!!」と言ってウインドカッターも連発し始めた。
アリエルが発したウインドカッターはかなり強力で広範囲の部位にダメージを与えている。
「すごいな、アリエル! そうだ!! アリエル、風魔法で俺をあいつの頭の位置に向かって飛ばせるか?」
「多分できるかと思います。」とスタンが言った。
アリエルはスタンの後ろに立つとウインドプレッシャーをかけた。すると溜まった空気の圧力が一瞬弾けスタンはマンティスの頭目掛けて飛んでいったのである。双剣を手にしたスタンは右の炎の剣で頭を切り落とし、左手の氷の剣で胴部分を刺して氷化させたのだった。
そこにダミアンが飛んでいきアックスで硬直した巨体を切断し撃破した。
「ラスボスやったぜー!! 俺たちのチームワークの勝利だ!!」とダミアンが大喜びである。
予想通り彼らはこの最下層の壁面を中心にオリハルコンの原石を多数採掘することができたのでる。
まずは、1つのミッションがコンプリートした。
これで勢いついたパーティーは、次のダンジョンを目指して砂漠を移動中である。
すると、前方にこの前の宇宙海賊を似た巨大ロボットが2体上空からこちらに向かってくるのを目視で確認できた。
「なんだ、あれ?? また、あの宇宙海賊か??」とダミアンが真っ先に気がつくと、
「前の機体とちょっと違うようね! あの海賊の機体は形が無骨な兵器ぽいものだったじゃない!? あれは昔の伝説の騎士がつけるようなアーマーのデザインよ!」
「確かにそうだな。もし海賊じゃなかったらバハマート軍か? それとも宇宙海賊の敵? つまり敵の敵は味方 うちらの味方だといいな!」
「おっ、降りてくるぞ!」
その15mぐらいある巨大ロボットは空からユックリと降りてきてスタン達の魔動機の手前に静かに着陸した。
「どうやら敵ではなさそうね。ハバマート軍なのかしら? 私が声をかけてみるわね。」とフリーダが、
「こちらはブリンデンブルクの偵察隊です。あなた方はバハマート帝国の方々ですか?こちらは通行証も持っており攻撃の意思はありません。」とアナウンスした。
するとその胸部ハッチが開くとアーマーを着用した2人の人間がコックピットから砂漠に降り立ったのだった。
全身ブラックのアーマーを纏って現れたのは、なんとボディラインが綺麗に且つセクシーに見える人間のシルエットの女性であった。
ヘルメットを被っていないため顔が確認できたが、なんと驚くことにその2人の女性は同じ顔であった。
身長は170cm弱ぐらいのコーカソイド系であり、1人がブロンドでポニーテール、もう1人がプラチナブロンドのショートボブの髪型である。
それを見たフリーダ達も魔動機のサイドハッチを開けて降りた。
そして、緊張の中お互いが少しつづ歩み寄っていった。
10mぐらいの間隔を持った状況で止まり、
「私はジュリア、隣はソフィアだ。言って伝わるかはわからないが、たった今私達の世界からあなた達の世界にリープしてきたところだ。我々もあなた方に敵意はない。それよりこの世界の状況を教えてもらいたいと思っている。」と代表して答えた。
それを理解したフリーダが代表して「私はフリーダと申します。そしてヘンドリック、ダミアン、スタン、そしてアリエルが仲間です。今異世界からいらっしゃったと言われましたか?」
「そうだ。私の姉のソフィアがタイムリーパーを開発できたから、悪魔を追って来たらここに着いたんだ。」
「悪魔?ですか? 悪魔とはどんな?」
「私たちの世界に悪をもたらす諸悪の根源の生物で、人間の意識をコントロールできる能力を持っているため国を蹂躙しているのだ。そのせいで紛争や戦争などが絶えない世界になっているんだ。」
すると、ヘンドリックがこっそりと「それって精神干渉魔法なんじゃないかな?」とフリーダに耳打ちした。
「あなた方は追っている者は精神干渉魔法ができる魔導師だと思います。」と言うと、
「魔導師?? それは魔法使いってことか? ということは、この惑星では魔法が使えるのか??」とジュリアが驚いた表情で答えた。
「そうです。ここは魔法の国ですよ。それよりもそのあなた方のロボットは空を飛べると言うことは宇宙へも行けるのでしょうか?」
「これか!? 宇宙にまで行けることは行けるがそもそも宇宙でも戦えるものなのだが。」
「実は、私たちの世界は宇宙海賊と言われる者たちの襲撃を受けています。ちょうどあなた方のロボットのようなものに襲撃されたところなのです。あなた方は魔導師を追ってここに来た。私たちは宇宙海賊からこの世界を守る。なんかお互い協力できる接点がありそうですね!?」
そこにもう1人のソフィアも入ってきた。「ここは魔法が使える世界なのね??」
「そうです。私たちも使えますので。」
するとソフィアは警戒心もなくジュリアの前に出て彼らに歩み寄った。そして興味津々でフリーダの体を触り出したのだった。
「体の仕組みは私たちと同じみたいね。あなたはどんな魔法が使えるの??」
「私は赤魔導師なので、支援魔法や防御魔法なんかで主に守りの魔法ですね。そして、エルフの彼女は治癒魔法、
こっち、スタンは剣士で魔力がこもった魔剣を使えますよ。」
「ということは、この世界には魔素があるのね??」
「ええ、そうです。」
「魔法とやらを拝見したいわね〜」
「へえー この世界にはエルフもいるのか?」とジュリアも驚きの表情でアリエルに歩み寄っていき、珍しそうに尖った耳を触っている。
そして続けて、
「では、この世界の魔法とやらの力を知りたいので、有効の証に私と剣を合わせてみないか?」といきなりジュリアが魔剣使いと言われたスタンに提案したのだった。
彼女の性格から『百聞は一見にしかず!』と思ったらしい。
2人は剣を抜いて砂漠に立った。
スタンは双剣を構え、ジュリアは左手にシールド右手にロングソードを握っている。
ジュリアのバトルアーマーと言われる戦闘用スーツはボディラインに沿ってデザインされており、
美しいと同時にセクシーであった。そして、剣を持つ立ち姿はスタンをも魅了している。
『なんか、凄く綺麗だな!神々しいと言うのか・・・』と見入っているほどである。
「おい、スタン!何見とれてるんだ!行けよ!」とダミアンからチャチャが入り我に返った。
そして、双剣でいつものように強烈に斬りかかって行った。
それをジュリアはシールドで簡単に受けている。
スタンは一旦距離を取り、今度は魔剣である右の剣より火魔法を発動したのであった。
それが剣先から火柱のようにジュリア目掛けて撃たれた。
ジュリアはその攻撃をシールドで簡単に受けると、スタンに向かって瞬間移動し剣先を彼の顎に当てていたのだった。
あまりにも素早く、他の者には何が起こったのかわからないほどの速度のため呆気に取られていた。
「これで、決まりね!」とジュリアが言い剣を収めた。
ジュリアの瞬殺での大勝であった。
本編のヒロイン ソフィアとジュリアの登場です!!
2人はこの魔法世界でも活躍できるのでしょうか?




